令和4年度

2023-03-30 東北大学、広島大学の共同研究者と執筆した総説が日本微生物生態学会誌に、鹿児島高専と鹿児島県農業開発総合センターとの共同研究の成果がBioresource Technology Reportsに掲載されました!

 東北大学、広島大学との共同での研究成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した和文誌総説「Candidate phyla radiation (CPR)/Candidatus Patescibacteriaの実態を廃水処理システムの視点から理解する」が日本微生物生態学会誌に掲載されました!
 本総説は、我々の研究チームが対象としてきたCPR/Patescibacteriaについて、廃水処理研究における最新の研究成果をまとめたものになります。国内で廃水処理中のCPR/Patescibacteriaを研究する皆さんと一緒に総説を執筆できたこと、私の学生時代からの憧れの日本微生物生態学会で総説を出させていただけることはとても光栄なことでした。
 
 また、鹿児島高専と鹿児島県農業開発総合センターとの共同研究の成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した英語論文「Co-composting of sewage sludge with plant biomass, and analysis of microbiome relevant to plant growth promotion」がBioresource Technology Reports誌に掲載されました!本論文は、下水汚泥の資源化技術として重金属濃度が格段に低く、利用性を向上させ、有用微生物群を優占化させた新規下水汚泥肥料の作製に成功した成果になります。
 これらの総説・論文執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2023-3-7 黒田恭平のインタビュー記事が月刊高専に掲載されました!

 2023年2月6日に月刊高専より取材を頂きました内容について、「「手を挙げられるとき」に手を挙げる! 高専で出会った「環境バイオ技術」をきっかけに、今は「微生物」の最先端へ」という題目で2023年3月7日にWeb雑誌にご掲載いただきました。
 高専から現在までの私の経歴や研究・教育に関する考え方、高専生に対しての”想い”について語らせていただきました。
 今回の記事を読んで、高専に入学したい!、高専から世界に羽ばたきたい!と思ってくれる方が増えてくれたら嬉しいです。

黒田 恭平

 

2023-3-7 黒田恭平が一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)の発酵と代謝研究会にて講演を行いました!

 2023年3月6日にハイブリッドで開催された「発酵と代謝研究会 2022年度講演会「 さまざまな視点から『発酵と代謝』研究をあらためて考える (3)」」にて、黒田が招待講演を行いました。
 今回、一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)の発酵と代謝研究会の幹事の方々にご招待を頂き講演をさせていただけたことはとても光栄に思います。

 講演では昨年7月にプレス発表を行った「PET関連物質を酸素の無い環境で分解する微生物を発見-分解の鍵を握る新しい酵素を推定-」の成果と近年のプラスチック廃棄物に関する微生物学的なアプローチについて話をさせていただきました。
 質疑でのディスカッションを通じて、本研究が社会課題解決に向けて重要なテーマであることを再認識いたしました。

 この度の講演会開催にあたりご尽力いただきました関係の皆様へ心より感謝申し上げます。


【講演題目】
黒田「嫌気性環境でPETモノマーを分解する微生物群の発見」
 

黒田 恭平

 

2023-1-28 中島芽梨さん、半田久純くん、髙井麻帆さんが第59回環境工学研究フォーラムに参加・研究発表を行いました!

 2022年11月29日〜12月1日に盛岡観光コンベンション協会で開催された「第59回環境工学研究フォーラム」に黒田と産総研技術研修員の中島芽梨さん、半田久純くん、髙井麻帆さんが参加し、ポスター発表を行いました。
 環境工学研究フォーラムも久しぶりに現地開催となり、会場の様々な場所で議論が白熱していました。私は全日程を参加することができませんでしたが、髙井さんが初めてのポスター発表を行うなど、記憶に残る学会となったのではないかと思います。今回の学会では、中島さんが「環境技術・プロジェクト賞」を受賞し、北海道大学佐藤先生先生や中島さんが中心となって行っている研究が国内で評価されていることを実感しました。中島さんおめでとうございます!!
 今回は私が全日程を参加できなかったこともあり、学生の皆さんの発表を見ることはできませんでしたが、たくさんの学生さんとお話することもでき、交流の場として素晴らしい機会となったと思います。また、大変なコロナ禍の中で学会を現地開催として運営してくださった学会運営関係の方々、私共の研究をご支援を頂きました関係の皆様へ心より感謝申し上げます。

