地域の地質と仕事

産総研
last updated 2023.9.22

目指すは一人前の Field Geologist (!) ということで、これまでに人生の何%かを費やしてきた仕事の紹介です。

地質図幅について

 産業技術総合研究所 地質調査総合センターでは、前身の地質調査所時代から全国の地質図を製作しています。特に1/5万地質図幅は独自の調査に基づいて地域の地質をまとめ上げる地質研究です。この中で私の担当地域を紹介します。

5万分の1地質図幅の担当地域
篠山地域 (1993) 白亜紀の陸成層と火山岩を担当しました。
刈和野地域 (1994) 新第三紀中新世より新しい火山岩と堆積岩を担当しました。
大阪東南部地域 (1998) 新第三紀中新世の火山岩を担当しました。
松之山温泉地域 (2000) 新第三紀~第四紀の火山岩・堆積岩を担当しました。
白馬岳地域 (2002) 新第三紀~第四紀の火山岩・堆積岩を担当しました。
たいへん申し訳ありませんが、地質図に間違いがありました。詳しくはこちらを参照してください。
珠洲岬、能登飯田及び宝立山地域
(2002)
主に新第三紀の火山岩・堆積岩を担当しました。
綾里地域 (2004) 白亜紀の火山岩・堆積岩類を担当しました。
生野地域 (2005) 主に白亜紀の火山岩・深成岩、第四系を担当しました。
宇都宮地域 (2010) 主に白亜紀の火山岩・新第三紀の火山岩・堆積岩を担当しました。
今庄地域 (2014) 新第三紀の火山岩・堆積岩を担当しました。
冠山地域 (2015) 新第三紀の火山岩・堆積岩・深成岩を担当しました。
鹿沼地域 (調査中) 2021年度より「宇都宮」の西隣にあたる「鹿沼」地域の調査・研究を実施中です。新第三紀の火山岩・堆積岩を担当しています。

出版済みの地質図は、「地質図Navi」でご覧いただけます。また、地質図の入手は「地質図カタログ」をご覧ください。

地質編さん図

 既存の地質図を参照・編集して制作する地質図を地質編さん図といいます。下記の「栃木県シームレス地質図」はこのような成果物です。

特殊地質図 41「栃木県シームレス地質図」
栃木県シームレス地質図は、これまでに公表された栃木県の地質に関する文献・資料を元に、地理院タイルを基図として地理情報システム (GIS) 上で編集した地質図です。

第2版
2024年3月に栃木県シームレス地質図第2版が公開されました。第1版がシンプルな地質編さん図の情報のみであったのに対し、第2版では各種の点・線・面データの情報も、ベクトルデータとして集約しています。このため、結果として栃木県に関する地質研究情報の地理空間索引図としての性格も強いデータセットとなっています。
栃木県シームレス地質図 第2版
第1版
栃木県地域を例に、5万分の1地質図をベースに20万分の1日本シームレス地質図の凡例で区分したシームレス地質図です。第1版は2017年時点の情報ですので、可能であれば第2版のご利用をお勧めします
栃木県シームレス地質図 第1版
リンク

地質図に関するより詳しい情報は、地質調査総合センターウェブサイトの「地質図を知るページ」を、地質調査については、その中の「地質調査の世界」をご覧ください。

CC BY 4.0 国際