Development of an MR Compatible Manipulator for the Intraoperative MRI ○ 鎮西清行,鷲尾利克,山田幸生,井原一郎*,村田良司*,波多伸彦**, Ron Kikinis**, Ferenc A. Jolesz**, Rajesh Kumar***, Russel H. Taylor*** 工業技術院機械技術研究所,東京理科大理工学部*, Dept. Radiology, Brigham & Women's Hospital**, CISST, The Johns Hopkins University*** Development of an MR Compatible Manipulator for the Intraoperative MRI ○ Kiyoyuki Chinzei, Toshikatsu Washio, Yukio Yamada, Ichiro Ihara*, Ryoji Murata*, Nobuhiko Hata**, Ron Kikinis**, Ferenc A. Jolesz**, Rajesh Kumar***, Russel H. Taylor*** Mechanical Engineering Laboratory, AIST, Fac. Science & Technology, Science Univ. of Tokyo*, Dept. Radiology, Brigham & Women's Hospital**, CISST, The Johns Hopkins University*** Key Words: MR compatibility, intraoperative MRI, surgical assist manipulator, susceptibility, homogeneity [Abstract] A surgical assist robot/manipulator optimally designed for the intraoperative MRI is proved to be MR compatible. The main body is placed above surgeonユs head so that it does not block the surgeon accessing the patient. The end effector contains neither delicate mechanical parts nor sensors, and is exchangeable and sterilizable. The motion of the robot does not give any adverse effect to the imgaing, in terms of signal per noise ratio and the magnetic inhomogeneity. [はじめに] 我々は手術用MRIと統合された手術支援ロボット/マニピュレータを中心とする手術計画・ナビゲーション統合システムの開発を進めてきた.このほど工技院を中心に開発した手術支援ロボット/マニピュレータ機構を手術用MRI装置に設置して試験動作に成功したので報告する. [構成] 本機構は,視覚的なナビゲーションにくわえてより積極的で直接的なナビゲーション・手術支援を実現するものである.本システム全体は,手術用MRI,光学式3次元座標計測器,本機構,ソフトウェアと高速ネットワーク接続コンピュータからなる. ● 手術用MRI(GEMS Signa/SP)…1.5テスラの超電導磁石が55cmの間隔にて平行に配置されている.磁場は撮像部で0.5テスラである.光学式3次元座標計測装置が中央上部に組み込まれている.2名の執刀医が立位にて作業可能である(1). ● 機構…機構本体は執刀医の頭上に固定され,ここからアームを作業部に伸ばす.これにより,執刀医の作業空間を極力邪魔しない構成になっている.アーム先端部は着脱交換による機能拡張が可能になっている.また滅菌性・洗浄性の確保が容易である. ● ソフトウェア…医用画像処理・表示統合環境ソフトウェア(2)を拡張してロボット動作に関するユーザインターフェースをグラフィックス上のナビゲーション機能と統合している. [MR Compatibility] 本システムの最大の特徴は,ロボットの動作がMRIの画質に影響を与えずかつMRIの動作からロボットの動作が影響を受けないことにある.ある機器がMR compatibleであるためには, ● MR環境下にて安全を損なわない (MR safe), ● 機器の機能がMRIの画質に悪影響しない, ● MRIの撮像時に機器の機能が影響を受けない, の各条件を満たす必要がある.また撮像中心からの距離,撮像時に使用(動作)するか,撮像時に患者に接触するかどうかなど使用環境を考慮する必要がある(3).  対策としては,撮像部の磁場の歪み,誘導電流およびこれによる発熱,共鳴信号受信・増幅回路へのノイズ,RFパルスの電気回路への混入を許容範囲内に抑えることを考える(4,5).  本機構は,アーム先端が撮像中心から20〜40cmに,機構本体が70〜150cmの距離に位置して,撮像時にも動作することを設計条件として,以下の対策をとった(6). ● 構造部材…樹脂,チタンなどの常磁性材料を用いている. ● 受動機構部品…セラミックスやベリリウム銅などの磁化率が小さく表面硬さが高い特徴を持つ部品を用いている. ● モータ…超音波モータを使用している.