研究関連リンク集: by 花井@産総研

関係学会のホームページと開催日程↓
遺伝子解析等ツール・ソフト(フリーウェアのみ)↓
ショウジョウバエ・ホヤ便利サイト↓
プライマーデザインのコツ(仮設)↓

■関係学会のホームページと開催日程

  2009 2010  
学術団体 04 05 06 07 08 09 10 11 12 01 02 03 会場
ショウジョウバエ研究会(Jfly)
  11   6-8                 静岡
Gordon Research Conference Chronobiology       19-24                 米国
Sapporo Symposium on Biological Rhythm 30       1-4               札幌
日本神経科学会(JNSS) 15         16-18             名古屋
日本生化学会(JBS)     25       21-24           神戸
日本時間生物学会(JSC),
日本睡眠学会(JSSR)合同
  5
19
   24-27     大阪
日本分子生物学会 (MBSJ)         28       9〜12       横浜
黄色=演題〆切予定。赤色=開催日(大会ホームページへリンク)

■ 遺伝子解析等ツール・ソフト(フリーウェアのみ)

ApE
Ape
Mac
Win
Linux
名 前はプラスミドエディタ(A Plasmid Editor)だが長いゲノム配列も扱える高性能な塩基配列エディタ。一対一のアライメント、制限酵素・ORF・プライマーデザインなど。 GenBankを検索して直接ダウンロードし、構造を色分け。各種シークエンスデータの波形表示。
DNA情報の取得ページも参照。
サイトでの対応OSは、MacOS 10.4以上 (Intelは10.4のみ)。Windows 98-XP。実際は、MacOS10.3, Windows Vistaでも動いている。
難点は、アミノ酸配列が扱えない、JAVAなので反応が鈍い事がある。
Sequence Analysis
- Mac
Win
Linux
DNA、アミノ酸配列を扱えるパンプラットフォームなシークエンスエディタ。
EnzymeX
EnzymeX
Mac MacOSXのDNA配列エディタ。制限酵素の検索はバッファー条件などの表示・検索も可能で秀逸。ORF予想や翻訳も非常に使いやすい。
難点として、OSがMacに限られること、保存ファイルが独自形式で汎用性がないのでOSが対応しなくなったときに問題となるかもしれない。
RepeatMasker
Web DNA 上のトランスポゾンなどリピート配列を検出する。左上RepeatMaskingから検索。
ORF以外のゲノム上にプライマー・プローブを設定するときなど、トランスポゾンを避けるのに便利。
UNIX用のダウンロード版も用意されている。
Primer3 - Web 定評のあるプライマーデザインツール。
FastPCR - Win 無料のプライマーデザインソフト。Mac用も作成中とか。
Amplify
Mac 塩基配列・プライマーから増幅範囲・プライマーダイマー・非特異的結合可能性を検索する。
簡単な塩基配列エディットもできる。プライマーはリスト管理が出来て、複数候補の同時検索も可能。
操作・結果表示が分かりやすい。ただし、プライマーデザイン機能はなく、他のソフトで得られたプライマー候補・既存プライマーの確認に重宝なソフト。
BioEdit - Win 無料のWin用シークエンスエディタ。プラスミドマップの作成、DNA・アミノ酸配列のアライメント。VISTAは不可らしい。
ClastaW Web オンラインのマルチプルアライ メントツール。DNA, Proteinとも可。分子系統樹を書いてくれる。
4peaks
Mac ABI シークエンサーのデータを開くMacOSX用ソフト。ABIのおすすめ。ABIファイルは上述のApEでも開けるが、波形印刷は4peaksの方が滑らか。
Chromas Lite
- Win ABI シークエンサーのデータを開くWin用ソフト。Chromas Lightは無料で、Proが有料。
SMART
Web タンパク質のモチーフ検索。 グラフィック表示で見やすい。
図はショウジョウバエClockの例
ImageJ
Mac
Win
Linux
画像の 加工ツール。各種顕微鏡、ゲルイメージ、ビデオ画像のなどの、重ね焼き・定量などなど。
特に多重染色のレイヤー処理が出来るのが重宝(フリーや安価な写真ソフトにはなかなか無い機能)。
私の研究室では、ビデオ撮影したショウジョウバエの動きを座標化して数値化する操作や、ゲル上のバンドの簡易定量に使っている。
分子生物ツールリンク 集     http://www.kenkyuu.net/megalink.html
http://www.yk.rim.or.jp/~aisoai/molbio-j.html
ちなみに花井は卒研生以来、研究用はMacです。

■ショウジョウバエ・ホヤ便利サイト(いろいろごちゃまぜ)

