鷲羽・雲ノ平火山 

中野 俊

 鷲羽・雲ノ平火山は,北アルプスの最奥部,黒部川の源流部に位置しています.雲上の楽園,雲ノ平と名付けられた溶岩台地を中心とした雲ノ平火山,鷲羽岳南東中腹にある鷲羽池を中心とした鷲羽池火山などから構成されており,正確にいうといくつかの火山が集まっている火山群です(中野,1989,火山,vol.34).また,鷲羽池のさらに南東,硫黄尾根付近の変質帯は火山の岩石からできているわけではありませんが,ここでは活発な硫気活動が今でも続いており,1年に1回程度,水蒸気を吹き上げるようです(これを撮影した写真をご存知の方はぜひ教えて下さい).これを考えると,この火山群を活火山と認定してもよいかもしれません.そのほか,鷲羽・雲ノ平火山とは別物ですが,黒部川沿いには,薬師見平や読売新道沿いにも小さな火山がありました(これらをまとめて上廊下火山岩類と呼びます).
 雲ノ平火山の最初の活動は高天原付近の100-90万年前に活動した玄武岩質の火山でした.その後,約30万年前から安山岩とデイサイトからなる雲ノ平火山が活動したようです.鷲羽池火山はもっと新しく,約12万年前よりあとです.また,上廊下火山岩類と呼ばれる小さな火山群は,40万年くらい前から20-15万年前くらいの間に間欠的に活動したようです.


雲ノ平:溶岩台地



鷲羽・雲ノ平火山の地質図.中央やや下の茶色の部分が雲ノ平火山.5万分の1地質図幅「槍ヶ岳」の一部(原山ほか,1991)
 → 地質図一覧,購入方法


 → “北アルプスの火山をめぐる”(火山学会のホームページ:第4回公開講座,1997年9月)


この先,この鷲羽・雲ノ平火山について, 中野(1989),原山・竹内・中野ほか(1991,5万分の1地質図幅「槍ヶ岳」)に基づき,さらに最近の成果によりその概要を紹介します(少し重たいところもあります).
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