<廣瀬監督の言葉>
学園リーグは、今期3位が確定しました。
最終戦相手のNIMSは2位に位置しており、
NIMSが我々に勝つと逆転優勝になります。
相手は本気で来るでしょう。
機械研にとっては、資環研、ETLという他の産総研チームよりも上位で終わり、
今期もまだ負けなしというのは前例のない快挙です。
間違いなく、機械研サッカー部の歴史上最強のチームです。歴史を作っている自負を有し、プライドを持って戦ってください。
この後、つくばカップが待っています。
昨年は3位。その前も3位。
そろそろ本気を出してもいいころではないでしょうか!
よろしくおねがいいたします!!
リーグの実質的な最終戦は、NIMSとの一戦であった。
NIMSは長く 1部で好成績を収める強豪であるが、
機械研としてはいつも好ゲームの末に勝つという相性の良い相手である。
機械研はすでに順位が確定して入るのに対し、NIMSは勝てば優勝という状況であるため
モチベーションだけで言えば、NIMSが上をいってもおかしくはない。
しかし、廣瀬監督からの檄文を胸に、
NIMSには悪いが勝ってやろうという強い意志を持って試合に臨んだ。
守備の要の櫻庭選手が不在のため、神谷選手をセンターバックにコンバートした。
また、新たに加入した小松選手を左MFに、武笠選手をFWに起用した。
試合前に、いつも苦しめられる大型FW (93番) がいないことが分かり
一同に若干の安堵が漂う。
いつもクールな垣谷選手が思わず笑みをこぼしたことからも、
これまでどのくらい苦しめられてきたか分かっていただけるかと思う。
開始直後からプレッシャーをかけ続けて相手のパスミスを誘うなど、
どちらが優勝を狙っているのか分からないようなスタートを切った。
開始5分、相手ゴールから30 m程の地点でフリーキックを獲得する。
ゴール正面のため、相手も壁を作るが距離はある。
いつものように大石選手が蹴るかと思ったが、ここは出口選手がゆっくりと
ボールをセットする。
まっすぐな助走から放たれたシュートは壁をこえ、ブレながらゴール左に決まる。
双方のベンチから 「あぁあ、」 という良く分からない声が漏れる程のすごいゴールであった。1-0で機械研がリードする。
しかし負けられないNIMSも徐々に攻勢を強めてくる。
FW (5番) は上手さと強さを兼ね備えており、そこから再三チャンスを作られる。
また、スピードのある相手右サイドバック (8番) がオーバーラップしてくるため
機械研左サイドの高田選手は対応に追われ、苦しい状況が続く。
決定的なピンチを迎えるが、山村選手が精一杯足を伸ばし、
なんとかブロックする。
また、神谷選手がFW (5番) に対応できるようになり、なんとか最後はやられない状況が続く。
その中で、垣谷、小松、武笠と短いパスがつながり、センターリング。
中で待ち構えていた猪狩選手がヘディングで狙うも、惜しくもオフサイド。
ここで念のため記載しておくが、猪狩選手は右サイドバックである。
前半残り時間も少なくなってきたところ、ゴールまで25 mくらいの位置で
フリーキックを与えてしまう。
GKを本職にしつつある谷水選手が丁寧に壁を作った後に、
審判の目を盗んで相手がボールの位置を横にずらす。
これを目ざとく見つけた谷水選手は審判に猛抗議する。
「今、ボールずらしたよ!審判、元にもどして!壁作った意味がないよ!」
どちらが優勝を狙っているのか分からないような熱さである。
このプレッシャーに負けた相手のフリーキックはバーを大きく越えていった。
ここで前半を終える。
猪狩選手と桑原が、小松選手と柏木選手が交代する。
後半開始から、NIMSの左サイドに疲れが見えることから、
機械研は右からの攻撃が多くなる。
