ここ数年の戦いでは、いつも誰かがケガをさせられているレッドスター。今回も骨肉の戦いが予測された。
ちなみに、土浦の高校サッカー部のOBから構成されており、あるメンバーは、東事業所では芝生の手入れ作業を行う業者さんである。
時は1年前のある日、東事業所で昼休みに話した会話に振り返ってみよう。
レッドスター:(芝生作業に一区切りをつけ、弁当を食べている。)いいですね。昼とかにこういう風にサッカーができて・・・。
廣瀬:ほんとにいいですよね。結構、精神的に気分転換になりましてね。
レッドスター:毎日、こうゆう風に練習していると強くなりますよね。
廣瀬:いやいや、おっさんが多いし、今日も4人とかでしょ?
ちょっと蹴っているだけですね。
強いというと、レッドスターさんは強いですよね?
サッカー経験者ばかりじゃないですか?
レッドスター:土浦のある高校サッカー部のOBですね。
普段、やってない人も多いので、なかなか・・・。
廣瀬:人数が揃うとめっぽう強いでしょ。
レッドスター:そうですね。人数が揃うと、あまり負けたときはないですね。
廣瀬:あまり負けない?
レッドスター:そうっすね。うん、負けないですね。
廣瀬:人数だけの問題ですか・・・。それは残念ですね。
さて、今回である。珍しく相手のレッドスターは、13人と人数を揃えてきた。相手の言葉を借りると、人数が揃ったときに負けた記憶があまりない。しかも、いつもよりも若返りをしており、動きもよさそうである。 対する機械研サッカー部も13人。ガチンコの戦いが始まった。
<前半>
フォーメーションは、4-2-3-1と、相手の攻めを抑えつつ、サイドを使っていくことを狙ってダブルボランチを採用した。
前半、始まってすぐに機械研はチャンスを何度も作り出す。しかしながら、稲葉選手のシュートが惜しくも外れて、無得点。
一方のレッドスターは、カウンターベースの速攻サッカーで、ボール奪取すると、中盤を通り越して前線へ、その間に4人をディフェンスに残して、6人が責め上がるという明確なサッカーをしてきた。
機械研は、相手の出足が早いため、中盤においてのいつものパス交換ができない。前を狙ってのスルーパスも途中でひっかかるケースが多く、逆襲をよく受けていた。
0-0のまま、前半戦が終わる。
<後半>
後半になって、海野選手に代わり、大石選手を投入。相手の動きが衰えてくるのを待ったが、0-0のままだと相手の気力が落ちてこず、カウンター時の鋭さに磨きがかかる。
中盤を使いたい機械研は、味方の距離を縮めてパスの出しどころを増やすために4-4-2のフォーメーションに変更した。これで中盤でのパス回しができ、それまでできていなかったサイドバックのオーバーラップが出るようになった。
お互いのチャンスがあったが、機械研の守備陣の気持ちが強くでており、最後のところでの踏ん張りがきいていた。大久保選手、櫻庭選手の2枚は鉄壁で相手の競り合いに勝つし、ラストパスへの反応もよく、カット、クリアなど対応できていた。サイドバックの桑原選手、山村選手も相手のドリブルに対して最後まで飛び込まず、よく見ながら、最後の最後で体を張って飛び込むという気持ちのサッカーが出ていた。
圧巻だったのがGKの反町選手。相手との接触プレーによるダメージも我慢して耐え、幾度もの1対1の決定的なシュートを防いだ。相手GKの声が飛ぶ!「くそ!当たりに当たりまくってるな!あのキーパー!」
ここで、0-0で後半が終了。今年からの規定で、10分の延長戦に突入することとなった。
<延長前半>
思ったよりも長くなるのが10分間の延長である。レッドスターは、プレーが終わるたびに、ひざに手をかけて休んだり、ときには座り込んだりしていた。
機械研も足を引きずってプレーしている選手も出始めた。双方の攻撃も単発となり、チャンスにかける人数も減ってきた。
危ない場面もあった。相手の右側からのクロスから、トラップシュートでゴールを決められたかに見えたが、主審の判定はオフサイド。IDFCの線審がオフサイドフラッグを上げたことに、レッドスターの怒りは爆発する。
ここでこの試合の後半でのやりとりを振り返る。
廣瀬監督:(相手の完全なオフサイド。線審は旗を上げるが、主審は見ていないのでプレー続行。相手が外してくれたので問題なかったが・・・。)せっかく、線審の方がオフサイド上げても、主審がとってくれないですね。さっきもありましたね。
IDFC線審: そうなんですよ。取ってくれないですね。
廣瀬監督: 外してくれたからよかったけど、決定的でしたよ。ほんとに危なかった。(笑)。
IDFC線審、第4審判: でしたね。(笑)
廣瀬監督: ちょっと主審に「線審を信じてください」って言っておいてもらっていいですか?何度もオフサイドと旗を上げてるから。
(第4審判)了解です。言っておきますね。
双方譲らず、0-0のスコアレスドローのまま、PK戦で決着することとなった。
(PK戦が始まるにあたり)
反町選手:(侍のように)集中して自分の世界に入る・・・。
山村選手:反町さん、相手の軸足を見て反応す・・・
反町選手:(山村選手の言葉を遮り)、何も言わないでください!今、集中していて、気持ちを入れています!
山村選手、廣瀬監督: (うん、そっとしておこう。今、怖いぐらいに集中しているぞ。)
<PK戦>
メンバーは、GK反町選手、成田選手、柳原選手、桑原選手、岸本選手、櫻庭選手の5人。
機械研の先行で、成田選手、柳原選手が落ち着いて決めたのに対して、もはや神々しさを備えた反町選手の見事なセーブで、レッドスターの最初の2人を防ぐことができた。
その後、桑原選手、相手も決めたが、最後に、岸本選手が決めて4-2でPK戦に勝利。
機械研は、つくばカップ2回戦を突破、ベスト8進出を決め、死闘を制した。
MVP:反町選手
試合途中の負傷にも負けず、神がかり的なセーブを連発。この試合のみでなく、年間MVP?級の働きで。
MIP:選手全員
ここ10年を振り返っても、最もタフな試合をものにした。強い気持ちが出ていたメンバー全員に誇りを持った。
(文責 廣瀬)
機械研 |
|
レッドスター |
岸本
山城 成田 稲葉
山村 柳原
海野 桜庭 大久保 桑原
反町
岸本
大石 成田 稲葉
山城 柳原
山村 桜庭 大久保 桑原
反町
岸本 稲葉
大石 柳原 成田 山城
山村 桜庭 大久保 桑原
反町
岸本 稲葉
大石 柳原 成田 山城
山村 桜庭 大久保 桑原
反町
岸本 稲葉
大石 掛川 成田 山城
山村/柳原 桜庭 大久保 桑原
反町
★得点者★ | ||
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時間 | 得点者 | アシスト |