MZ Platformとフィジカルコンピューティング

MZ Platformとフィジカルコンピューティングの関係

ここでは、MZ Platformとフィジカルコンピューティングの関係について説明します。

フィジカルコンピューティングの説明については こちら(英語)をご覧ください。 簡単に書くと、センサやモータなどを自由に組み合わせて独自の電子機器を作成して、 現実の世界と相互作用(インタラクション)を実現することを指します。

MZ PlatformはPCを中心としたデスクトップアプリケーションのエンドユーザ開発が主な対象ですが、 フィジカルコンピューティングと組み合わせると、 ハードウェアまで含めたシステムの独自作成(DIY)が可能となります。

対象範囲

フィジカルコンピューティング全体は広い範囲を対象としていますが、 ここではMZ Platformと組み合わせる話が対象ですので、かなり限定した範囲を扱います。 特に、MZ PlatformはPC上で動作しますので、PCの存在を前提とすることになります。 また、実現に用いる市販のモジュールとして、Gainer mini、Arduino、XBee(それぞれの説明はここでは省略します) を今のところ想定しているので、これらでできる範囲となります。

主な対象範囲を図で示します。PCで動作するMZアプリケーションが、USBケーブルを介した有線/無線のシリアル通信によって、 独自の電子機器と情報をやりとりするイメージです。MZアプリケーションはLANを介して、 ネットワーク上の各種サーバにアクセスすることも想定しています。 この場合は、MZを利用して作成した独自のソフトウェアに対して、 現実世界からの情報取得や現実世界に対する作用の機能を追加するという位置づけになります。

また、PCなしで動作する電子機器を作成する場合でも、各種電子部品等の動作をMZアプリと接続して確認しながら、 最終的な機器の構成を検討することも対象範囲として考えています。 この場合は、最終的な機器の構成を検討する過程でのプロトタイピングでの利用と位置づけられます。


利用例:光センサを用いた機器状態取得

例として、MZアプリにフィジカルコンピューティングを組み合わせた機器状態取得の一つの方法を示します。 ここでは、既存の機器の特定のランプが点灯しているかどうかの状態を取得するために、 光センサ(CdSセル)を用います。なお、ここでは個別のセンサや機器の接続方法などの説明は省略します。

CdSセルは光があたると電気抵抗が下がる特性 (解説はこちら)があり、下図のように光のあたり方に応じて入力端子で計測される電圧が変化します。 この図では、PCとUSBケーブルを介して接続したGainer miniとCdSセルを使用しています。 PCの画面上には動作中のMZアプリで計測された電圧を棒グラフで表示していて、 通常時の明るさと遮蔽時の明るさでグラフの高さが変化している様子がわかります。

CdSセルの部分を下図のようにランプに向けると、点灯時と消灯時で計測される電圧が変化します。 実際に使用する際には、消灯時に充分暗くなるようにセンサの周囲を覆って環境の影響を排除するなどの工夫とともに、 その状態で点灯と消灯を判断する電圧の閾値を適切に設定する必要があります。

あとは試行錯誤的に適切な機器の配置や設定を探って見つけることができれば、 既存の機器の状態を取得してその結果に応じた処理を実行するMZアプリケーションを作成することが可能となります。

この方法による機器状態取得のメリットは、既存の機器に外側から取り付けることが可能で、電気的に絶縁されていることです。 デメリットとしては、閾値の決め方が環境や対象とする機器に依存するので、試行錯誤的な調整が必要となります。 また、この例ではGainer miniを使用しているので、USBケーブルを介した有線での接続となるので、 対象機器とPCが近くにないといけません。 ただし、ここでは省略しますがXBeeを用いた無線での接続による同様の方法も可能なので、 工夫すればいろいろ使えると思います。

作成日 2013-01-10

最終更新日 2013-04-18