速報4/6(20000406-21.00.57)

From: SHINOHARA
《《 地質調査所 有珠火山噴火対応状況速報 - 2000.04.06 》》
■本日の有珠火山活動状況情報
◎西山西部で溶岩ドームの可能性
4月5日に行われた火山噴火予知連絡会有珠部会において今後の火山活動について検討
され、有珠山北西山麓での溶岩ドーム活動に移る可能性が高いとの見解が発表され
た。ドーム出現前には、爆発的噴火や火砕流が発生する恐れがある。
◎地殻変動は進行中
西山北西部の断層活動はさらに進行中(現地調査班情報)。
◎噴火活動は断続的に継続中
金比羅山西側山麓の火口群(4/1に形成)から断続的に噴煙が上がっている(TV報道)。
■地質調査所の調査
◆現地調査
◎洞爺湖東湖畔における地殻変動観測
洞爺湖温泉西部の地殻変動状況を観測するために、セオドライト(測量機器)による
観測を実施。
◎火口調査
噴火状況を上空から観察。
◎自動光波測距装置による連続観測
火山噴火予知連絡会有珠部会において、無人による地殻変動連続観測が検討された。
地質調査所では自動光波測距装置による地殻変動観測を行うことを決定した。
【参考】現在行われている地殻変動観測は手動であり、観測者が危険にさらされてい
る。地質調査所が所有している自動光波測距装置は無人観測が可能である。
◆分析・解析
◎火山噴出物分析
3月31日に放出された火山灰試料(現在分析中)に加えて、4月2日に採取された火山
灰中の分析を開始した。
軽石は化学分析実施中。過去の噴出物試料も比較のために分析開始。
【参考】噴出物の形態・組成等を調べ、過去の噴出物などとの比較を行うことによ
り、活動に関与したマグマの特徴などを把握することが可能となる。

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