【発表題目】
中島「金ナノ粒子プローブを用いた簡易核酸分析法の開発」
半田「金ナノ粒子プローブを用いた廃水中の微生物の遺伝子量の測定」
髙井「PET原料製造廃水処理UASB反応器の後段処理技術の検討」
 

黒田恭平
 

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中島芽梨:第59回環境工学研究フォーラム参加報告

 11月29日から12月1日にかけて盛岡で開催された第59回環境工学研究フォーラムに参加し、環境技術・プロジェクト発表セッションにて発表を行いました。幅広い分野の方々に発表を聴いていただき、開発した分析法を実装する上での問題点とその解決方法等について貴重なコメントをいただくことができました。また本発表にて、環境技術・プロジェクト賞を受賞することができました。同じ金ナノ粒子に関する研究グループの後輩達も参加しており、グループの研究テーマがこのように高く評価されたのも、後輩達が興味深いデータと積極的な発表で大きな存在感を示してくれたからこそと思います。
 3月の水環境学会では今回の発表とは異なり、廃水処理中のCPRに関する発表を行います。金ナノ粒子に関する研究と並行してCPRについても、より一層、精力的に研究を進めていきたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 中島芽梨

 

半田久純:第59回環境工学研究フォーラム参加報告

 2022年11月29日から12月1日にかけて行われた環境工学フォーラムに参加させていただきました。先日参加させていただいた微生物生態学会とは違った雰囲気を感じましたが、企業の方々をはじめ、たくさんの方にご意見いただき非常に有意義な時間を過ごすことができました。微生物生態学会から研究は大きく進めることができなかったので、次回の水環境学会年会では目標とする技術の確立に向けて謙虚に頑張りたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 半田久純

 

髙井麻帆:第59回環境工学研究フォーラム感想

 2022年11月29日から12月1日に岩手で行われた第59回環境工学フォーラムに参加し、ポスター発表を行いました。初めての学会参加で至らない点も多々ありましたが、参加者の方の発表を聞いたりポスター発表で意見をいただいたりと、とても良い経験になりました。今回の経験を今後の研究に活かして、頑張っていきたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 髙井麻帆

 
 

2023-1-7 東北大学大学院の景政柊蘭さんが1年間の技術研修を終了しました!

 2021年12月〜2022年12月にかけて東北大学大学院の景政柊蘭さんが技術研修員生として産総研北海道センターの微生物生態工学研究グループで研修を行いました。景政さんは「廃水処理プロセスに普遍的に存在する極小未知微生物群の解明に向けた情報科学的技術の習得」を主な研究テーマとして、特に活性汚泥に生息する極小未知微生物群Candidate phyla radiation/Candidatus Patescibacteriaのショットガンメタゲノム解析を学び、様々なバイオインフォマティクス技術を習得しました。景政さんは筆頭著者として論文も出版しており、研修で得た知見を対外的にも成果発表を行うことができていました。
 景政さんは2022年10月から国立高等専門学校機構阿南工業高等専門学校の助教に着任し既に先生として日々を送っています。是非、今後は学生時代に得た経験や知識を高専生へ還元し、学生と共に成長できる素晴らしい研究室を立ち上げてほしいと思います!景政さんのさらなる成長と、今後の活躍を期待しています!
 

黒田 恭平

 

景政柊蘭:技術研修報告

 2021年12月から2022年12月の1年間に渡り、産業技術総合研究所北海道センター生物プロセス研究部門微生物生態工学研究グループにて、技術研修員としてお世話になりました。黒田様には、メタゲノム解析技術について、解析ソフトのインストール方法からデータの解釈方法に至るまで一からご教示頂きました。また、東北大学工学研究室にて、メタゲノム解析を行うための環境の整備にもご尽力頂きました。メタゲノム解析によって、廃水処理に関わる微生物の機能を理解することが可能になったことで、私の研究をはじめ研究室全体の研究が深化したと考えております。技術研修期間中に得た解析データについて、貴重な時間を割いて議論する時間を割いて頂いたことで、私にとって初めての英語論文を発表することができました。この議論については、長年に渡って極小未知未培養微生物について研究をされている中井様にも助言を頂きました。黒田様、中井様には、研究だけに留まらず進路など私生活の相談についても親身になって乗って頂き、無事に進路を決定することもできました。今後は、自身で研究を行いながら後進を指導する立場にもなるので、技術研修で得た知識や経験を活かしながら、研究に邁進していく所存です。最後になりましたが、ご指導頂いた黒田様、中井様、さらに成廣研究グループ長をはじめ研修期間中に関わった全ての方々に深く感謝を申し上げます。今後、新たな研究で、ご一緒できることを楽しみにしております。ありがとうございました。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 景政柊蘭

 
 

2022-12-29 黒田恭平が2022年度日本線虫学会第29回大会に参加・研究発表を行いました!

