立体配座コードプログラム解析（SMARTS 3D 解析）

サリドマイドが社会問題化して以降、キラル医薬品の認可にはその分子構造の絶対配置を決定する必要があります。多くの製薬企業でキラル医薬品開発も戦略の一つに取り上げられており、その効率化のため溶液状態での創薬に役立つ構造情報を簡便に取り出す技術が求められています。

赤外円二色性(VCD)分光法を用いたキラル医薬品の絶対配置の決定には精度の高い溶液状態の構造を把握する必要があることから、煩雑な構造解析の検証を目的として、あらゆる有機分子に適用可能な、コンフォメーションをクリック操作でコード化して記述するプログラムをpythonスクリプト言語を用いて開発しました。

２次元の化学構造式はSMARTS記法により容易に部分構造検索が行えるようになっていますが、３次元の部分構造の検索は容易ではありません。立体配座コードを用いる、特許取得した相同性判定手法（特許5672596）をプログラムに組み込みSMARTS記法と組み合わせることで、異なる分子でも 3D フラグメント構造を検索することができます。本手法を用いることにより、創薬に役立つ、タンパク質から外れるためのドライビングフォースになりうる 3D フラグメントの構造変化をデータマイニング可能です。

アカデミア向けに、立体配座コード文字列出力プログラム(ConfCodeView)、立体配座コード化変換プログラム(CCOM)、SMARTS 3D 探索プログラムについて、無償のフリーウェアとして配布しておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

また、researchmapにも登録していますのでご参照ください。

ConfCodeView3 Program

CCOM (Conformational Code for Organic Molecules) Program