保持トルクが強大で別途ブレーキを設けることなく電源断の際の姿勢保持が可能である. ● センサ…位置センサなどを装備しているが,センサからの信号は光ファイバにてMRI機械室まで導かれ,そこで電気信号に変換されている. [MR Compatibility試験] 本機構を手術用MRI装置に設置して動作させながら球形ファントムを撮像,画像のS/N比と画像に現れた磁場の不均一性を評価した.前者は画像のファントム部分の画素値の平均を背景部分の標準偏差で除したもの,後者は傾斜磁場を加えずに得た共鳴スペクトルの半値幅で評価する.  図2に本機構無しと本機構を設置し1軸動作させた状態で得たファントム画像を示す.画像に見る限り変形,シフト,明度の不均一などは無い.S/N比は1.6〜1.8%低下した.S/N比の低下は10%が許容幅とされるので問題にならない.また,磁場不均一性は本機構無しで0.45 ppm,本機動作中に0.52 ppmであった.被験者をおいただけで1.4 ppm程度の不均一が出るので,十分許容範囲といえる. なお,撮像に伴う本機構の動作異常,誘導電流による発熱は主観的観測では認められなかった.これらについては定量計測により今後明らかにする. [まとめ] MR compatibilityを維持するための配慮のもとにロボット/マニピュレータ機構を設計試作し,その動作が画像撮像に影響を与えないことを明らかにし,定性的にMR safetyと画像撮像から動作に影響を受けないことを確認した.今後は手術支援システムとしての完成度を高めていく. [謝辞] 本研究は,主に通産省工技院の研究制度「手術マニピュレータ制御情報の術中実時間生成/更新の研究」,「オープンMRI下の次世代診断・治療システムの研究」,「MRI環境下セミアクティブホルダーの研究」にて実施して,米国側ではNSF ERC "Computer Integrated Surgical Systems and Technology" #9731748などにより実施しています. [参考文献] 1) Schenck, J.F., Jolesz, F.A., Roemer P.B., et. al.: Superconducting Open-Configuration MR Imaging System for Image-Guided Therapy. Radiology, Vol. 195, No. 3, pp. 805-814 (1995). 2) Gering, D.T., Nabavi, A., Kikinis, R., et. Al.: An Integrated Visualization System for Surgical Planning and Guidance Using Image Fusion and Interventional Imaging. proc MICCAIユ99 Lecture Notes on Computer Science Vol. 1679, pp. 809-819 (1999). 3) GE Medical Systems (ed): MR Safety and MR Compatibility: Test Guidelines for Signa SPェ. http://www.ge.com/medical/mr/iomri/safety.htm October (1997). 4) Schenck, J.F.: The role of magnetic susceptibility in magnetic resonance imaging: MRI magnetic compatibility of the first and second kinds. Med. Phys. Vol. 23, No. 6, pp. 815-850 (1996). 5) 鎮西清行, 本間一弘, 井原一郎, "MRI Compatibilityを有する機械機構," 第7回日本コンピュータ外科学会予稿集, pp. 135-136 (1998). 6) Chinzei, K., Kikinis, R., Jolesz, F.A.: MR Compatibility of Mechatronic Devices: Design Criteria. proc MICCAI'99 Lecture Notes on Computer Science Vol. 1679, pp. 1020-1031 (1999). Fig. 1: The surgical assist robot/manipulator main body. Fig. 2: Phantom scans without robot (control; left) and with maneuvering robot (right). Visible image shift, distortion and loss of image quality were not observed. The SNR loss was 1.6 ~ 1.8 %, which was much lower than the limit of acceptable loss 10%. The inhomogeneity of the magnetic field caused by the robot motion was 0.52 ppm while that of the control was 0.45 ppm. It was lower than the effect by the patient body 1.4 ppm.