非地熱地域における深部地殻のヒートソースとしての利用
非地熱地域においても、深部になれば地層温度が高くなります。長大なDCHEを建設すれば、非地熱地域の深部地層を熱源(ヒートソース)として、暖房や温水プールなどに利用することができます。
スイスでは、深さ2,300mの長大DCHEが建設されており、幾つかのアパートの暖房に使われています。また、深さ1,200mの同軸型地中熱交換器がリゾートホテルの温水プールに使われています。
ポーランドには、石油や天然ガスの調査のために掘削された調査井(ちょうさせい)が、数千本あるといわれています。これらの未利用の坑井(こうせい)を利用してDCHEを建設すれば、化石燃料の節約と二酸化炭素の排出量の削減が可能になります。
研究者は、ポーランドの大学と共同で、長さ3km程度の大深度DCHE の実証をめざしています。
当面は、未利用の坑井にDCHEを適用することになると考えられますが、エネルギーの制約の問題や地球環境問題が深刻になると予想されることから、将来的には、大深度のDCHEがどこでも経済的に利用できるようになる可能性があります。