第2回連携促進フォーラムは、多数の企業の皆様のご参加をいただき盛会のうちに終了いたしました。
ご来場いただいた方々に厚く御礼申し上げます。本催しが、企業との連携や技術移転実現につながるよう、ナノテク部門一同、引き続き努力を重ねていく所存です。どうか今後とも、ご指導・ご助言のほど宜しくお願い申し上げます


開催趣旨

ナノテクノロジー研究部門は、物質のナノスケールでの構造・組成を制御することによって、新規かつ有用な材料・素子を産み出し、様々な産業への応用や人類社会の福祉に貢献することをめざしています。このような使命を果たすため、研究成果を広く社会に知っていただくとともに、産業界とのより密接な連携関係を構築していきたいと考えております。そのため、昨年に引き続き、(財)化学技術戦略推進機構(JCII)との共催で、第2回連携促進フォーラムを開催することといたしました。私どもの研究活動に対して、ご意見、ご批判、ご助言をいただくとともに、より密接な連携関係を構築する素地ができればと願っております。是非、多くの方々にご来場いただければ幸いです。

                   産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門 部門長 南 信次

開催案内

日時 2009年10月6日(火)13:00−18:45
(懇親会17:45−18:45を、ポスターセションII を兼ねて行います)
会場 独立行政法人産業技術総合研究所 臨海副都心センター別館(バイオ・IT融合研究棟)
11階会議室 (〒135-0064 東京都江東区青海2-42)  交通案内
参加費 (懇親会を含めて)無料
定員 120名(定員になり次第締切)
申込方法 参加登録専用サイト(締め切らせていただきました)
問い合わせ 産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門  南 信次
(Tel: 029-861-9385, Email: n.minami[at]aist.go.jp)
主催 独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門
共催 財団法人化学技術戦略推進機構(JCII)

※ご提供いただいた個人情報は、当フォーラム開催のためにのみ使用されるものであり、第三者への開示はいたしません。個人情報は「独立行政法人産業技術総合研究所個人情報保護規程」に基づき、適正な管理を行っております。

UP

プログラム  (ポスターセッション I、II は、講演と同内容です)

(ポインターを画像に合わせると拡大されます)

13:00 挨拶・研究部門紹介  (南 信次)
13:15 [1]金属型・半導体型カーボンナノチューブの簡便な分離  (田中 丈士)
カーボンナノチューブ(CNT)には、金属型と半導体型が存在し、次世代エレクトロニクス材料としての応用が期待されています。しかしながら、金属型と半導体型を効率良く大量に分離できないことが実用化への大きな障害となっていました。我々は、アガロースゲル(寒天の主成分)を用いて、非常に簡便に両者を分離する技術を開発しました。この方法は大量生産にも対応可能であり、金属CNTを用いた透明導電膜や、半導体CNTを用いたフレキシブルトランジスタなどの産業応用に展開する予定です。

詳細情報:
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/
pr2009/pr20090304/pr20090304.html
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/
pr2008/pr20080226/pr20080226.html

