インピーダンス分光

産総研
研究者 山脇浩 > インピーダンス分光

インピーダンス分光

  • インピーダンス分光とは


  • 高圧固相におけるイオン伝導度計測

  •     ・ イオン伝導度計測
        ・ 測定例
            プロトン伝導体
            リチウムイオン伝導体



    インピーダンス分光とは

    物質や界面の電気的特性を様々な周波数に対するインピーダンスとして測定し、スペクトル解析を行う方法

    インピーダンス(交流抵抗)  Z = ΔV / ΔI = Z’ + i Z”
      Z’ : 実部、 Z” : 虚部  (単位:Ω)


    インピーダンス分光の使用例
      デバイスの劣化解析  ---  Mobility, 接触抵抗
      電極反応の解析  ---  電池、腐食、メッキ
        など


    高圧固相におけるイオン伝導度計測

    固体イオン伝導体のイオン伝導度は、交流インピーダンス測定により求めることができる。

    固体イオン伝導体は、イオンが電荷キャリアとなり、固体内を移動する。

    固体イオン伝導体

            第46回高圧討論会発表資料より抜粋


    電池、センサーなどの固体電解質として応用が検討されている。

      燃料電池 --- プロトン(H+)伝導体
      Liイオン電池 --- リチウムイオン(Li+)伝導体



    固体イオン伝導体の等価回路は左下図のようになっており、
    交流インピーダンス測定で得たデータを Nyquist plotすると右下図のような半円形を示す。

    イオン伝導体の等価回路
           第46回高圧討論会発表資料より抜粋


    イオン伝導率は、次式のようになる。
    σ = L/S (1/R)
       ここで、 L : 試料長, S : 試料断面積
    L/Sの変化は小さいと仮定し、Rの変化を測定すれば、イオン伝導率の相対変化を求めることができる。


    測定例

    DAC中に電極を配置し、イオン伝導度の圧力変化を測定した例は、下記の文献

    プロトン伝導体

    ・CsHSO4
       H. Yamawaki et al., J. Phys. Chem. Solids 76 (2015) 40-44. DOI:10.1016/j.jpcs.2014.07.015

    ・Rb3H(SO4)2
       H. Yamawaki et al., Solid State Ionics 181 (2010) 567-571. DOI:10.1016/j.ssi.2010.02.025

    リチウムイオン伝導体

    ・LiBH4
       H. Yamawaki et al., J. Phys. Chem. Solids 76 (2015) 40-44. DOI:10.1016/j.jpcs.2014.07.015

    ・Li4(BH4)(NH2)3
       H. Yamawaki et al., Solid State Ionics 262 (2014) 490-494. DOI:10.1016/j.ssi.2013.11.027