博士(工学) 加藤正仁(かとうまさひと)
製造技術研究部門 素形材加工研究グループ 主任研究員
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略歴
1963年1月 山形県生まれ
1985年3月 秋田大学鉱山学部冶金学科卒
1985年4月 通商産業省工業技術院機械技術研究所
2001年4月 独立行政法人産業技術総合研究所

専門分野
金属材料学とくに加工熱処理と超塑性、 塑性加工(マイクロフォーミング、衝撃加工)

私の基本姿勢
 20世紀の材料開発は特性改善のために合金元素を加えていくというのが主体でした。この結果、世の中には種々の合金組成である素材が満ちあふれ材料リサイクルの観点から考えれば好ましくない状況となっています。これはひたすら特性向上のみを追求した(目的のために手段を選ばない)結果ですが、21世紀はいかに環境と折り合いをつけるかという価値観で考えないと持続的社会は望めません。
 私はこの視点に鑑み、リサイクル性など、環境負荷を悪化させない方法で特性改善した機械材料の製造技術について携わりたいと思っています。
研究概要
 入所以来金属材料の超塑性挙動についての研究を行ってきました。
 現在は主にオーステナイト系単相ステンレス鋼SUS304の超塑性およびその応用についての研究に携わっています。
 金属材料はその結晶粒径を1μm オーダー以下に微細化すると、適当な温度ひずみ速度条件で引張試験をしたときに何百%もの伸びを示すことがあります。これが超塑性です。
 SUS304などの単相ステンレス鋼は、従来は超塑性挙動を発現しないものとされて来ましたが、その結晶粒径を1μm あるいはそれ以下に微細化してやると、超塑性挙動を発現することをあきらかにしました。
 現在までのところ試験片サイズでは、加工熱処理のみでSUS304の結晶粒を微細化することで超塑性発現域上限が高速超塑性といわれる1×10-2/s以上まで拡大することを確認しました。

超塑性引張試験片(試験前後)

 なお、超塑性を発現するように結晶粒を微細化したSUS304は、超塑性を発現するばかりではなく、よく知られているホール・ペッチ則により、耐力が通常のSUS304の倍以上となったり、精密性形成に優れていたりします。
さらに、結晶粒を微細化するための加工熱処理のプロセスを応用して、低温での拡散接合が可能となります。

主要論文
加藤正仁,鳥阪泰憲:SUS304の超塑性挙動改善のための多方向据込みを利用した加工熱処理,鉄と鋼,89(2003)1038
加藤正仁:SUS304の微小成形における型形状の転写特性に及ぼす結晶粒径の影響,鉄と鋼,97(2011)376
加藤正仁,佐藤直子,白鳥智美,鈴木洋平:再結晶に伴うオーステナイト系ステンレス鋼の拡散接合温度の低下,鉄と鋼,102(2016)34

所属学会
日本金属学会日本鉄鋼協会日本塑性加工学会

産総研産総研製造技術研究部門