黄川田 隆洋
農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター 昆虫機能研究開発ユニット
乾燥耐性研究グループ 研究員

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研究課題 「ネムリユスリカの乾燥無代謝休眠を支えるゲノムの進化」
本研究の目的は、ドラフトゲノムが明らかになりつつあるネムリユスリカ(Polypedilum vanderplanki)のDNA情報を用いて、乾燥しても死に至らないという驚異的な生命現象を可能にしているネムリユスリカに特有な遺伝子重複を個体群間で比較し、コードするタンパク質の機能分化を調べることで、複合適応形質の一つである乾燥無代謝休眠の進化過程を考察する。我々は、23年度から2年間、本新学術領域に公募班として参画し研究を行った。乾燥感受性の同属のユスリカとの比較ゲノム解析を行った結果、ネムリユスリカが乾燥に適応する過程で高頻度の遺伝子重複が生じさせたことをつきとめた。ARIDと命名したこの領域には、LEAタンパク質やチオレドキシンのような乾燥耐性に関連した遺伝子がタンデムに多重化した状態で存在していた。そこで本研究は、ネムリユスリカのドラフトゲノム解析を深化させつつ、ARIDを構成する遺伝子の塩基配列情報を個体群間や種間で比較し、それらがコードするタンパク質の機能分化を調べることで、乾燥しても死に至らないという驚異的な生命現象を可能にした進化過程を明らかにする。