SPAC法
微動探査法の位相速度の解析法の1つです。
位相速度の解析法には、大きく分けてCapon法(FK法とも呼ばれる)とSpatial Autocorrelation法(空間自己相関法、SPAC法)の2種類があります。空間自己相関法は安芸敬一により1957年に、Capon法はJ. Caponにより1969年に、それぞれ発表されました。その意味では空間自己相関法のほうがクラシックな方法ですが、微動探査法としての実用化は北海道大学の岡田廣らのグループ(論文としては1983〜200?)や東京大学の工藤一嘉らのグループの活動を待たなければなりませんでした。空間自己相関法がSPAC法という愛称?で呼ばれるようになったのも彼らの活動以降です。
SPAC法には微動アレイを円形にしなければならないという厳しい制約(デメリット)がありますが、アレイサイズに対してけっこう長い波長の波を解析できるという特徴(メリット)があります。また円形アレイを構成する地震計の数は少なくできて、究極的には中心点と円周上の一点でも良い!?というアイデアもでてきました。私たちもこのアイデアの理論的枠組み作りを志して、近年論文を発表することができました(引用文献[9])。
国際論文の出版状況からは、1990年代中盤以降、SPAC法は世界中で認められるようになってきたように見えます。