Synthetic dataの詳細
微動の場は次の条件を満たすとしてこのsynthetic dataをつくりました。
1)微動の波動場(シグナル)の特徴
・微動の場は表面波(レーリー波とラブ波)が卓越する。
・波は平面波としてアレイに到来する。
・波動場は時間・空間的に定常である。
・レーリー波とラブ波は互いに無相関である。
2)レーリー波・ラブ波の位相速度
与えたレーリー波、ラブ波の位相速度は次の図のとおりです(それぞれ赤、緑)。
3)レーリー波・ラブ波の到来方向とパワー
レーリー波、ラブ波を平面波として下の図のようにアレイに入射させました。レーリー波、ラブ波ともにそれぞれ各方向から同一パワーで到来するとしましたが、レーリー波とラブ波はパワーが異なるとしました。具体的には、レーリー波とラブ波のパワー比を4:1としました。またレーリー波の水平動と鉛直動の振幅比(ここではR/Vと呼ぶことにします)は1:10と設定しました。これらの設定はいずれも周波数によらず一定としました。
4)ノイズ
レーリー波・ラブ波のシグナルには次のような性質を持つインコヒーレント・ノイズを加えました。
・異なる設置点間のノイズは互いに無相関である。
・時間的に定常である。
・シグナルと無相関である。
SN比をUD, NS, EW成分ともに100としてノイズのパワーを計算し、レーリー波、ラブ波で構成されるシグナルに加えました。なお本マニュアルにはNS比という用語が頻出しますが、これはSN比の逆数のことです.