火砕流の流動・堆積機構のモデル

(雲仙火山1991−96年火砕流の場合)

流動機構(上の図):雲仙の岩塊火山灰流タイプの火砕流に含まれている粗粒岩塊は,流れの下部付近で跳躍・トラクション・衝突による反発力などで運ばれている.全体として乱流状態で運搬されている(高密度乱泥流モデル).上部のより希薄な灰雲(ash cloud)の部分は,下部の火砕サージと上部の降下火山灰に分かれる.

堆積機構(下の図):流路の傾斜が緩やかになり,流路が広がると速度が遅くなるため,より粗粒な岩塊は下部に濃集して堆積を始める.火砕流の基底部に堆積した岩塊や火山灰は多量の火山ガスを含んでいるため,そのまま停止せずにいくつものローブを形成しながらさらに数10m〜数100m流れ下る.この基底部のローブの内部の岩塊は主に岩塊同士の相互作用やマトリックス強度で運ばれている(密度緩和型粒子流モデル).

Takarada (2000)

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