UCHINO Takayuki's Homepage

産総研
last updated 2024.9.18
地質学に取り組むことはジグソーパズルを組み立てることに似ています.限られた情報から自然の真理を考え詳らかにして行く・・・.そこには壮大なロマンがあります.地質の研究を通して,できるだけ多くの人に自然のなりたちの偉大さや面白さを伝えたいと思っています.
 ときに,我々が扱う地球科学のパズルには別のピースが混在してくることがあります.いかに本物のピースだけを選び出し,素早く正確に組み立てていくかが,研究者の腕の見せ所だと考えています.
Profile
内野 隆之(UCHINO Takayuki)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
地質調査総合センター 地質情報研究部門
シームレス地質情報研究グループ 研究グループ長
〒305-8567 茨城県つくば市東1-1-1 つくば事業所7群
E-mail:t-uchino*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)
研究内容
  • 付加体を対象とした中古生代の島弧海溝系テクトニクスの解明
    (日本列島の構造発達史)
業務内容
  • 5万分の1及び20万分の1地質図幅ならびに日本シームレス地質図の作製
    [国土の地質基盤情報の整備及び強靭化]
略歴
  • 1992.3 山口県立宇部高等学校卒業
  • 1997.3 早稲田大学教育学部理学科地学専修卒業
  • 1999.3 北海道大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻修士課程修了
  • 1999.4-2004.3 日本電気株式会社(NEC)勤務
  • 2007.3 北海道大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻博士課程修了
  • 2007.4~ 産業技術総合研究所 地質調査総合センター勤務
    • 2007.4-2011.3 特別研究員
    • 2011.4-2021.3 主任研究員
    • 2021.4- 研究グループ長
研究業績

1.論文・報告(査読付)

