速報5/2(20000529-11.32.57)

From: SHINOHARA
地質調査所 有珠火山噴火対応状況速報 - 2000.05.02
■4/29-5/1の有珠火山活動状況情報
◎噴火活動は継続
西山西麓で1つ、金毘羅山西側山麓で2つの火口から白っぽい噴煙が上がり噴火活動
が継続。時折、土砂噴出が起きている。
◎地殻変動は鈍化傾向
西山の火口群付近を中心とした地盤の隆起は鈍化傾向、洞爺湖温泉地区、虻田町など
の周辺部の地殻変動も鈍化。
■地質調査所の調査
◆現地調査
◎自動光波測距装置による連続観測
有珠山西側について自動光波測距装置による観測を継続。
◎火山ガス観測
有珠山山頂火口内の火山ガス調査(噴気孔分布および活動状況、ガス温度およびガス
流速測定、ガス組成分析のための試料採取)を実施。観測された火山ガスの最高温度
(465℃)は昨年7月と同程度で,明瞭な変化は認められなかった。
噴煙観測の基礎データを取得するために、気温・湿度の自動測定装置を山頂火口の南
側に設置。
◎山頂火口内の割れ目調査
火山ガス観測の際に山頂外輪山南側および山頂火口内に多くの割れ目を発見。基本的
にほぼ東西性の開口割れ目で、大部分は4/23以前に形成されたものと思われる。
◎熱映像観測
金毘羅山の火口および有珠山山頂火口の噴煙の温度を熱映像装置を用いて観測.
◎地下水観測
壮瞥町にある旧北大有珠火山観測所内の井戸に水位計を設置。
◎現地常駐体制を一時解除
 地質調査所では噴火前の3/29より約1ヶ月間現地に複数の研究者が常駐し噴火活動
観測を行ってきた。しかしながら、噴火活動が長期化したため出張旅費捻出の問題が
浮上してきたことに加え、活動自体も大きな変化がみられなくなったため、観測体制
について再検討した。その結果、現地での研究者の常駐体制を一時解除し、北大有珠
火山観測所等にある車両,宿泊所等に蓄積していた調査機材については一時撤収する
ことを決定し,3/30につくば市の本所及び北海道支所に移送した。とりあえず今後
は、北海道支所から週2回程度現地に日帰り出張を行い、セオドライトによる地殻変
動観測を継続する。なお、自動光波測距装置による地殻変動観測は継続して実施。
 また、本所では、火山活動および作業進行の現状を共通認識とするために、有珠火
山噴火対応チームのブリーフィングを毎日行っていたが、現地の常駐体制が終了した
ことに呼応して、週1回程度にすることになった。
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SHINOHARA Hiroshi
Mineral and Fuel Resources Department
Geological Survey of Japan
Higashi 1-1-3, Tsukuba 305-8567, JAPAN
tel:81-298-61-3634, fax: 81-298-61-3633
e-mail: shino@gsj.go.jp
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