バイオミメティック法とは?

バイオミメティック(biomimetic)とは「生体模倣」を意味します。
私たちの骨は、アパタイトに対して過飽和* な体液中で、コラーゲン線維の上にアパタイトの微結晶が析出することによって作られています。体液に類似した過飽和溶液を、化学試薬と水から合成することができます。そのような過飽和溶液の代表例が、擬似体液(Kokubo et al. Biomaterials, Vol. 27 (2006) 2907)です。過飽和溶液の中に、アパタイト形成に有利な表面** を持つ基材を浸漬すると、基材上にアパタイトを形成させることができます。このような技術は、バイオミメティック法(あるいは過飽和溶液法)と呼ばれています。

*   その温度における飽和濃度以上に、成分イオンが溶け込んでいる状態。
**   アパタイトの前駆体、ある種の官能基(Si-OH, Ti-OH, COOHなど)、ある種のタンパク質などを有する表面。

DNAとは?

核酸の一種、DeoxyriboNucleic Acid(デオキシリボ核酸)を指します。4種類の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)とデオキシリボース(糖)とリン酸から構成される有機高分子で、通常は細胞の核の中に存在します。
DNA分子には、上記の4種類の塩基の並び順という形で、生物の遺伝情報が詰め込まれています。この遺伝情報をもとに、生物の営みに必要なタンパク質が合成されています。遺伝子導入技術を用いると、目的の遺伝情報(塩基の並び順)を有するDNA(またはRNA)を細胞内に送り込み、目的のタンパク質を発現させることができます。