サイト 言語
FlyBase 世界のショウジョウバエ研究の中心。米国インディアナ大学に置かれている。
JFly 和英 日本のショウジョウバエ研究の中心。東大の伊藤啓らにより管理される。
Flystock 和英 日本のショウジョウバエ系統の総合検索サイト。ショウジョウバエ遺伝資源センター(DGRC)による。
日本ショウジョウバエDB 遺伝子一覧、各部の名称など便利です。(DGRC)による。
ナ ショナルバイオリソース 和英 国家(文部科学省)プロジェクト。
GS系統データベース 首都大学東京細胞遺伝学研究室による。
都立大のショウジョウバエ 実験法など勉強になる。
JGI カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis )の遺伝子情報サイト
統計サイト 統計ツール集。サポート切れ。
PARP Link ポリ(ADP-リボース)代謝の研究の関するデータベース。
仏・ストラスブールのGilbert de Murcia(ジルベルト・ドゥマーシア)らによる。
NACSIS Webcat 学術誌の国内蔵書検索。学情IDの検索。

■プライマーデザインのコツ

●↓検出用のプライマーをセットする場合
●↓発現ベクター用のプライマーをセットする場合
●↓プライマーダイマーのチェック
●↓プライマーのTm値(アニーリング温度)
 検索エンジンで「プライマーデザインソフト」などで来ていただく方が意外と多いので、簡単なデザインのコツを書き留めます。
ApEで設定したプライマーは今まで「増えない」「激しいノンスペ」という事がなく、極めて順調です。WinでもMacでも使えて、ファイル形式も汎用なので最もお薦めです。

●検出用のプライマーをセットする場合

1.パソコン上で扱えるDNA配列を用意する。GenBankフォーマットのシークエンスを取り(DNA情報の取得参照)そのままApEで開く。
○ゲノム上(ORF以外)にセットする場合(Genotypingなど)
2.リピートの排除。ORF以外はノンスペの原因となるトランプポゾンが多い。RepeatMaskerでトランスポゾンなどを特定し、その範囲は避ける。
○ORF上にセットする場合(RT-PCR用)
2.目的の遺伝子によく似たファミリーや偽遺伝子(Pseudogene)が無いか確認する。Genome Blastでフィルターを外し検索。遺伝子ファミリーや偽遺伝子があれば、相同性の高い配列を避けるようにする。
GAPDHなどのようにprocessed pseudogeneがあれば、RT-PCRでcDNA由来のサイズが増えてもゲノム由来の可能性があるので注意が必要。 ゲノム由来を否定するためにはRT無しのコントロールをとるか、DNase (RNase free)でRNAを前処理する。
GAPDH (G3PD)、Actinなど発現の強い遺伝子では偽遺伝子も多くcDNAと偽遺伝子を区別できるプライマーの設定は出来なかった。

イントロンを挟んでセットするのが普通で、遺伝子(ゲノム配列)で確認する。
3.増幅したい範囲を、ApE上で選択する(短ければ無選択=全体でも可)。Toolsメニューの Find Primersを選ぶと以下の表示が出る。赤丸のところだけ変更。図ではフォワードプライマーが表示される。Lengthは20に固定しても可。

4.表示された配列の位置とTmの適当な物を選ぶ。F-RのTm(※注釈↓)は近い方が良いとされる。CACAのような繰り返しやGCが続く物も避ける。
5.プライマー候補をNCBI Blastに かける。nucleotide blastを選び、「Database」を「nucreotide collection (nr/nt)」、「Organism」に標的の生物を指定する(human, mouse, Drosophilaなど)。リバースプライマーは、リバース側の配列(候補一覧からコピー)でBlast。 結果でトップは目的遺伝子のはず。それ以外で3'末端側が16塩基(不連続でも16/17など)以上当たっているものは避けている。
6.リバースプライマーの方向を間違えないように発注する。
7.もしノンスペが出たら(ApEを使い始める以前の話)。ノンスペの原因はFかRのどちらかにあった。温度やMgなどいじっても消えず、作り直す時には、Fのみ、RのみでPCRをかけて問題のある側を確認する。

