ダイヤモンドアンビルセルって?

数万気圧以上の圧力を発生させる高圧セルとしてダイヤモンドアンビルセルが使われています。 その名のとおりダイヤモンドが使われています。これはダイヤモンドが世界一硬い物質であり、 高い圧力をかけた状態を封じ込む時の大きな力を支えることができるからです。 また、ダイヤモンドは透明で光を良く通すので、圧力のかかった内部の様子をダイヤモンドの窓越しに観察することができます。

どのくらいの圧力が出せるの?

100万気圧以上の圧力が出せます。これは地球のマントル上部や、木星などの大気上層部の圧力に相当します。 100万気圧はとてつもない圧力ですが、惑星の中の物質の状態を知るには もっともっと高温高圧を実験室で出せるようになることが必要でしょう。

冷たくない氷?

私たちがよく目にする氷は水を冷やして固まらせたものですが、 水は冷やさなくても圧力をかけることでも固まります。 これは水の状態図を見てわかるように、融点が圧力とともにいったんは下がりますがその後反転して上昇するためです。一万気圧では融点が室温まであがります。つまり、高圧下では冷たくない氷が作れるのです。

ダイヤモンドは消耗品?

世界一硬いダイヤモンドも超高圧下では変形します。そして、50〜60万気圧を越えると塑性変形といって圧力を抜いてももとの形には戻れなくなります。しかし、圧力がかかっているのはダイヤの試料部側だけでセルの外側を向いている方は一気圧のままです。 このため、圧力を抜くとダイヤの表側と裏側でひずみが生じて割れてしまいます。 ミクロンサイズの細かいダイヤモンドパウダーは研磨剤として非常に役立ちますが、中途半端に割れてしまったダイヤモンドには 何の価値もありません。もともと単なる炭素の一形態にすぎませんからね。(実験に使うダイヤモンドには不純物が入っていて最初から宝石としての価値はありません。)

ダイヤモンドの色

宝石用のダイヤモンドはもちろん無色透明ですが、不純物などの入り具合で 色がついたダイヤモンドがあります。 実験で使うのは、Type Ib(X線測定・ラマン散乱測定用)かType IIa(赤外測定用)のダイヤです。

種類 不純物 ダイヤの色
type Ib 窒素を不純物として含む 黄色
type IIa 窒素等の不純物をほとんど含まない 無色透明



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h.yamawaki@aist.go.jp