生物時計とは - 花井@産総研

(作成中)
  1. 生物時計とは
  2. 概日リズムとは
  3. 概日リズムが生じる仕組み

生物時計とは

ヒトの持つ生物時計の例
ミリ秒単位 神経パルス
0.3~1秒 心拍
約90分 睡眠周期↓
一日 概日リズム
一年 概年リズム
季節時計
約80年 寿命
生物時計とは、生物がその体内に持っている時計機能です。体内時計とも呼ばれます。
生物には様々なリズムが あります。右の表にヒトの主な時計現象をあげました。
短いものではミリ秒単位の神経パルスや0.3〜1秒の心拍から、長いものでは、一年や一生という時計 もあり、全てが「生物時計」に含まれると言えます。

右の表以外にも、潮汐リズム(約半日の干満、約一ヶ月の大潮小潮)は特に海洋生物には重要なリズムで す。

それら生物時計を扱う学問は「時間生物学, Chronobiology」と呼ばれます。

狭い意味では生物時計・体内時計は「一日のリズム=概日リズム」を指します。
このホームページでは特に断らない場合、体内時計・生物時計は一日の時計を指します。

概日リズムとは

概日リズムの三要素
自立性 概日リズムは恒常条件(DD↓LL↓)でも約24時間のリズムを維持できる。
温度補償性 概日リズムは環境温度によって周期がほとんど変化しない。(一般的な生化学反応には温度依存性がある)概日リズムは温度周期にも同調するので「温度非依存性」ではない。
環境同調性 概日リズムは環境要因(主に光)に同調する。
概日リズム(Circadian Rhythm)は恒常条件(温度や照明が一定の条件)でも継続する、生物が持つほぼ24時間のリズムです。「Circa-dian」はラテン語の「概(おおむ)ね一日」で、正確に24時間ではありません。
(他のサーカリズムについては、日本時間生物学会の用語集をご参照下さい。)

調べられた多くの生物で概日リズムは24時間±1時間程度です。ただし、アカパンカビ野生型の周期は約21.5時間です。

概日リズムの周期長(τ, tau, タウ, period)は主に、恒常条件での活動などのフリーラン周期(free-running period)として測定されます。
フリーラン周期は測定条件によって変化します。例えば、人間ではアショフの洞窟実験で約25時間とされましたが、別の条件では約24時間でした(Czeislerら1999年Science)。マウスでは、回転輪を入れて運動をさせると、入れないときよりもフリーラン周期は短めになります。

概日リズムが生じる仕組み

概日リズムはDNAやタンパク質という「分子」が作り出していることが分かっています。
ただし、動物、植物、カビ、藍藻(シアノバクテリア)で、時計遺伝子は異なります。
概日リズムの分子機構の基本は転写フィードバックループであることが示されています。
時計遺伝子や多くの遺伝子が、24時間周期で発現しています。
時計遺伝子のフィードバックループはこちらのGIFアニメを御覧下さい。

藍藻では転写なしでもリン酸化だけで概日リズムが生じることが示されています(石浦2005)。

動物の時計遺伝子については別ページをご参照下さい。
動物以外の時計遺伝子については、EUCLISを御覧下さい(英語)。メールによる登録が必要です(無料)。




用語