 2022年11月4日〜11月5日にオンラインで開催された「2022年度日本線虫学会第29回大会」に黒田が参加し、口頭発表を行いました。
 今年もオンライン開催となってしまいましたが、参加者も多く活発な議論が行われていました。私はレンコンネモグリセンチュウに共生する微生物に関して研究の進捗を発表しました。線虫を専門とされる方々が多い中、微生物メインの発表となりましたが、ご質問もいくつか頂き、有意義なディスカッションをすることができました。
 植物寄生性線虫の共生微生物の解明を、線虫害防除に繋げられるよう今後も研究を進めていければと強く思いました。また、今回の研究をご支援頂きました関係の皆様へ心より感謝申し上げます。

【発表題目】
黒田「レンコンネモグリセンチュウHirschmanniella diversaの共生微生物の同定」
 

黒田 恭平

 

2022-12-18 黒田恭平、蔵下はづきさん、中島芽梨さん、半田久純くん、前田稜太くんが日本微生物生態学会第35回大会に参加・研究発表を行いました!

 2022年10月31日〜11月3日に札幌コンベンションセンターで開催された「日本微生物生態学会 第35回大会」に黒田と産総研技術研修員の蔵下はづきさん、中島芽梨さん、半田久純くん、東北大学大学院修士課程1年の前田稜太くんが参加し、シンポジウムでの講演やポスター発表を行いました。
 微生物生態学会が3年ぶりの現地開催となったことから、中々お会いすることのできなかった方々と研究のディスカッションをすることができ、貴重な会となりました。また、今回はシンポジウム「培養が切り拓く微生物ダークマターの生理・生態」で私も講演の機会を頂き、私の最近の研究進捗を会員の皆様へ共有させて頂きました。今回発表した蔵下さん、中島さん、半田くん、前田くんも、ポスターセッション中に殆ど人が途切れず、大盛況となっておりました。結果として、中島さんと半田くんが優秀ポスター賞を受賞することができ、今後の中島さん、半田くんの研究の励みになるのではないかと思います。
 私や学生の皆さんにとって素晴らしい経験と思い出となりましたが、これも共同研究者、研究に関連する皆様は勿論のこと、大変なコロナ禍の中で学会を現地開催として運営してくださった学会運営関係の方々のお陰だと思います。関係の皆様へ心より感謝申し上げます。

【発表題目】
黒田「廃水処理汚泥から“アクティブ”な未培養系統群を可培養化する」
蔵下「活性汚泥由来Myxococcota門細菌の代謝機能の解明および分離培養の試み」
中島「金ナノ粒子プローブを用いた環境中微生物の簡易核酸分析法の開発」
半田「PCRフリーの金ナノ粒子プローブ法を用いた廃水処理汚泥中のPatescibacteriaとメタン生成アーキアの迅速定量の試み」
前田「嫌気性廃水処理汚泥に優占する門レベル未培養系統群の代謝機能推定」
 

黒田恭平
 

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蔵下はづき:日本微生物生態学会第35回大会に参加して

 10月31日〜11月3日にかけて北海道で開催された日本微生物生態学会に蔵下はづきが参加しました。今年は久しぶりに現地での学会参加となりました。対面でのポスター発表はとても緊張しましたが、オンライン学会の空気感とはまた異なり様々な方と長くお話する機会を得られ、ディスカッションを行うことが出来ました。また、今年の水環境学会シンポジウムでお会いした方々にもコアタイムに足を運んでいただきとても嬉しかったです。また、他の大学の博士学生の方とも交流の機会があり、現地開催ならではの経験が出来ました。今後も広い視野を持って研究に励みたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 蔵下はづき

 

中島芽梨:日本微生物生態学会第35回大会参加報告

 10月31日から11月3日にかけて札幌で開催された第35回微生物生態学会に参加し、ポスター発表を行いました。微生物生態学会は初参加で発表テーマ(金ナノ粒子プローブを用いた環境中微生物の簡易核酸分析法の開発)も異色のものでしたが、多くの方々に興味を持っていただき、ポスター賞を受賞することができました。普段から微生物を扱っている方々ならではの質問、コメントやアドバイスを今後の研究に存分に生かしていきたいと思います。また、他の参加者の方々の発表や自由集会は大変勉強になりました。特にシンポジウム(培養が切り拓く微生物ダークマターの生理・生態)と自由集会(CPRバクテリアおよびDPANNアーキアの謎に包まれた生理・生態・進化に迫る)は、自分が携わらせていただいている研究に関する様々な知見を得ることができました。今後は3月の水環境学会年会での発表に向けて、さらに研究を進めていきたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 中島芽梨

