手法の有効利用のための1アプローチ

本プログラムで採用した解析方法の1つであるCCA法は、SN比(シグナルとノイズのパワー比)が良い環境では非常に長い波長の波を解析することができます。微動アレイ周辺にノイズ源があるとSN比が下がるわけですが、人間の生活や産業活動のある市街地で微動のノイズ源をコントロールすることは困難です。唯一の方法は、ごくごくサイズの小さい「極小アレイ」を用いることでしょう(手に届く範囲のアレイならば少なくとも観測時(15分程度)にその周辺で静穏な環境を保つことは容易なはずです)。トップページの写真では、半径がわずか30cmのアレイを用いることにより高いSN比を実現した例です。このアレイでは10000を超えるSN比が得られましたが、その結果アレイ半径の500倍を超える波長が解析可能となりました(引用文献[6])。

 

パラメータ設定のコツ

本プログラムで採用した解析方法の特徴の1つは長波長解析性能です。それを生かすための解析パラメータの設定のコツは、着目する周波数帯域を見るために許容されるセグメント長の範囲内でそれをできるだけ短く抑えることです。これは、非定常ノイズに汚染される観測波形から多くのセグメントを抽出するために有効であり、ひいてはスペクトルウインドウによる平滑化のバンド幅をできる限り狭くすることを可能とします。スペクトルウインドウはバイアスの原因となり、長波長帯域の解析では特に重要な問題になります(引用文献[3])。

 

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