機能性有機分子の立体配座コード化解析技術

English

Structural Pattern Analysis of Organic Molecules Using Conformational Code for Structure-Activity Relationship Study


1.立体配座コードプログラム解析(SMARTS 3D 解析)

2.タンパク質超二次構造のデータマイニング解析

3.抗癌活性薬剤の赤外円二色性(VCD)絶対配置、立体配座解析

4.生体模倣ビルディングブロックの設計

機能性有機分子の多くは液体の状態で原子間結合の回転の自由度によりその形(立体配座)を変化させながら働いています。多くの分子モデル表示ソフトウェアではワンボタンでキラリティーを表記することは可能ですが、立体配座を表記するものは存在していませんでした。そこで、機能性有機分子のコンフォメーションをコード化してわかりやすくすることで、煩雑な構造解析の検証に応用する研究を行っています。

具体的には、創薬を主なターゲットとして、リガンドとなるサリドマイド、タキソール、イブプロフェン、プラバスタチンなどの薬剤や免疫反応に深く関わる免疫グロブリン、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子、インターフェロンなどのタンパク質の構造をコンフォメーションの視点からコード化することで、生物学的機能と深い関わりをもつ分子構造をデータマイニングする技術の開発を行っています。

また、このコード化技術と赤外円二色性(VCD)分光法を組み合わせて、生理活性分子の機能に大きな影響を与える立体配座を解析する研究を行っています。

赤外円二色性(VCD)分光法はサリドマイド等で問題が提起されたキラリティーを観測する手段であり、フーリエ変換技術の進歩によりその波長領域が赤外領域まで拡張されたものです。スペクトルバンドの多さが特徴となっており、光学純度も含めた生体分子の同定が簡単に行え、特に最近では未知の光学活性分子の絶対配置の決定に威力を発揮しています。

これまで蓄積してきた知的財産を基に、構造活性相関解析のためのコード化データの普及や赤外円二色性(VCD)絶対配置、立体配座解析技術の技術移転を積極的に進めています。この技術移転を前提として、新規薬剤、天然物等の化合物の絶対配置決定を受託しておりますのでご興味のある方は是非お問い合わせください。

また、アカデミア向けに、有機分子立体配座コード化変換プログラム(CCOM)、SMARTS 3D 探索プログラム及びタンパク質超二次構造コード(SSC)変換プログラムについては、無償のフリーウェアとして配布しておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

本研究はJSPS科研費 JP16K05711の助成を受けて行われています。

 

問い合わせ先:産業技術総合研究所 環境管理研究部門 反応場設計研究グループ 和泉 博