  • UCHINO, T.(2024)Geological origin of divine white and black pebbles paved around the main palace of Ise Shrine, central Japan.Geoheritage, 16,60. https://doi.org/10.1007/s12371-024-00958-6.
  • KAWAMURA, T. and UCHINO, T.(2024)Zircon U–Pb age constraints on the history of Carboniferous volcanism in the South Kitakami Belt, Northeast Japan.Bull. Geol. Surv. Japan.75,61–72.
  • YAMASAKI, T. and UCHINO, T. (2023) Assimilation of lowercrustal dunite xenoliths into adakite-related felsic magma: New insights into the production of bajaitic high-Mg andesites. Journal of Asian Earth Sciences,249, 105613. doi:10.1016/j.jseaes.2023.105613.
  • 川村寿郎・内野隆之(2023)北上山地南東部,大船渡地区の中生代層のジルコンU–Pb 年代.地質調査研究報告,74,78-105.
  • OSAKA, M., AOKI, S., UCHINO, T. and FUKUYAMA, M.(2023) Constraint on the spatial distribution of the Early and Middle Jurassic units within the Nakatsugawa Complex of the North Kitakami Belt by detrital zircon U–Pb dating.Bull. Geol. Surv. Japan. 74,155-166.
  • 内野隆之(2023)北部北上帯ジュラ紀付加体中に産する前期ペルム紀流紋岩とその帰属.地質調査研究報告,74,61–69.
  • 内野隆之(2022)根田茂帯付加体中に挟在する石英閃緑岩岩塊の前期オルドビス紀ジルコン年代.地質学雑誌,128,221–227.
  • 内野隆之・工藤 崇・古澤 明・岩野英樹・檀原 徹・小松原 琢(2022)北上山地中西部,盛岡市薮川地域の外山高原で見出されたチバニアン期後半のテフラ.地質調査報告書,73, 67–85.
  • 内野隆之・坂野靖行(2022)根田茂帯・北部北上帯境界で見出された古生代後期の含ざくろ石低温高圧型結晶片岩とその帰属.地質学雑誌,128, 1-6.
  • 内野隆之・羽地俊樹(2021)北上山地中西部の中古生代付加体を貫く白亜紀岩脈群の岩相・年代と貫入応力解析から得られた引張場.地質学雑誌,127,651-666.
  • UCHINO, T.(2021) Recognition of an Early Triassic accretionary complex in the Nedamo Belt of the Kitakami Massif, NE Japan: New evidence of correlation with SW Japan. Island Arc,30,e12397. https://doi.org/10.1111/iar.12397
  • 工藤 崇・内野隆之(2021) 岩手県盛岡市薮川,大石川沿いで確認された十和田大不動テフラ. 地質調査研究報告, 72,129-138.
  • 内野隆之・鈴木紀毅(2021) 岩手県盛岡東部,北部北上帯南西縁部の付加体泥岩中の中生代放散虫化石. 地質調査研究報告, 72,119-127.
  • 内野隆之(2021) 北部北上帯南西縁部,ジュラ紀付加体中玄武岩の地球化学的特徴と起源. 地質調査研究報告, 72,109-118.
  • 内野隆之(2021) 岩手県岩泉町釜津田の北部北上帯付加体砂岩から得られた中期ジュラ紀ジルコン年代: 大川試料を含む付加体の年代検証. 地質調査研究報告, 72,99-107.
  • UCHINO, T. and SUZUKI, N.(2020)Late Jurassic radiolarians near U-Pb-dated sandstone of the North Kitakami Belt in the northeastern Shimokita Peninsula, Tohoku, Japan. Bull. Geol. Surv. Japan. 71,313-330.
  • 内野隆之・山崎 徹(2020) 三重県志摩半島,御荷鉾緑色岩類のドレライト質岩から見出されたマグネシオリーベック閃石. 地質調査研究報告, 71,77-83.
  • 内野隆之(2020) 三重県志摩半島の黒瀬川帯蛇紋岩中ドレライト岩塊の地球化学と起源. 地質学雑誌, 126, 113-125.
  • 内野隆之(2019) 岩手県盛岡地域,北部北上帯南西縁部に分布するジュラ紀付加体中砂岩の砕屑性ジルコンU-Pb年代. 地質調査研究報告, 70, 357-372.
  • 内野隆之・栗原敏之(2019) 根田茂帯根田茂コンプレックスの礫岩から見出された中期デボン紀~前期石炭紀放散虫化石. 地質調査研究報告, 70, 109-115.
  • 内野隆之(2018) 下北半島北東部大森地域に分布するジュラ紀付加体砂岩中の砕屑性ジルコンU-Pb年代. 地質調査研究報告, 69, 125-133.
  • 内野隆之(2018) 秋田県,十和田湖西方に分布する中期ジュラ紀付加体の地質図と砕屑性ジルコンU-Pb年代. 地質調査研究報告, 69, 37-46.
  • 内野隆之・鈴木紀毅(2017)三重県志摩半島,秩父累帯北帯白木層群の泥岩から得られた中期ジュラ紀放散虫化石と地質対比. 地質学雑誌, 123, 1015-1033.
  • 内野隆之(2017)北部北上帯門馬コンプレックスの凝灰質泥岩から得られた後期三畳紀のジルコンU-Pb年代. 地質学雑誌, 123, 977-982.
  • 内野隆之(2017) 5 万分の1 地質図幅「鳥羽」地域における秩父累帯北帯の砂岩及び三波川帯の砂質片岩から得られた砕屑性ジルコンU-Pb年代. 地質調査研究報告, 68, 41-56.
  • 内野隆之・石田直人(2017) 5万分の1地質図幅「鳥羽」 地域における秩父累帯南帯の泥岩から見出された中期及び後期ジュラ紀放散虫化石. 地質調査研究報告, 68, 25-39.
  • UCHINO,T. and KAWAMURA, M.(2016)Ordovician backarc-basin metadolerite and metabasalt of the South Kitakami Terrane, Northeast Japan. Island Arc, 25, 274-286.
  • 内野隆之・鈴木紀毅(2016)三重県志摩半島の黒瀬川帯から見出された後期ペルム紀整然層と広域対比. 地質学雑誌, 122, 207-222.
  • HARA, H., KURIHARA,T., TSUKADA,K., KON,Y., UCHINO,T., SUZUKI,T., TAKEUCHI,M., NAKANE,Y., NURAMKHAAN,M., CHULUUNE,M.(2013)Provenance and origins of a Late Paleozoic accretionary complex within the Khangai-Khentei belt in the Central Asian Orogenic Belt, central Mongolia. Journal of Asian Earth Sciences, 75, 141-157.
  • 内野隆之・堀 利栄(2011)5万分の1地質図幅「加茂」地域の足尾帯珪質泥岩から見出された後期三畳紀放散虫化石.地質調査研究報告,62 ,191-196 .
  • 内野隆之・川村信人(2010)根田茂帯の変玄武岩から見出された藍閃石とその意義.地質調査研究報告,61, 445-452.
  • 内野隆之・堀 利栄(2010)新潟県蒲原山地の足尾帯泥岩から見出された前期ジュラ紀放散虫化石.地質学雑誌,116 , 441-446.
  • 内野隆之(2010)新潟県加茂地域(蒲原山地西部)に分布する足尾帯前期ジュラ紀付加コンプレックスの地質図と岩相.地質調査研究報告,61 ,365-381.
  • 内野隆之・上野勝美・桑原希世子(2010)新潟県蒲原山地の足尾帯海洋性岩石から見出された放散虫・紡錘虫化石. 地質学雑誌,116 ,118-123.
  • 内野隆之・川村信人(2010)根田茂帯のドレライトから見出されたNa-Ca角閃石.地質調査研究報告,61 ,209-216.
  • UCHINO, T. and KAWAMURA, M. (2010) Tectonics of an Early Carboniferous forearc inferred from a high-P/T schist-bearing conglomerate in the Nedamo Terrane, Northeast Japan. Island Arc, 19 ,177-199.
  • 内野隆之・川村信人 (2009)根田茂帯緑色岩の化学組成.地質学雑誌,115,242-247.
  • 内野隆之・川村信人・郷津知太郎・兵藤博信(2008)根田茂帯礫岩から得られた含ザクロ石泥質片岩礫の白雲母40Ar/39Ar年代.地質学雑誌,114,314-317.
  • 内野隆之・川村信人・川村寿郎(2008)北上山地前期石炭紀付加体「根田茂帯」の構成岩相と根田茂帯・南部北上帯境界.地質学雑誌,114補遺,141-157.
  • KAWAMURA, M., UCHINO, T., GOUZU, C. and HYODO, H.(2007) 380 Ma 40Ar/39Ar ages of the high-P/T schists obtained from the Nedamo Terrane, Northeast Japan. Journal of Geological Society of Japan, 113 ,492-499.
  • 内野隆之・川村信人(2006)根田茂帯(旧“早池峰帯”)から発見された藍閃石を含む苦鉄質片岩とその意義.地質学雑誌,112,478-481.
  • 内野隆之・栗原敏之・川村信人(2005)早池峰帯から発見された前期石炭紀放散虫化石-付加体砕屑岩からの日本最古の化石年代-.地質学雑誌,111,249-252.
  • 濱野幸治・岩田圭示・川村信人・北上古生層研究グループ[川村寿郎・中井 均・永田秀尚・吉田孝紀・内野隆之・小山裕幸](2002)早池峰帯緑色岩類中の赤色チャートから得られた後期デボン紀コノドント年代.地質学雑誌,108,114-122.

