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円筒計算尺を作ろう
hand-made cylindrical slide rule

1. 簡単編

November 16, 2012, Daisuke Tominaga
| 材料と道具 | 作り方 | 使い方 | 外部リンク |
どの写真も、クリックすると大きくなります。
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計算尺?

かけ算と割り算ができる物差しです。 電卓登場以前は、平方根&立方根、その逆に二乗&三乗、指数&対数、三角関数など、 いろんな演算ができるものが作られていました。 原爆製造や戦艦の設計などには、専用の数式を実装したものが作られました。

計算尺は普段なかなか目にする機会はありませんが、それでも比較的多く見るものには、 大ざっぱにいって二種類あります。まっすぐな直線型と、円板型です。 右の写真で、横長のものが直線型で長さは約 38 cm、丸いのが円板形で、直径約 8.5 cm です。 できる計算は同じですが、やはり大ざっぱに言って、直線型は精度がいいものがあり (基本的に大きいほど精度がよい)、 円板形は携帯に便利で、操作自体もすこし安易に行えます (「目はずれ」がない)。

iPod touch の画面には、直線型計算尺を JavaScript で実装したアプリケーションを表示しています。 携帯性と、任意の精度を実現できることが強みですが、実際に目盛りを読むときは、 決して高いとは言えない画面の解像度に精度が依存するのが欠点です。

ここでは、直線型をまるめて円筒型にすることで、 円板形と同じ操作になる「円筒型」の作り方を示します。 自作するにしても、円形を切り抜く必要がないので、 円板形を作るよりはずっと容易です。 また直線型よりも置く場所に困らず、目はずれもなくて使いやすい、優れものです。

なお、ここで示している円筒計算尺は cylindrical ですが helical ではありません。 そのため、精度は同じ直径の円板形計算尺と同じで、 円周と同じ長さの直線型と同じです。 また、カーソルがないのがこの簡易な円筒計算尺の欠点です。

材料と道具

作り方

1. まず、上のリンクから「目盛りをうった紙」のファイルをダウンロードして、 A4 サイズ (またはそれ以上) の紙に、縮尺なし (100%) で印刷します。 赤字でうってある数字もありますが、色は白黒で印刷しても構いません。


2. 目盛りを2本の定規に切り分けます。 上の定規を C 尺、下の定規を D 尺と呼びます。 C 尺と D 尺は、1 から 10 までが刻んである目盛りです (1 から 100 までが刻んである定規の対を A 尺と B 尺と呼んでいますが、 ここではありません)。

右の写真では、糊代をつけて切り抜いてあります。 精度を追求する場合は糊代はない方がいいのですが、 あった方が工作はかなり楽になります。

PDF を印刷すると私の名前も入ってますが、 そこを切り取っても機能的には何の問題もないので、 個人の家庭内での利用では好きなようにして構いません。 法人での利用、および大人数での利用については、 どんどんやってもらえればうれしいのですが、一応、ご一報ください。


3.
上の C 尺を、用意している筒にぴったりと巻き付けてます。 目盛りの両端がきれいに重なるように、 目盛りが円筒の底ときれいに水平になるようにするのが、重要なポイントです。 また円筒と巻き付ける紙の間にスキマがないようにしましょう。

ちなみに、くるくると回るようにしておいてもいいですが、 円筒に固定しても構いません。 固定しておいた方が、目盛りを読むときにずれにくくていいかもしれません。 固定するのにテープを使うときは、目盛りの刻んでいない上側を貼ります。 糊であれば、全面がむらなく貼り付くようにします。


4. D 尺を筒に巻き付けます。この尺は自由に回せるようにします。 巻き付けた紙の両端をテープか糊で貼り合わせますが、 筒にはくっつかないようにします。 やはりきれいに水平になるようにするのが、重要なポイントです。 先につけた C 尺と、すべての目盛りがぴったりくっつきながら、 くるくると回転するようにします。 スムーズに、かつぴったりと D 尺が回ればできあがり!


使い方

円板形計算尺とまったく同じなので、コンサイス社の製品を持っていれば、 その説明書に書いてある通りです。 また 計算尺推進委員会 にも非常に詳しい説明があります。

写真はクリックすると、大きくなります。大きな写真でよく見てみると、 意外ににいい精度で数値が読み取れることが分かります。

かけ算

3.6 x 6.8 をやるには、まず C 尺の 3.6 のところに D 尺の 1 を合わせます (下図左)。 そして、目盛りがずれないように気をつけながら、 D 尺の 6.8 が C 尺のどこに合っているかを読みます。 (下図右)。 計算機による正解は 24.48 です。


わり算

3.1 ÷ 7.7 をやるには、C 尺の 3.1 に D 尺の 7.7 を合わせ (下図左)、 目盛りがずれないように気をつけながら、 D 尺の 1 が C 尺のどこを指しているかを読みます (下図右)。 計算機による正解は 0.4026 です。

比例計算

かけ算と割り算が混ざった A x B / C みたいな計算もできます。 1.3 x 0.62 / 3.1 なら、まず割り算をやります。つまり、 C 尺の 1.3 に D 尺の 3.1 を合わせます (下図左)。 そしてそのまま、 やはり目盛りがずれないように気をつけながら、 D 尺の 6.2 と合っている C 尺の目盛りを読みます。 (下図右)。 計算機による正解は 2.600 です。

履歴

November 16, 2012
尺の長さ調整
July 12, 2010
公開
July 16, 2010
制作内容を多機能編に移し、新たに簡単編として公開


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