MZ Platformアプリの個人的な作成事例

USBカメラ映像記録

MZ PlatformでUSBカメラの映像を扱うアプリケーションを作成しました。 これを用いて、産総研オープンラボ東会場の人の流れの分析をした事例についても紹介します。

概要

MZ Platformでは、バージョン2.8から映像データを扱う「映像コンポーネント」を提供しています。

注:ただし、コンポーネント追加のメニューでは表示されません。 必要な場合はクラス指定で追加する必要があります。 (jp.go.aist.dmrc.platform.beans.media.PFVideoRecorder)

映像コンポーネントを用いると、USBカメラやPCの画面から映像を記録し、再生することが可能です。 さらに、映像から取得した静止画の保存、連続静止画からの映像データ作成などが可能です。

ここでは、USBカメラの映像から連続して静止画を記録して、 その連続静止画から映像データを作成するMZアプリについて説明します。 下図がそのMZアプリの画面イメージです。

さらに、そのアプリを用いて産総研オープンラボ東会場で映像を記録し、 人の流れを分析した事例について紹介します。 この内容については、知識・技術・技能の伝承支援研究会 で発表 (2013年7月31日第19回研究会) しています。

USBカメラ映像

前述のMZアプリで、「カメラ静止画」のタブを表示した画像が下図になります。 この中の「カメラ映像」ボタンを押すことで、USBカメラの映像を画面に表示します。

ボタンを押したときの処理が下図で、メソッドを一つ呼び出すだけで映像が表示されます。 現在の映像コンポーネントの機能では、 映像を表示した後に静止画を取得するか映像を取得するかで呼び出すメソッドが異なります。 ここでは静止画を取得するので、静止画取得用のメソッドを呼び出しています。

映像を表示したら、終了前に必ずメソッド「終了処理を実行する」を呼び出す必要があります。

なお、カメラ映像を取得するときに、複数のカメラが認識されている場合などは、 下図のような画面が出ますので、適宜選択してOKを押すと対応するカメラの画像が表示されます。

静止画の記録

前述のメソッド呼び出しでカメラ映像が表示されていれば、その映像から静止画を取得することができます。

単一の静止画を取得する場合は、下図のようにメソッド「静止画を取得する」を呼び出します。 ここでは、取得した画像をイメージビューワーに設定してダイアログを表示する処理を記述しています。

連続画像を取得する場合は、保存先のフォルダを指定して、 メソッド「静止画連続取得を開始する」を呼び出します。 指定されたフォルダの中に日付ごとのフォルダ、その中に時刻ごとのフォルダを作成し、 その中に時刻をファイル名としたJPEG画像が保存されます。 メソッドの引数として、保存先のフォルダ名に加えて、 ミリ秒単位の取得間隔および枚数を指定する必要があります。

連続静止画からの映像作成

前述のMZアプリで、「形式変換」のタブを表示した画像が下図になります。 この中の「連続静止画結合」ボタンを押すことで、連続した静止画から映像データ(MOV形式)を作成します。

連続静止画を結合する場合は、静止画の保存されているフォルダ名および、 結合後の映像データのファイル名を指定して、 メソッド「連続静止画を映像ファイル(MOV)に変換する」を呼び出します。 このとき、さらに引数として結合時のフレームレートも指定する必要があります。 静止画が配置されているフォルダについては、 前述の連続画像の記録時のように階層的なフォルダ構成となっていても、 深い階層まで画像ファイルを探索するようになっています。 探索された画像はファイル名の辞書順で結合されます。

産総研オープンラボでの利用

ここで紹介しているMZアプリは、産総研オープンラボで利用するために作成したものです。 産総研オープンラボとは、主に企業の方を対象とした技術展示で、毎年秋に実施しています。 産総研オープンラボ東会場の人の流れを映像として記録し、その映像を分析することで、 運営上の課題を認識して翌年の開催時に改善を図るために役立てています。

なお、この内容については知識・技術・技能の伝承支援研究会 で発表 (2013年7月31日第19回研究会) しています。資料が必要な方はリンク先をご覧ください。

オープンラボでの利用方法として、人の流れを1秒に1枚の静止画として記録し、 その連続静止画を結合することで映像を作成して、目視で分析することにしました。 オープンラボは2日間で延べ16時間程度の開催なので、 60倍速の早回し映像で1時間を1分と短縮することで分析作業の労力を軽減しました。

上記の連続静止画の結合は、前述のようにMZアプリの機能で実現していますが、 連続静止画の記録は、すべてをMZアプリの機能だけで実現したわけではありません。 下図のように、USBカメラの映像から静止画を保存する場合はMZアプリの機能で実施し、 それに加えて市販のWebカメラを用いてLANケーブル経由で静止画を取得することもしました。

下図は2012年産総研オープンラボ東会場の配置図です。オープンラボ開催中はこれらの機器で静止画を記録し、 終了後にすべての画像を結合して映像を作成し、目視で分析しました。

下図は分析の一例です。パネル会場と講演会場などの人数の推移をプロットしています。 目視で約15分間隔の概数をカウントしたものなので正確ではないですが、 傾向は理解できると思います。パネル会場の人数が定期的に増減しているのは、 その間隔でラボ見学の出発があり、パネル会場で集合するため直前に人数が増え、 出発後に減少するからです。

作成日 2013-10-08

最終更新日 2013-10-08