有珠山2000年3月31日噴火推移
有珠山2000年3月31日噴火推移
地質グループ(地質調査所,北海道大学,道立地質研究所,北海道教育大)
有珠山で31日午後噴火が起きました.
噴火開始から有珠山の北約9kmのサイロ展望台から観察したこの噴火の推移を
速報として報告します.
時刻は当日午前にラジオの時報にて時刻合わせ済み.誤差は±5秒以内.
(観察者;川辺,広瀬,風早,宝田,吉本)
31日
13時 7分すぎ 噴火開始.噴火位置は西山潜在円頂丘の西,国道230号が洞爺湖
温泉から虻田町に抜ける峠の向こう側.有珠山山頂を観察していたため,
噴火の瞬間は目視していないが,噴火開始後数十秒以内に確認.ビデオ
での噴火撮影時刻は13時7分59秒.
噴煙はゆっくりと上昇し,初め白く,次第に黒くなる.噴煙は北東に
流される.
13時21分 カリフラワー状の黒い噴煙.噴煙の上昇高度はあまり高くない.
13時25分 噴火弱まり白い噴煙が多くなる.山頂部が見えるが特に変化なし.
13時29分 再び黒い噴煙が上昇開始.コックステイルジェット,落下する
噴石が見える.
13時42分 噴煙弱まる.
13時45分 黒い噴煙再び上昇.
13時50分 上昇早い黒い噴煙.これより前の噴煙より勢い強い.噴煙高度2000m
以上.時々火山雷.一部は上昇せず落下.
14時16分 噴煙白くなり勢い弱まる.
14時19分 再び黒い噴煙上昇開始.勢い強い.噴煙の根元に水平に西に流れる噴煙も
見られる.
14時52分 黒噴煙止まる.火口には白い噴煙のみ.消長を繰り返す.
15時27分 再び黒い噴煙.5分ほど継続.以降白煙.
15時40分ごろ コックステイルが顕著に観察される.
15時47分 黒煙顕著.以降白煙とコックステイルジェットの活動を17時過ぎまで
繰り返す.
17時15分 サイロ展望台より撤収.