濁川 (1996)

濁川地域は北海道茅部郡森町の濁川温泉周辺で,渡島駒ヶ岳の北西にあたる。ここには直径約2kmの濁川カルデラがあり,「濁川型カルデラ」の模式地である.カルデラ地形は明瞭で,カルデラの北端に濁川温泉があり,北東壁で森地熱発電所が稼働中である。カルデラの周辺には火砕流台地が残っており,これがカルデラを形成した噴火の噴出物で,14C年代は約1万年である。大きさ・年代とも山形県の肘折カルデラとよく似ている。濁川でも「火砕流堆積物およびその2次堆積物のESR年代測定(1992-)」のため現地調査とサンプリングを行ったが,濁川の火砕流堆積物には斑晶や軽石,火山ガラスといった本質物質がほとんど含まれておらず,角閃石が僅かに認められる程度である。このことは濁川で多数掘削された地熱井のコアやカッティングスでも確認されており,火砕流堆積物や火道充填物がほとんど火道周辺の母岩の破片で構成される特異な噴出物である。そのためESR年代測定の対象とはならなかった。濁川カルデラは引き続き「小型カルデラの地質構造および活動史による分類と熱ポテンシャル評価(1999-)」の研究対象ともしているが,これには既存の文献や手持ち試料を使用しており,現在は現地調査やサンプリングは行っていない。

濁川カルデラ:左端が森発電所の冷却塔の屋上。(1996.6.20カルデラ北東壁・森地熱発電所から撮影)


フィールド・レポート

トップページ