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2007年新潟県中越沖地震の地震動分布推定

松岡 昌志(産業技術総合研究所 グリッド研究センター)

(作成:2007/7/18,更新:2007/7/19, 7/22, 7/27, 8/23, 9/6)


震源情報および防災科学技術研究所の強震観測地点(
K-NETKiK-net)での観測記録を利用し,面的な地盤特性の評価には日本の地形・地盤デジタルマップ*1に含まれる地形,地質,標高,傾斜データから推定した地盤の平均的なS波速度(AVS30*2)と,さらにAVS30から得られる増幅度の分布から,広域での地震動分布を推定した。

具体的には,強震観測記録から地震動の最大速度(PGV)を計算し(地震動の最大速度の説明),AVS30が推定可能な698観測地点のPGVをAVS30から推定される増幅度で除して硬質地盤上での値に戻し,震源からの距離を考慮したKrigingによる空間補間を行うことで,硬質地盤でのPGVの分布を推定している。さらに,硬質地盤でのPGVにデジタルマップから得られる増幅度分布を乗じることで,任意の地域の地表での最大速度の分布を推定している。

約1km四方の分解能で推定した広域PGV分布を下図に示す。解析範囲は旧測地系で北緯33度20分から42度,東経132度から145度,1ピクセルは基準地域メッシュ(緯度方向に30秒, 経度方向に45秒)に対応している。


Estimated PGV distribution (1km grid-cells) for the 2007 Niigata-ken Chuetsu-oki earthquake. Area (Lat, Lon in degree): N33.3333 - N42, E132 - E145. Pixel size (Lat, Lon in arc-second): 30, 45. download original data



さらに,下図には250mメッシュ地形・地盤デジタルマップ*3を利用した広域かつ詳細なPGV分布を示す。解析範囲は旧測地系で北緯35度20分から40度,東経135度から142度,1ピクセルは基準地域メッシュを4分割した大きさ(緯度方向に7.5秒, 経度方向に11.25秒)に対応している。


Estimated high-resolution PGV distribution (250m grid-cells) for the 2007 Niigata-ken Chuetsu-oki earthquake. Area (Lat, Lon in degree): N35.3333 - N40., E135 - E142. Pixel size (Lat, Lon in arc-second): 7.5, 11.25. download original data


[参考文献]

*1: 若松加寿江,久保純子,松岡昌志,長谷川浩一,杉浦正美,"日本の地形・地盤デジタルマップ," 東京大学出版会, 112p., 2005.
*2: Masashi MATSUOKA, Kazue WAKAMATSU, Kazuo FUJIMOTO and Saburoh MIDORIKAWA, "Average Shear-wave Velocity Mapping Using Japan Engineering Geomorphologic Classification Map," Journal of Structural Engineering and Earthquake Engineering, Japan Society of Civil Engineers, Vol.23, No.1, pp.57s-68s, 2006.
*3: 若松加寿江,松岡昌志,"250mメッシュ地形・地盤デジタルマップ",科学技術振興調整費 重点課題解決型研究 「統合化地下構造データベースの構築」(代表:藤原広行)で作成中のプロトタイプデータ.

[謝辞]

主たる計算は防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター川崎ラボラトリーの地震動分布推定シミュレータを利用している。末冨岩雄博士(現 日本技術開発),橋本光史氏(構造計画研究所)をはじめとする関係各位に感謝いたします。また,観測記録は防災科学技術研究所のK-NETとKiK-netを利用しました。