FoRAM 

 (Study Group on the Future of Risk Assessment and Management)


  次の時代のリスク評価のあり方を考える研究会

趣旨説明

安全や環境を考えるためにはリスクという概念やリスク評価が不可欠だという認識は社会に広まりつつあります。
しかし、リスク評価・管理を専門に研究したり、リスク評価はどうあるべきか真剣に考えている人はまだ少ない のが現状です。

原因の1つに学問領域の「横割り」と社会の「縦割り」があります。

学問領域の横割りとは、例えば、有害性評価(疫学・毒性学)や曝露評価(環境科学)のような、リスク評価の個別プロセスごとの学問分野の違いにより専門家が分断されていることです(有害性評価の中でも、培養細胞、動物、ヒトでさらに分断されたりしています)。
リスク評価・管理は多数の学問領域を横断しなくてはいけない仕事なので、なかなかリスク評価・管理を主とした専門家は生まれません。
結果として専門家が少ないため、科目や授業が成立せず、若い専門家もなかなか育ちません。

また、社会の縦割りとは、分野ごとに規制省庁、関連研究機関、関連学会があり、関連専門家がいるように、リスク研究分野もその例外ではなく縦割りになりがちなことを指しています。
原発事故によって放射線リスク評価・管理のアプローチに注目が集まりましたが、化学物質のリスク評価・管理のアプローチとはずいぶん文化や手法が違っていることが分かりました。
化学物質の分野内でも、食品安全と労働安全と工業品の安全では、ずいぶんアプローチが異なります。
このように、リスク研究の分野も社会の縦割りを反映して、研究アプローチまで縦割りになりがちです。


東日本大震災以来、安全とは何かが改めて問われています。
リスク評価勉強会では2011年度は、私たちはヒトや生態系の健康にとって何をもって安全とみなしているか、みなすべきかという根本に立ち返って議論し、かつ、議論だけに終わらず、成果を形にして社会にアウトプットしていくことを目指しています。

また、リスク評価勉強会のもう1つの重要な機能はリスク評価コミュニティのハブとなることです。
勉強会のコアとなるメンバーはいますが、毎回の参加者は流動的です。
研究者だけでなく行政に近い方も参加しています。
このことは重要で、環境や安全に関する意思決定システムを変革していくこと、そのためのツールを提供することが目標とするアウトカムの1つだからです。
欧州には欧州リスクフォーラムという組織があり、リスク評価の未来を常に議論しています。
日本には日本なりのリスク評価・管理のアプローチ、ガバナンスの仕組みがあるはずです。
横割りと縦割りを超えてリスク評価・管理の未来を考えましょう

(2011年6月28日 文責 岸本充生)

2012年 FoRAM方針(主宰岸本より)
2011年テーマ「基準値再考」