2足歩行ロボットって何ですか?

Q: 2足歩行ロボットって何ですか?

A: 人間のように2本の脚で歩くロボットが2足歩行ロボット(二足歩行ロボット)。二脚歩行ロボット、二本足ロボットと呼ばれる事もある。英語では Biped robot (バイペッド・ロボット)と言う。

Q: ロボットが2本足で歩くのはあたりまえじゃないんですか?

A: それはテレビアニメやSF映画の見すぎです(笑)。車輪で走るもの、4本足、6本足、さらにはヘビのような形をしたロボットだって研究されている。また、自動車工場などで溶接や塗装をする産業用ロボットは腕しかなくて移動することはできないけど、これもロボットの一種だよ。

Q: はあ。そういえばこの前、ホンダが開発した歩くロボットをテレビで見ましたけど、あれって凄いんですか?

A: ウッ・・そりゃもうっ・・・ゲホ、ゲホ、ゲホ。 何しろ30年以上前から、いろんな大学や研究所の人達が2足歩行ロボットをただ歩かせるだけで、大変な苦労をしてきたんだから。それを横目でながめながら、車輪型ロボットや腕ロボットの研究者はこんなふうに考えていた。

Q: へえ、そうなんだ。すごいのかぁ・・・・、んー、でもでも、2足歩行ってそんなに難しいんですか? 2本足で歩くロボットなんてオモチャ屋さんにいっぱい売っていますよ。

A: いやいや、一見2本足で歩くように見えるおもちゃのロボットは実は足の裏に車輪がついているものが多いんだ。足を上げて歩くオモチャでも、足が大きく作ってあって簡単に倒れないようにできている。でも僕らが目指してきたのは人間程度に足が小さくて、きちんと自分でバランスをとって歩くロボットなんだ。

Q: バランスかあ。じゃあ竹馬みたいにバランスをとって歩くロボットがあったら楽しいですね。

A: それなら今から約20年前に開発されている。東京大学の下山 勲先生と三浦宏文先生(現工学院大学)がつくられたBiper 3号というロボットだよ。

Q: わあ、何だかオモチャみたいだけど、チョコチョコかわいく動いていますね。

A: たぶん、これが世界で初めて三次元的な動的歩行を実現したものだろう。

Q: 「たぶん」、っていい加減ですね。

A: 当時、1980年頃だが日本でたくさんの先生が競って2足歩行ロボットを開発していた。だから、動的にバランスをとって歩くロボットはあちこちの研究室でほぼ同時期に成功したんだ。これがアメリカだったら誰が一番乗りかでケンカになるかもしれないけど、日本の大学の先生は奥ゆかしい人が多くてね。間違いなく言えることは動的歩行を行うロボットを世界で初めて開発したのは日本人の研究者だったってことだ。さらに言えば、世界で初めてコンピュータ制御の2足歩行ロボットを開発したのも日本人だ。これは早稲田大学の故加藤一郎先生のグループで、加藤先生は「ロボット工学の父」とも呼ばれている。

Q: ふうん、ホンダのロボットが初めてってわけじゃないんですね。

A: そのとおり!、というよりホンダの成功もこういった先人達の努力の上に築かれているというべきだろうね。


2足歩行以外のロボット研究者の見解
「人間と同程度の速度を持つ多足移動機構」は、1997年から1999年にかけて開発され、その実用化は2001年から2004年の間に行われるものと予測されているが、「人間と同程度の速度を持つ2足移動機構」は前者ほどの重要度が認められず、前者に比べ開発は3年おくれとなり、実用化は5年おくれとなるだろう。
米本完二、産業用ロボットの今後の技術動向、日本ロボット学会誌第11巻、3号、p7〜13、1993