 

半田久純:日本微生物生態学会第35回大会参加報告

 2022年10月31日から11月3日にかけて行われた微生物生態学会に参加させていただきました。私にとって初めての学会でしたので、準備の段階から多くの方にお世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。また、ポスター賞も受賞することができて今後の研究の励みになりました。実験から発表準備にかけてお世話になった黒田さんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからもたくさんお世話になりながら、その分を結果でお返しできるように頑張っていきます。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 半田久純

 

前田稜太:日本微生物生態学会第35回大会参加報告

 10月31日〜11月3日に行われた日本微生物生態学会第35回大会に参加し、ポスター発表を行いました。発表では非常に多くの方々に研究に興味を持っていただき、コアタイム外にも関わらず質問していただく機会もあり、大変有意義な時間を過ごすことができました。今後の研究の進め方に関わるような質問やアドバイスもいただくことができ、解析や実験を進めていく上でのアイデアを得ることができたと思っております。今回の学会では、微生物に関連する研究を行っている方の発表を多く聴講することができたという点も非常に良かったです。学んだことを今後の研究活動に活かすことができればと思っております。私は今回の学会ではポスター発表賞を受賞することができなかったため、次回の水環境学会ではクリタ賞を受賞することができるようにより一層研究を行わなければならないと感じました。
 

東北大学大学院 修士課程1年 前田稜太

 
 

2022-11-13 東北大学と産総研の共同での研究成果がMicrobes and Environmentsに掲載されました!

 東北大学との共同での研究成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した英語論文「Novel cross-domain symbiosis between Candidatus Patescibacteria and hydrogenotrophic methanogenic archaea Methanospirillum discovered in a methanogenic ecosystem」がMicrobes and Environments(2022年発表IF: 2.596)に掲載されました!
 
 本論文はバクテリアの巨大未知系統群の1つであるPatescibacteriaを対象とし、以前mBioで報告したYanofskybacteriaとは異なる系統のPatescibacteria(32-520/UBA5633)が嫌気性廃水処理の中心的役割を担う水素資化性メタン生成アーキアMethanospirillumと共生することを世界で始めて明らかにしたものです。この論文で、Paceibacteria(旧名Parcubacteria/OD1)において宿主を明らかにした2例目の培養報告となります。
 
 この出版によりbioRxivで報告した2系統のPatescibacteriaの培養に関する速報の内容を全て論文として世に出すことができました!また、1報目をアメリカの微生物生態学会の雑誌に投稿したことから、2報目は日本の微生物生態学会誌で論文を出版したいという強い思いもあり、Microbes and Environmentsへ論文投稿させて頂きました。無事に出版されたことは私にとって大切な思い出や記念になると思います。本論文執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2022-10-16 mBioに掲載された論文がNature Reviews Microbiologyのin briefで紹介されました!

 黒田が筆頭・共同責任著者として執筆しmBio(2022年発表IF: 7.786, Q1)に掲載された英語論文「Symbiosis between Candidatus Patescibacteria and Archaea Discovered in Wastewater-Treating Bioreactors」がNature Reviews Microbiologyのin briefで「Cross-domain symbiosis」として紹介されました!
 今回の研究成果は、2022年10月31日〜11月3日にかけて開催される日本微生物生態学会 第35回大会のシンポジウム「培養が切り拓く微生物ダークマターの生理・生態」【11月1日17:00~19:00】で発表予定ですので、ご興味のある方は是非お越しください。また、前回のニュースから重ねてになりますが、本論文は私一人では到底完成させることができませんでした。ここに記して、執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2022-9-10 黒田恭平、景政柊蘭さん、蔵下はづきさん、前田稜太くんが第25回日本水環境学会シンポジウムに参加・研究発表を行いました!