2.刊行物

  • 内野隆之・小松原 琢(2024)5万分の1地質図幅「外山」.産総研地質調査総合センター.
  • 工藤 崇・小松原純子・内野隆之・昆 慶明・宮川歩夢(2021)20万分の1地質図幅「野辺地」(第2版).産総研地質調査総合センター.
  • 工藤 崇・内野隆之・濱崎聡志(2019)5万分の1地質図幅「十和田湖」.産総研地質調査総合センター.
  • 内野隆之・川村寿郎・川村信人(2017)根田茂帯.日本地質学会編,日本地方地質誌2,東北地方.朝倉書店,240-243.
  • 内野隆之・中江 訓・中島 礼(2017)5万分の1地質図幅「鳥羽」.産総研地質調査総合センター.
  • UCHINO, T. (In Kojima et al.)(2016)Nedamo Belt, Older accretionary complexes, The Geology of Japan. Geological Society of London, p.85-87.
  • 川村寿郎・内野隆之・川村信人・吉田孝紀・中川 充・永田秀尚(2013)5万分の1地質図幅「早池峰山」.産総研地質調査総合センター.
  • 工藤 崇・内野隆之・小松原 琢・高橋 浩・柳沢幸夫(2011)1/5万地質図幅「加茂」.産総研地質調査総合センター.
  • 高橋 浩・柳沢幸夫・山元孝広・卜部厚志・内野隆之・工藤 崇・高木哲一・駒澤正夫(2010)1/20万地質図幅「新潟」(改訂版).産総研地質調査総合センター.

3.その他

  • 二宮敦人(2022)手で「感じる」ー光が透けるまで岩を薄く磨くひとー.ソヨゴ,日本印刷.
  • 中川隆夫(2018)恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか.ブルーバックス探検隊が行く.
  • 内野隆之(2017)チャートを好むシダ植物ヒトツバ ―三重県志摩半島の鳥羽地域を例として―.GSJ地質ニュース,6, 283-288.
  • 内野隆之(2015)地質で語る百名山‐早池峰山‐.GSJ地質ニュース,4, 142-144.
  • 内野隆之(2015)伊勢神宮式年遷宮「お白石持」行事における白石の起源.GSJ地質ニュース,4, 69-74.

4.受賞

  • 2023年日本地質学会論文賞
  • 2017年産総研理事長賞[20万分の1日本シームレス地質図V2の編さん(斎藤ほか)]
  • 2012年日本地質学会論文賞
  • 2006年日本地質学会小藤賞
  • 2006年日本地質学会第113年学術大会(高知大会)優秀講演賞
  • 2005年日本地質学会第112年学術大会(京都大会)優秀講演賞

5.外部委員等

  • 日本地質学会 理事(2020年度~)[執行理事(2022年度~),副常務(2024年度~)]
  • 北海道大学理学部 非常勤講師(2019年度)
  • 日本地質学会 代議員(2013~2019年度)
  • 日本地質学会 地質学雑誌編集委員(2014~2018年度)
  • 日本地質学会 行事委員(2011~2017年度)
  • 日本地質学会 層序単元登録審査委員(2014年度~)
  • 日本地質学会 中期ビジョン検討委員(2012~2013年度)