2002年12月の三宅島現地調査

■ 日程:2002年12月2日から6日
  調査実施:伊藤順一・下司信夫
■ 目的:2000年8月29日以降の比較的規模の小さな噴火活動(の推移)の把握
■ 陥没火口周辺部において,火山灰調査を行うことで2000年8月29日以降の比較的規模の小さな噴火堆積物の把握に努めた.特に天然の火山灰トラップとなっていると期待されるスオウ穴においては,塩ビパイプを用いた湖底堆積物の連続試料の採取を試みた.

■ 2000年8月29日噴出物の上位(豆石ユニットの上位)を,ピンク色を呈する細粒火山灰互層が覆うのを確認した.二次堆積物と思われる砂層を挟在することから,噴火休止期を挟む断続的な噴火活動の産物と考えられ,2000年8月29日以降の活動に対応するものと考えられる.

 今後,構成物分析を行う.

 東京都災害対策本部,気象庁のご協力を得ました.特に,気象庁地震火山部の中堀さんにはスオウ穴周辺での調査において,大変お世話になりました.また,地質調査総合センター古川竜太さんには,塩ビパイプを用いた試料採取法についてお教えいただきました.記して感謝申し上げます.

 

三宮林道A点よりやや上部で観察された火山灰層.
不淘汰な堆積物の上位を,火山豆石からなる降下火山灰層が複数枚覆う(ここまでが2000/8/29噴出物か?).最上部には薄ピンク色-白色火山灰層と小豆色火山灰層の互層からなる.
スオウ穴南岸で観察された火山灰層.複数の火山豆石降下火山灰の上位を,二次堆積物を間に挟む薄ピンク色-白色火山灰互層が覆う.

スオウ穴南岸.植生は破壊され,地表部は火山灰により覆われている.

スオウ穴湖岸にパイプを打ち込み,試料を採取する.表層部の細粒堆積物を抜け,2000/8/29堆積物に到達すると,急に柔らかくなる.

実験室に持ち帰った塩ビバイブをバンドソーで半割する(2試料分).火山灰が酸化されておらず,青色を帯びた暗灰色を呈する.

カッティングサンプルの観察中.湖岸地表部で観察した路頭柱状と比較.