 2022年9月6日〜9月7日に東京大学(対面/Zoomの併用)で開催された「第25回日本水環境学会シンポジウム」に黒田と産総研技術研修員の景政柊蘭さん、蔵下はづきさん、東北大学大学院修士課程1年の前田稜太くんが参加し、ポスター発表を行いました。
 私自身も3年ぶりの学会への現地参加となり、久々にお会いする方も多く、とても楽しい議論をすることができました。また、参加された景政さん、蔵下さん、前田くんも研究発表やディスカッションを対面で行うことで、オンライン発表では得られない貴重な経験を積むことができたのではないかと思います。これからもコロナ禍が落ち着き、学会の現地開催が当たり前となる時代へ戻って欲しいと強く思いました。

【発表題目】
黒田「嫌気性廃水処理反応器のショットガンメタゲノム解析から見出す未知代謝フロンティア」
景政「サイズ分画した活性汚泥より回収したCandidatus Saccharimonadiaの機能解析」
蔵下「環境ゲノム解析を用いた都市下水処理活性汚泥に遍在するMyxococcota門細菌の生態解明」
前田「嫌気性PET原料製造廃水処理汚泥に優占する門レベル未培養系統群の代謝ポテンシャル」
 

黒田恭平
 

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景政柊蘭:第25回日本水環境学会シンポジウム参加報告

 2022年9月6〜7日に東京大学で行われた第25回日本水環境学会シンポジウムにて、ポスター発表を行いました。久しぶりの対面での発表でした。ポスター発表には、分野が異なる方やこれから研究を始めるという方にも足を運んで頂き、研究についてのディスカッションを行うだけでなく、自分の研究をアピールする場にもなったと思います。また、研究内容についてのみならず、進路や近況についても話ができ、互いを知る良い機会になりました。これらは対面ならではの良さであると思うので、今後、対面形式での学会が増え、参加できることに期待しています。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 景政柊蘭

 

蔵下はづき:第25回日本水環境学会シンポジウムに参加して

 9月6日〜7日にかけて東京大学で開催された水環境学会シンポジウムに蔵下はづきが参加しました。久々の現地開催ということもあり、とても緊張していました。ポスター発表の時間は一時間となっており、多くの方に足を運んでいただいたのですが、時間が足らずにお話が出来なかった部分も多くありました。また、他の方の発表から勉強させていただけたのでとても良い経験になったと思いました。久しぶりのスーツとパンプスで筋肉痛になりましたが、他の機関の研究者の方々や博士学生の方とお話する機会を得られ、もっと頑張らないといけないと感じました。今後も様々なことに挑戦していきたいと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 蔵下はづき

 

前田稜太:第25回日本水環境学会シンポジウム参加報告

 9月6日、7日に行われた第25回日本水環境学会シンポジウムに参加し、ポスター発表を行いました。今回のシンポジウムは久しぶりに対面での参加となり、発表では少し緊張もしましたが、多くの方々に研究に興味を持っていただき、良い経験をすることができました。研究内容についてのコメントやアドバイス等をいただけたことも自分にとって非常に有意義なものとなりました。また、他の研究機関や大学の方々の講演や研究発表は大変勉強になりました。懇親会にも参加させていただき、研究者の方々と交流し、様々なお話を聞かせていただく貴重な経験をすることもできて良かったです。11月には微生物生態学会で発表を行う予定となっているため、より一層研究活動を頑張っていきたいと思います。
 

東北大学大学院 修士課程1年 前田稜太

 
 

2022-9-1 東北大学と産総研の共同での研究成果がmBioに掲載されました!

 東北大学との共同での研究成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した英語論文「Symbiosis between Candidatus Patescibacteria and Archaea Discovered in Wastewater-Treating Bioreactors」がmBio(2022年発表IF: 7.786, Q1)に掲載されました!
 本論文はバクテリアの巨大未知系統群の1つであるPatescibacteriaを対象とし、廃水処理反応器から採取した汚泥とメタン生成アーキアを用いて培養を行い、そのゲノム解析や顕微鏡観察を行うことで、Patescibacteria(Yanofskybacteria)が酢酸をメタンに変換するメタン生成アーキアに寄生することを世界で初めて明らかにしたものです。本研究は、バクテリアとアーキアの共生機構という進化的に重要な成果に加え、嫌気性廃水処理の中心的役割を担うMethanothrixの生育に直接的に関与するPatescibacteriaを明らかにした工学的意義も高い成果となっています。
 本論文は、出版までに色々と大変な道のりがありましたが、連名の皆様が支えてくださったお陰で、成果として世に出すことができました!本論文執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2022-8-24 私達の研究が産総研公式Twitterに取り上げられました!

 8/24、19時に成廣研究グループ長と黒田が取り組む廃水処理や微生物培養に関する研究が「産総研公式Twitter」に取り上げられました!