●発現ベクター用のプライマーをセットする場合

前述のように遺伝子情報を取得する(DNA情報の取得参照)。
位置は変更できないので、ORFの両端にセットする。強固な高次構造が生じる場合には、アミノ酸配配列を変えないように塩基配列を変更する。ただし、その生物のCodon usage (コドンの使用頻度)が望ましい。
真核細胞に導入して遺伝子自身の開始コドン(ATG)を用いる場合には、発現効率に影響するコザック(Kozak)配列に気をつける(Kozak1987)。コンセンサスは GCC RCC ATG G 。ただしR = A or G (puRineの略)。この3つ前のRは必須。ATG (開始コドン)直後のGも重要とされる。
制限酵素サイトをつけPCR産物を直に制限酵素で切る場合には、(直にといっても、Taqを失活・除去しないで切ることは出来ない。通常はフェノール抽出・EtOH沈殿を行っている。詳しくはGIFファイルを参照)念のため5'に2塩基追加するようにしている。
例) ---GTT ATG GTG TTT ACC GTA AG---
 → 5'-TT GAA TTC GTT ATG GTG TTT ACC GTA AG-3'

予定のプライマーで増幅してベクターに入れるまでをApE上で確かめ、cDNAとタグのORFが連続しているか、「ORF」メニューで確認するとよい。

●プライマーダイマーのチェック

プライマーダイマー(primerdimer)とはPCR反応において用いたプライマー同士(F/F, R/R, F/R)が部分的にハイブリッドを形成し、お互いを鋳型として増幅してしまう現象である。 ゲル電気泳動ではプライマーダイマーは普通は50bp以下の短い産物で解析に支障が起こりにくいが、定量PCR(Q-PCR。特にサイバーグリーンなどのインターカレーター使用時)では支障がある。

ApE

ApEではセルフダイマーの検索は自動で行われ、相手のプライマー候補が決まっていれば、ヘテロダイマーの検索・除外も行われる。

上図はApEによる、ヘテロダイマーを除外するプライマー検索の例。
この場合はデフォルト設定で許容範囲内のものだけ表示されている。
詳しくはApEサイトの「Latest documentation」参照。

Primer3

Primer3ではF-R間のダイマーはチェックされないと思われる。F-F, R-Rのホモダイマーは恐らくチェックしていると期待している。

Amplify

Amplifyの図1
Amplify のメインウィンドウとプライマーリスト。
Amplifyの図2
予想増幅範囲とプライマーダイマーの予想。
Amplify はMacOSX用のプライマーダイマーチェックツール。
デザイン機能はないが、既存プライマー同士のチェックやリスト管理、目的遺伝子配列のエディットが可能。
右図にプライマーダイマーの例を示す。
もしダイマーが予想されると
「A potential primer-dimer has been found...」と警告される。ダイマーを表示させる場合は「Yes, show them」を選ぶ。※デフォルトはNoなので注意。
配列のサンプルはninaE mRNA

なお、塩基配列は名前を付けて保存できる。
ファイルに拡張子はなく、ワープロやApEで開くことが出来る。最後に用いたファイルは、次に立ち上げると自動的に開く。

FastPCR

Windowsでは FastPCR にプライマーダイマー(self-dimer, cross-dimer)のチェック機能があるはず。

リアルタイムPCRによる定量PCRではプライマーダイマーは大問題なので、出来るだけ装置のメーカー推奨のツールの使用が望まれる。

●プライマーのTm値(アニーリング温度)


AT塩基対よりも、GC塩基対の温度が高い=安定なのは、塩基対の水素結合がATでは2本、GCでは3本の違いによる。GCが多いプライマーは非特異的産物を生じやすいので注意が必要である。特にプライマーの3'末端側にGCが多いものは避ける。
簡易的には、AT塩基対=2℃、GC塩基対=4℃で計算する。正式にはGC含量と長さなど複雑だ。
GC含量40%の20baseプライマーを作ると、 簡易計算では(12 x 2) + (8 x 4 ) = 56℃ となる。
実際にはGC含量は40〜60%程度にする。
通常はTmより少し低めにアニーリング温度をセットする。 F, Rで温度が異なる場合、まず低い方に合わせる。 増えなかったら温度を下げるか、アニール時間を延ばす。 非特異的(Nonspecific, NSP)バンドが出たら、温度を上げて、ダメなら他の方法を考える。
な お、Tmの前後もデジタルに0%から100%に切り替わるのではない。ハイブリダイゼーションのTm値とは50%の分子が結合している状態なので、少々超 えても全くハイブリダイゼーションしていない訳ではない。 ただしPCRの場合、効率低下が1サイクルあたり1.9倍→1.8倍(約5%)でも、30サイクルでは80%の低下になるのでアニール 温度を上げすぎると極端に増幅が悪くなる   (例 1.8^30/1.9^30 = 0.1975)。
増えにくい場合の裏技でTriton X-100を少し入れる(最終濃度で0.001〜0.01%)と、反応効率が劇的に上がる。ただし、ノンスペやプライマーダイマーも増えやすくなるので諸刃の剣ではある。