CNT含有ゲルの凍結-解凍-圧搾による金属型・半導体型の分離
13:35 [2]大気中での微小プラズマ発生技術の開発とナノ材料プロセシングへの応用
(清水 禎樹・佐々木 毅・越崎 直人)
大気中に設置した内径サブミクロン〜数ミリ程の細管内で、室温〜数千度のプラズマを発生させる技術とその応用技術を開発しています。細管は自由に配置・集積・配列することが可能なため、滅菌、表面改質、エッチング、薄膜堆積など、現場のニーズにフレキシブルに対応できます。本発表では、有害なガス原料を使わずに、固体原料から金属や酸化物のナノ粒子を合成する技術を中心に紹介します。技術のポイントは、固体原料の特性に合わせたプラズマ温度の制御であり、金ナノ粒子などは手で触れるほどの低温プラズマで合成することができます。
応用の一例。室温微小プラズマの発生と、金ナノ粒子合成・堆積への応用
13:55 [3]マイクロリアクターを使ったナノ粒子の高速開発 (前田 英明・中村 浩之)
マイクロリアクターは、近年発達した、極めて高い反応制御性を持つ連続合成用の微小化学反応器です。この反応器をナノ粒子合成に用いると、特性が精密に制御されたナノ粒子を、再現性よく連続的に提供できます。さらに、最適な合成条件のコンビナトリアル的探索や粒子の形成・成長過程のリアルタイムモニタリングも可能で、新規ナノ粒子の開発に大変役に立ちます。我々は、マイクロリアクターを利用して、ユーザーの要求に合う特性のナノ粒子を迅速に開発・提供するツール、および方法論を開発しています。
マイクロリアクターによるナノ粒子合成の概念図と本研究の概要
14:15 [4]蛍光ラベルで移植細胞を追跡する技術 〜半導体ナノ粒子の細胞内への導入〜 
(大藪 淑美・植村 寿公)
細胞治療を実用化するには、移植した細胞が、病気やけがの治療に役立っていることを確認する必要があります。しかし、移植した細胞を長期的に追跡し、識別する技術はいまだ存在しません。我々は、毒性の少ない半導体ナノ粒子を用いて、医療応用が期待される幹細胞を蛍光ラベルする方法を確立しました。このラベル技術は2ヶ月以上にわたる長期の追跡が可能で、重要な細胞源である幹細胞をラベリングするための極めて有効な手法です。今後、細胞治療の実用化に大きく貢献するものと期待されます。試薬としての商品化やイメージング装置の開発に取り組むとともに、再生医療以外の分野への市場拡大を目指して、研究を進めています。
半導体ナノ粒子を細胞内へ導入して蛍光ラベルする技術
14:35 [5]ナノテクノロジーの用語を標準化する (阿部 修治)
さまざまな技術分野が融合するナノテクノロジーにおいては、用語や計測法などの標準化が重要な課題となっています。そこで、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)では、ナノテクノロジーに関する専門委員会を設置して、標準規格作成を進めています。私たちは、その中の用語・命名法に関する作業グループに参加し、用語の定義や体系化をめぐる国際討議に積極的に参画してきました。産業界の協力を得て日本から提案した「炭素ナノ物体の用語」規格は、1年半の討議を経て国際合意に至り、このほど出版が決まりました。
ポスターセッション I (14:55-15:45)
15:45 [6]異種高分子およびフィラーをナノ分散・混合する高せん断成形加工 (清水 博)
異なる高分子をブレンドして、材料特性の相乗効果を目指す研究がこれまで行われてきました。しかし、分子レベルでの相溶化やナノレベルでの微視的混合が困難なため、期待された物性を実現することができませんでした。我々の開発した『高せん断成形加工法』を用いれば、様々な組合せの高分子をナノ混合することができます。これによって、高分子ブレンドの飛躍的な性能向上に成功しました。この手法は、各種フィラーを高分子中にナノ分散させることにも威力を発揮するため、多様なナノコンポジット材料創製にも挑戦しています。
三元系ナノコンポジットにおいて形成された階層構造
16:05 [7]ナノスケール現象を利用した新しいメモリーの開発 (内藤 泰久)
物質をナノスケールにまで小さくすると、しばしば、通常では考えられないような現象が発現します。金属が向かい合った構造は、一般にコンデンサーとして働くことが知られていますが、その金属間隔を約10nm以下にまで狭めると、新たにメモリー効果が発現することを見出しました。この現象を利用すれば、金属を向かい合わせるだけという、他に例を見ない、極めて簡単な構造のメモリー素子が実現します。現在、日本発のナノテクメモリーとして実用化に向けた研究を推進しています。
ナノギャップ型不揮発性メモリー素子の電子顕微鏡写真
16:25 [8]ナノメートルサイズのマイクロ波発振器 〜ナノ通信システムの実現に向けて〜 (今村 裕志)
近年の微細加工技術の進歩は目覚ましく、MEMSと呼ばれるマイクロメートルサイズの機械やセンサーが作製され、注目を集めています。現在では、ナノメートルサイズのデバイスを作ることも可能になりました。これらナノデバイスに高速無線通信機能を持たせるためには、新しい動作原理に基づくナノメートルサイズのマイクロ波発振器を開発する必要があります。我々は、数値シミュレーションを駆使し、東北大学の実験グループと共同で、ナノメートルサイズの磁石を使ったマイクロ波発振器の研究開発を行っています。
発振器内の磁石の向き。電流で磁石の向きを回転させ発振を行います。
16:45 [9]棄てる熱エネルギーを電気に 〜温度差で発電する熱電発電システムの開発〜 (舟橋 良次)
私たちの周りは使われていない熱エネルギーで溢れています。自動車、工場、給湯器、テレビ、そして私たち自身(体温)から、熱が大気中に放出されています。生活・産業で発生する廃熱エネルギー量は、エネルギー消費量の約70%にもなります。この莫大な廃熱エネルギーを電気に直接変換する技術が熱電発電です。熱電発電は、どんな少量の熱エネルギーからでも電気エネルギーを得ることができるため、これまで回収が困難であった廃熱を有効利用するための切り札として注目度が高まっています。

詳細情報:http://staff.aist.go.jp/funahashi-r/nano-contents.htm

莫大な廃熱の有効利用を可能にする熱電発電
17:05 [10]ダイナミックインクの研究開発に向けて
〜液晶をベースとする自己組織化有機半導体の開発〜 (清水 洋)
有機エレクトロニクスは、ELのみならず、トランジスタ、太陽電池など、様々な産業応用が期待されています。有機物の特徴を生かせば、従来の半導体材料やデバイス化技術とは全く異なる、画期的な手法が可能となります。例えば、半導体材料を溶液にし、印刷技術を用いてフレキシブルなポリマー基板上に回路を形成するといった新技術が開発されつつあります。本発表では、溶媒に可溶で、自発的な分子配向性を示す、液晶材料の特徴を有機半導体に持ち込むことによって何が可能になるか、という視点で、当研究グループの最近の成果を紹介します。
17:25 [11]張力によって色が変化するポリマー膜 (土原 健治)
我々は、張力により色が瞬間的・可逆的に変化するポリマー膜の開発に成功しました。新規に合成した置換ポリアセチレンを有機溶媒に溶解し、この溶液を伸縮性のある市販のフィルム上に塗ることによりポリマー膜を作製しました。この膜を延伸機あるいは手を用いて伸縮させると、写真に示すように瞬間的・可逆的に色が変化し、繰り返しも可能でした。この色変化は張力の大きさに依存するため、力やひずみを簡便に可視化するセンサーなどへの応用が期待されます。

詳細情報:http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/
pr2008/pr20081007/pr20081007.html

ポリマー膜を手で伸縮させた時の色変化
17:45 懇親会+ポスターセッション II (17:45-18:45)

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