 広報の皆さまがきれいな動画や写真を撮影してくださったお陰で、廃水処理や培養の魅力が分かりやすく伝わる内容となっています。是非、皆様ご覧いただけますと幸いです。
 

黒田 恭平

 

2022-7-21 長岡技術科学大学大学院の蔵下はづきさんがガリレオXに出演します!

 長岡技術科学大学大学院、技術科学イノベーション専攻3年の蔵下はづきさんが、BSフジの「ガリレオX」の「第271回「ウンコを真面目に考える 人糞の歴史と新技術で拓く未来」という題目の放送に出演します!

【放送日】2022年7月24日(日) 11:30~12:00
【再放送日】2022年7月31日(日) 11:30~12:00

 蔵下さんの研究が世間に公表されることをとても嬉しく思います!是非、皆さん本放送をご覧ください!!
 

黒田 恭平

 

2022-7-11 北海道大学、都城高専との共同での研究成果がChemical Engineering Journalに掲載され、その内容についてプレスリリースを行いました!

 北海道大学、都城高専との共同での研究成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した英語論文「Elucidation of the biodegradation pathways of bis(2-hydroxyethyl) terephthalate and dimethyl terephthalate under anaerobic conditions revealed by enrichment culture and microbiome analysis」がChemical Engineering Journal(2022年発表IF: 16.744, Q1)に掲載され、「PET関連物質を酸素の無い環境で分解する微生物を発見-分解の鍵を握る新しい酵素を推定-」という題目でプレスリリースを行いました!
 本論文は酸素の無い環境でPETのモノマーであるBHETやPETの原料である難分解性物質DMTの微生物による分解に成功し、その分解の仕組みを新たに提案したものになります。本研究は、酸素の無い環境でのPET関連物質の分解に対する環境動態の理解へ貢献できると考えています。将来的には、これらの微生物学的情報を用いて新しい処理プロセスを設計し、さまざまな廃プラスチック類を効率的に分解することができる環境調和型廃棄物処理プロセスを創出し、バイオエコノミー社会の形成に貢献したいと考えています。
 本論文は私の指導学生で前田稜太くんとの共著論文でもあり、無事に論文化できたことを非常に嬉しく思っています!本論文執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2022-7-2 黒田が第20回 産総研・産技連LS-BT合同研究発表会へ参加し、第20回LS-BTポスター賞を受賞しました!

 2022年6月28~29日にかけて開催された第20回 産総研・産技連LS-BT合同研究発表会で黒田がポスター発表を行い、第20回LS-BTポスター賞を受賞しました!
 本研究発表会では、「ペットボトル原料製造廃水の効率的処理技術の開発」という題目で、以前のプレスリリースの内容を中心に発表しました。我々の研究成果が社会実装へ繋がることを目指し、これからも研究を進めていきたいと思います!審査員の皆様、本研究をご支援頂いた皆様へ心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 
 

2022-6-19 東北大学大学院の景政柊蘭さん(産総研・技術研修員)と共著の英語論文がMicrobes and Environmentsに掲載されました!

 東北大学大学院の景政柊蘭さん(産総研・技術研修員)と共同筆頭で執筆した英語論文「Diversity of Candidatus Patescibacteria in Activated Sludge Revealed by a Size-‍Fractionation Approach」がMicrobes and Environments(2021年発表IF: 2.912, Q3)に掲載されました!
 本論文は活性汚泥中に存在する極小未知微生物群であるPatescibacteriaを回収し解析・評価する技術を開発したものになります。これらの成果が活性汚泥システムの安定化や理解向上に繋がることを期待したいと思います!景政さん、論文執筆お疲れ様でした!本当におめでとうございます。これからのより一層の活躍も期待しています!
 

黒田 恭平

 

景政 柊蘭:活性汚泥におけるCandidatus Patescibacteriaの多様性に関する論文の出版報告

 廃水処理活性汚泥をサイズ分画したことによって明らかとなったCandidatus Patescibacteriaの多様性に関する論文がMicrobes and Environmentsに掲載されました。これまで行ってきた研究の成果が形になり嬉しく思っております。本論文は英語での初めての執筆であり、英語論文の執筆の難しさを実感しました。本論文の執筆では、中井さん、黒田さんをはじめをはじめ共著者の方々に大変お世話になり、特に考察部分の議論の深め方は勉強になりました。この経験を次の論文の執筆に活かしたいと思います。また、インパクトのある研究成果を発表することができるように今後も精進していきます。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 景政柊蘭

 
 

2022-5-13 鹿児島高専、都城高専との共同研究の成果がWater Researchに掲載され、その内容についてプレスリリースを行いました!

