                            定期火山情報
                               第１２号

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成12年12月11日10時
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鹿児島地方気象台発表

　火山名：桜島

１．概　　　況
　11月の桜島南岳は、噴火活動、地下活動ともに上旬はやや活発でしたが、中
旬、下旬は比較的静穏でした。１ヶ月間の噴火回数は24回、そのうち爆発的噴
火（爆発）は15回でした。
　12月に入って噴火活動、地下活動ともに静穏な状態が続いており、11日９時
現在、噴火・爆発はありません。
　現在、桜島南岳は静穏な状態ですが、今後の火山活動には十分注意して下さ
い。

２．噴火の状況
　11月の噴火回数は24回（前月38回）で、爆発はそのうち15回（前月17回）で
した。上旬の噴火回数は19回（うち爆発10回）、中旬から下旬の噴火回数は５
回（うち爆発５回）でした。
　爆発に伴う現象は体感空振を８回（すべて小）、少量の噴石（８合目）を１
回観測しました。噴石は13日16時48分の爆発に伴うものです。爆発音、火山雷
等はありませんでした。11月の日別の噴火・爆発回数は次表のとおりです。

                     　11月の日別噴火・爆発回数
　　 日 　　３　４　５　６　７　８　９　12　13　19　20　22　合計
　噴火回数　３　６　２　４　１　２　１　１　１　１　１　１　２４
　爆発回数　１　４　１　０　１　２　１　１　１　１　１　１　１５
　注）爆発は噴火の一形式であり、噴火回数の中にも含まれています。

３．遠望観測
　24回の噴火のうち噴煙を観測できたのは17回で、噴煙量は中量16回、少量１
回でした。火口縁からの噴煙高度の最高は、４日17時15分と６日08時48分の噴
火、８日15時52分と13日16時48分の爆発の1,500mでした。

４．降灰の観測
　火山性地震と火山性微動は前月と比較し減少しました。上旬は地震、微動と
もにやや多い状態で経過しましたが、中旬と下旬は地震回数、微動出現時間と
もに少なく静穏な状態でした。
　震動観測点Ｂ点（南岳火口から北西 2.3km）での11月の火山性地震の回数は
406回で、前月（1,193回）より減少しました。また、火山性微動の出現時間は
月合計14.8時間で、前月（160.6時間）より減少しました。
　　
　　　　　　　　11月の火山性地震・微動回数
　　　　　　　　　　　　上 旬　中 旬　下 旬　合 計
　火山性地震回数　　　　　369　 　27   　10  　406
　火山性微動回数　        147    　0    　8　  155
　火山性微動出現時間(h)　 9.5    　-  　5.3 　14.8

５．降灰の観測
　気象台における降灰の観測では、11月の降灰日数は18日（前月21日）で、月
間の降灰量は33g/㎡（前月62g/㎡）でした。11月の日降灰量は下表のとおりで
す。

              　気象台における11月の日別降灰量（g/㎡）
　　日　　１　３　４　６　７　８　９　10　11
　降灰量　１　１　３　６　２　１　１　２　０
　　日　　14　15　16　18　19　20　25　29　30　合計
　降灰量　３　２　１　０　２　１　１　４　２　３３

  鹿児島県消防防災課によると、11月の１ヶ月間で降灰の多かった場所と降灰
量は次のとおりです。
　①鹿児島市有村　　1,830 g/㎡　　　　②鹿児島市黒神　　1,207 g/㎡
　③桜島町湯之平　　1,204 g/㎡　　　　④輝北町　          844 g/㎡

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内 田 直 邦　（UCHIDA Naokuni）
福岡管区気象台技術部地震火山課
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