伊豆大島1986年噴火

 1986年11月15日夕方,伊豆大島の三原山は12年ぶりに噴火をしました.最初はこれまでの最近の噴火と同じく山頂火口(A火口)からの噴火でした.噴火が始まるとカルデラ縁にある御神火茶屋まで多くの人々が見物に行きました.ところが,11月21日の夕方になるとカルデラの内側(B火口列)と外側(C火口列)に北西-南東方向に並んだ割れ目火口列が形成され,1421年以来,五百数十年ぶりの側噴火(割れ目噴火)が始まりましたそして,ほぼ全島民約1万人が島外へ脱出したのです(大島火山噴火対策特別チーム,1987,地質ニュース,no.392)
 おもしろいことに,山頂火口では玄武岩質,割れ目火口では安山岩質の溶岩であり,両者の溶岩の性質がまったく異なっていました
(中野・山元,1987,地調月報,vol.38;中野ほか,1988,火山,vol.33).過去の噴火噴出物の分析からも山頂噴火と側噴火の岩石の違いが明らかになってきています(Nakano and Yamamoto, 1991, Bull. Volcanol., vol.53)

地図

A(山頂火口):火口(赤)から北西方向に溶岩流(紫)を流しました.
B(カルデラ内の割れ目火口):南端(下)に並んだ火口列(赤)が顕著です.実際はもっと北西方向まで火口ができていました.茶色の部分が溶岩流,黄色の部分は火口周辺に噴き出した溶岩片やスコリアの積み重なり(火砕丘)です.
C(カルデラ外の割れ目火口):小さな火口(赤)がいくつも北西−南東方向に並んでいます.そのうちの1ヶ所から元町に向かって溶岩流が流れ出しました.


山頂噴火でのストロンボリ式噴火(間欠的に吹き上げている)

側火口での溶岩噴泉(連続的に吹き上げている)


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