 鹿児島高専、都城高専との共同研究の成果として黒田が筆頭・共同責任著者として執筆した英語論文「High-rate cotreatment of purified terephthalate and dimethyl terephthalate manufacturing wastewater by a mesophilic upflow anaerobic sludge blanket reactor and the microbial ecology relevant to aromatic compound degradation」がWater Research(2021年IF: 11.236, Q1)に掲載され、「ペットボトル原料製造過程における難分解性廃水の効率的な処理に成功-異なる組成の廃水を意図的に混ぜて微生物の相互作用を促進して環境を守る-」という題目でプレスリリースを行いました!
 本論文はペットボトル原料製造過程における難分解性廃水の効率的な処理に成功し、さらに 難分解成分の一つ、オルソフタル酸の微生物分解の仕組みを新たに提案したものになります。将来的には石油化学プロセスから排出される廃水に含まれる難分解性化合物を効率的に分解することができる環境調和型廃水処理プロセスを創出し、バイオエコノミー社会の形成に資することを目指します。
 本論文は私の指導学生である蔵下はづきさん、山口陽香さん、新島二葉さん、吉田実桜さんとの共著論文でもあり、無事に論文化できたことを非常に嬉しく思っています!本論文執筆にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 

黒田 恭平

 

2022-5-6 北海道大学大学院の小野寺岳史郎くんが1年間の技術研修を終了しました!

 2021年3月〜2022年3月にかけて北海道大学大学院の小野寺岳史郎くんが技術研修員生として産総研北海道センターの微生物生態工学研究グループで研修を行いました。小野寺くんは「道内河川における病原および薬剤耐性遺伝子の分布」を主な研究テーマとして、菌叢解析やショットガンメタゲノム解析を学び、様々なバイオインフォマティクス技術を習得しました。小野寺くんは自学自習を積極的に行うことで、ある分野では私以上の知識や技術を得ていました。小野寺くんなら就職してからもどこでも活躍できる人財だと思います。私が頼っていた部分もあり寂しくなりますが、また遊びに来てくれることを楽しみにしたいと思います。小野寺くんのさらなる成長と、今後の活躍を期待しています!
 

黒田 恭平

 

小野寺岳史郎:技術研修報告

 2021年3月から2022年3月の約1年間にわたり,産業技術総合研究所北海道センター生物プロセス研究部門微生物生態工学研究グループで,技術研修員としてお世話になりました.本研修では,黒田研究員の指導の下で次世代シークエンサーから得られたデータの解析方法を学びました.また菌叢解析を行うための準備を,テクニカルスタッフの時沢様,榎原様にも指導していただき行いました.本研修を通して,次世代シークエンサーを用いた解析の流れとその原理を理解することができ,私も,私の所属する研究室も新たなステージへ進むことができたと思います.他にもここでは表しきれないほど多くの技術や考え方まで学ぶことができました.今後は直接研究に携わる立場ではなくなりますが,この貴重な経験で得た知識・技術・考え方を応用して,もっともっと新たなステージへ踏み込んでいけるように邁進してまいります.最後に,直接ご指導いただいた黒田様,時沢様,榎原様には大変お世話になりました.さらに成廣研究グループ長,富田研究員ならびに本研修の期間に関わった全ての皆様に深く感謝申し上げます.またどこかで皆様とお会いできることを楽しみにしております.誠にありがとうございました.
 

産業技術総合研究所 技術研修員 小野寺岳史郎

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2022-4-23 蔵下はづきさん、小野寺岳史郎くん、新島二葉さん、前田稜太くんが第56回日本水環境学会年会(2021年度)に参加・研究発表を行いました!

 2022年3月16日〜3月18日にオンラインで開催された「第56回日本水環境学会年会(2021年度)」に産総研技術研修員の蔵下はづきさん(当時:長岡技術科学大学GD2)、小野寺岳史郎くん(当時:北海道大学M2)、新島二葉さん、前田稜太くん(当時:都城高専専攻科2年)が参加し、研究発表を行いました。蔵下さんと小野寺岳史郎くんは口頭発表、新島さん、前田くんはポスター発表を行いました。
 今年は昨年度よりも色々な議論ができたようで、4人共充実した学会参加になったみたいで本当に良かったと思います。結果として、新島さん、前田くんが「年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)」を受賞することが出来ました!私の直接の指導学生は都城高専から全員卒業しましたが、充実した研究生活を送れたのではないかと思います!今後の3人の活躍を期待したいと思います。お疲れさまでした!
 