稲葉選手が右サイドを何度か突破するも点には結びつかない。
桑原選手から裏に抜け出した大石選手にパスが通るもシュートは枠を捉えきれない。
ここでまたも相手ゴール 30 m の地点でフリーキックを得る。
当然ボールをセットするのは出口選手である。
壁の後ろには武笠選手が立ち、GKの視線を遮るなど抜かりはない。
相手選手は、「また打つのかよ。」とこぼしていた。
本日二発目のブレ球は壁に入った選手の頭にあたり、ドライブ回転がかかった状態でゴールへと向かう。
虚を突かれた相手GKの届かない位置へ吸い込まれていった。
このスーパーフリーキックで機械研は2-0でリードを広げる。
さらに攻める機械研は、こぼれ球を拾った桑原選手が垣谷選手に落とすと
これをフリーの稲葉選手の足元に送る。
稲葉選手が逆サイドで待つ大石選手へとセンターリングを送り、ヘディングで決める。
まさかの3-0となる。
通常なら心が折れるような展開だが、NIMSはまだ諦めない。
早い段階でDFラインとキーパーの間にボールを入れてくるようになり、
数多くチャンスを作られるようになる。
何度も跳ね返していたが、ついにコーナーキックからヘディングを決められてしまう。
3-1の2点差となる。
次に、なんとかボールを奪い、右サイドの稲葉選手にパスを出すが稲葉選手は一歩も動けない。「足が、ダメです。」
稲葉選手に代わって、応援のつもりで来た中口選手をFWに入れ、右サイドに武笠選手が移動する。
相手は一層人数をかけて攻めてくるようになり、苦しい時間が続く。
シュートをGK谷水選手がこぼしたところ、相手が二人も詰めてくるピンチをむかえるも、
自らスライディングでなんとかクリアーし、ゴールを死守する。
なんとか対応してきた 5番が一瞬の隙を突き、山村選手を引き倒しながらゴールを決める。
3-2に迫られる。
このプレーで山村選手が負傷し、不穏な空気が流れる。
しかし、FWからGKまで全員でなんとかしのぎきり、機械研は3-2で勝利した。
やはり、ただでは終わらないNIMS戦であった。
そして、負けることのないNIMS戦であった。
いつもは耐え切れないかもしれない展開の中で勝ちきり、
リーグを負けなしの3位で終えることができた。
大石選手の得点王 (7点) も有力である。
最後にきて、若手、おじさん、最近入ったなど関係なく、ボールを要求する声や、
「こうして欲しい」という要望が遠慮なく出ていたように思う。
これがこの一年の最大の収穫ではないだろうか。
「2本目のフリーキックは壁に当たらなくても入っていた。」という出口選手のコメントは、ドイツにいる櫛田選手を彷彿とさせるものがあり、
だいぶ機械研になじんできている様子が伺える。
今日来れなかったメンバーを加えて、この雰囲気で戦っていければ念願のカップ戦優勝も夢ではないだろう。
MVP:出口選手
えげつないフリーキック2本に加えて、ボランチとして活躍。
MIP:谷水選手
優勝がかかった相手よりも熱く戦い、文句を言う。
その姿勢は若手も見習って欲しい。
また試合後には、山村選手の見事なシュートブロックに対し、谷水選手は「コースを読んでいたからブロックしなくても止められた」との強気な発言も出ていた。
すぐに調子に乗る姿勢は、各自判断して見習って欲しい。
文責: 桑原
前半(フォーメーション) 4-4-2
大石 武笠
小松 垣谷 出口 稲葉
高田 山村 神谷 猪狩
谷水
後半(フォーメーション) 4-4-2
大石 武笠/中口
柏木 垣谷 出口 稲葉/武笠
高田 山村 神谷 桑原
谷水
機械研 |
|
NIMS |
★得点者★ | ||
---|---|---|
時間 | 得点者 | アシスト |
前半 | 出口 | - |
前半 | 出口 | - |
後半 | 大石 | 稲葉 |