山室 真澄
YAMAMURO Masumi

理学博士(東京大学大学院理学系研究科地理学専門課程
東京大学海洋研究所海洋生化学部門)

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 
環境学研究系 自然環境学専攻
教授
(独)産業技術総合研究所客員研究員

郵送先:〒277- 8561 千葉県柏市柏の葉5 -1- 5

Tel&Fax: 04-7136-4770
E-mail:yamamuro@k.u-tokyo.ac.jp
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/Limnology/

キーワード

水界生態系、生元素循環、富栄養化、底生動物、堆積物、水草、ため池、湖、河川、汽水、複合生態系、陸水学

進行中プロジェクト

農薬がシャジクモ類減少の一因である可能性に関するフィージビリティースタディ(2006年度、継続予定)

1950年代半ばに各地の湖沼でシャジクモ類が衰退した原因の一部が除草剤ではないかとの仮説のもとに実験室実験、フィールド調査、古陸水学などの学際的な研究を進めています。

塩分が比較的安定している感潮域における付着性汚損生物の侵入動態の解明(2006〜2007)

塩分が比較的長期的なスパンで変動する島根県の宍道湖・中海において、表在性でopportunisticな戦略をとる懸濁物食二枚貝ホトトギスガイの浮遊幼生がどのように定着し分布を拡大するのか、高塩分水の動態を同時に観測したり、現場飼育実験を行って解明します。

終了プロジェクト
サンゴ礁−海草藻場−マングローブ林から構成される複合生態系における環境動態の解析(2004〜2007)

サンゴ礁・海草藻場・マングローブ生態系を、それぞれが相互作用を持つ「複合生態系」の中のサブシステムとして捉えなおし、複合生態系としての環境動態の中から特に、生態系の健全性と関わりが大きい有機物と栄養塩(窒素・リン)の動態を観測しました。また、新規開発した測器を用いて得られた画像をGISに整理しました。

複合生態系のGISシステムをご覧になれます。

宍道湖底層における酸素消費過程の解明(2005〜2006)

湖沼の水質指標として重視されているCOD(Mn)が、酸素を消費しやすい易分解性有機物の指標としては必ずしも適切ではない可能性と、酸素消費は水中の有機物量ではなく、堆積物の有機物量や水の交換速度に依存している可能性の2点から、水中のCOD(Mn)を指標にした規制では内部負荷の減少には効果がない可能性を検討しました。

環境感受性が高い沿岸魚類の食生態分析に基づく環境動態解析手法の開発(2002〜2004)

内湾で雌化が報告されているコノシロを対象に、安定同位体比を用いた食生態と有機塩素化合物との関係を検討しました。

日本の亜熱帯海域における海草藻場の評価手法に関する研究(2000〜2002)

従来は航空写真で調べられていた海草の分布状況について、気球と水中ロボットで調査するシステムを開発しました。
最終報告書(32ページ・1.3MB)

水棲生物食物連鎖におけるダイオキシン類の生物濃縮に関する研究(1999〜2001)

宍道湖や東京湾の生物のダイオキシン濃度が食物連鎖を通じて増えるのかどうかを、横浜国立大学と共同で研究しました。

サンゴ礁によるCO2固定バイオリアクター構築技術の開発(1996〜2001)

サンゴ礁は二酸化炭素のシンクかソースかという二者択一的な議論はおいて、仮にソースだとしても、どうすればシンクになり得るのかを検討しました。

富栄養化湖沼における食物連鎖を利用した水質浄化技術に関する研究(1994〜1999)

結果などの紹介

赤潮やアオコなどの植物プランクトンの異常増殖は大型動物を含む食物連鎖が正常に機能することによって防止できることを、窒素やリンを指標にして定量的に明らかにしました。また横浜国大との共同研究で、1940年代からの堆積中ダイオキシン濃度の変遷を解明しました。

堆積中のダイオキシン(8ページ・148.3KB)

珪藻の生物地球化学とその古海洋学的応用(1996〜1999)

ODP Site1016で採取したカリフォルニア沖コア堆積物について、安定同位体比などを用いて古環境を解析しました。

過去136000年間のカリフォルニア海流の流況(10ページ・1.1MB)

モデルサンゴ礁における二酸化炭素固定技術の開発に関する研究(1992〜1997)

サンゴ礁では植物による光合成に必要な栄養物質としての窒素のかなりの割合が大気から供給されることを、サンゴ等の安定同位体比を世界で初めて分析して証明しました。これによりサンゴ礁では二酸化炭素が放出されるとした定説が、国際的に再検討されることになりました。

石油の炭酸塩根源岩説を検討するための現成堆積物と石油との比較研究(1992〜1993)

炭酸塩岩に関する研究において、炭酸塩堆積物中の有機物を正確に分析する方法を開発し、成果を国際誌に公表して普及しました。

国際活動
地質調査所・科学技術庁主催で「地球規模変動に対するサンゴ礁の応答に関する国際ワークショップ」を開いて海外から12名の研究者を招き、議論を深めました(1996.3)

「ITIT国際シンポジウム」「ETERNET-APR国際シンポジウム」「日独排水とスラッジ処理に関するワークショップ」など、多くの国際会議で招待講演を行いました。

Scientific Committee on Problems of the Environment (SCOPE)の委員を務めました。

受 賞
第10回生態学琵琶湖賞(2000.10)

「大好きいばらき水質浄化アイディアコンクール」実践賞(1998.12)

「つくば市制十周年に思う」懸賞論文佳作(1998.3)

委員会活動
日本学術会議地球環境研究連絡委員会IGBP専門委員会LOICZ小委員会委員(1994〜)

環境ホルモン学会評議員(2002〜)

文部科学省科学技術・学術審議会海洋開発分科会委員(2003〜)


日本陸水学会評議員(2004〜)

所属学会
日本地理学会、日本陸水学会、日本海洋学会、水環境学会、土木学会、日本有機地球化学会 など

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