松尾 隆嗣
東京大学大学院 農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 准教授
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研究課題 「性的二型と闘争・求愛行動の進化」

動物のオスでは、体の一部が著しく発達するとともにその部位を用いた儀礼的な闘争行動や求愛行動を示す例がしばしば観察される。このような形態と行動の密接な関係は複合適応形質を構成しており、その進化には形態形成と神経機能という2つの異なる分子メカニズムが関与していると考えられる。本研究ではキイロショウジョウバエDrosophila melanogasterの近縁種D. prolongata を対象に形態と行動が協調して進化する機構を明らかにする。D. prolongata の前脚はオスでのみ肥大・着色しており、顕著な性的二型を示す。またD. prolongata のオス間での闘争行動、及びメスに対する求愛行動は、前脚に性的二型のない近縁種に比べて複雑化している。近縁種との比較により、D. prolongata のオス特異的な形態と特徴的な闘争・求愛行動の進化をもたらした生態学的要因、およびそれを実現した遺伝的基盤を特定する。