黒田恭平
 

mizukan2022
 
 

蔵下はづき:第56回日本水環境学会年会参加報告

 3月16日から18日かけて開催された水環境学会で蔵下が発表を行いました。本年度はクリタ賞の選考から外れてしまい、口頭発表のみでの参加となりました。当日の発表では、私の発表に対するご質問が多く、多くの方に関心を持っていただけたのだと感じました。クリタ賞の一次選考に選ばれず、正直なところ焦りや不安等を感じていたのですが、自分の研究の方向性自体は間違っていないと思いました。また、本学会を通じてこれまでの自分を見直す良い機会にもなりました。今後も精進し、良い方向性にむかっていけたらと思います。
 

産業技術総合研究所 技術研修員 蔵下はづき

 

新島二葉:第56回日本水環境学会年会参加報告

 3月16日から18日にかけてオンラインで開催された第56回日本水環境学会年会に参加しました。ポスターはオンライン会場に掲載され、当日はショートプレゼンテーションと質疑応答を行いました。今回の発表は、解析や考察において難しい部分もありましたが、ライオン賞を受賞することができました。また、最後の学会ということもあり、今までの中では最も落ち着いて質疑応答を行うことができたかなぁと思いました。一度中断したDPANNアーキアに関する研究をもう一度行うことができ、さらにはこのような素晴らしい賞を受賞することができて非常に嬉しいです。激励の言葉を下さった黒田先生をはじめ、共著者の皆様に深く感謝申し上げます。
 

都城工業高等専門学校専攻科2年(2021年度当時) 新島二葉

 

前田稜太:第56回日本水環境学会年会参加報告

 3月16から18日にオンラインで開催された第56回日本水環境学会年会に参加し、ポスター発表を行いました。今回の学会では初めて廃水処理に関するテーマで発表を行い、慣れない部分や勉強不足な点もありましたが、昨年に引き続きライオン賞を受賞することができました。高専生活最後の学会で賞をいただくことができて本当に良かったです。産総研の黒田先生、都城高専の野口太郎先生をはじめ、研究をご指導していただいた皆様に心から感謝申し上げます。また、今回の学会では、本科5年生の時から3年間一緒に研究を行ってきた新島さんもライオン賞を受賞しており、最後に2人で受賞することができたことも良かったです。
 私は4月から大学院へ進学しますが、今回の学会は多くの大学の修士、博士の学生による発表を見て勉強する非常に良い機会になりました。来年度も賞を受賞することができるように頑張りたいと思います。環境は変わりますが、大学院では今以上に研究活動に励んでいきたいです。
 

都城工業高等専門学校専攻科2年(現東北大学大学院所属) 前田稜太

 
 

2022-4-9 新島二葉さんが高専機構学生表彰理事長賞を受賞しました!

 都城高専専攻科物質工学専攻2年(当時)の新島二葉さんが、令和3年度の研究業績を評価され高専機構学生表彰理事長賞を受賞しました!新島さんは、令和3年度にImpact factor 5以上の国際誌の査読付論文1報(共同筆頭著者)を発表し、国内学会でポスター賞を受賞しています。先輩から続いて4年連続の高専機構学生表彰理事長賞受賞ということと、新島さんが学生生活の最後で受賞できたことは本当に良かったです。これからの新島さんの企業での活躍に期待したいと思います!本当におめでとうございます!!

黒田 恭平

 

新島二葉:「令和3年度高専機構学生表彰理事長賞」受賞報告

 この度は、高専機構学生表彰理事長賞という名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。専攻科での2年間は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で学校に行けない日も多くありましたが、先生方が解析やオンライン学会などの機会を与えて下さったことにより、自宅でも非常に充実した日々を過ごすことができました。研究活動を支えて下さった黒田先生、都城高専の野口先生をはじめ、共同研究者の皆様に深く感謝申し上げます。来年度からは社会人となりますが、今まで教わってきた知識と謙虚な姿勢を忘れずに精進します!
 

新島 二葉

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2022-4-2 HPを令和4年度仕様に変更を行いました!

 令和3年度は大変お世話になりました。令和4年度も引き続き我々の研究についてご支援頂けると幸いに存じます。今後ともどうぞ何卒よろしくお願い申し上げます。

黒田 恭平