研究テーマ > 歩行分析

研究背景と目的

歩行

現在の日本は高齢化率(全人口に対する65歳以上の割合)が23%を超える超高齢社会であり,今後も増加して いくと予測されています.そのため,高齢者の健康維持は非常に重要であり,日常における身体活動が寝たきり や死亡を減少させる効果があると示されています.特に,歩行動作は人間の最も基本的な動作の1つで,歩行 動作の改善は高齢者のQOL(Quality of Life)の向上や運動機能の回復において多大な影響を与えます.
歩行動作の改善は日常的に行う必要がありますが,専門的な知識を持たない場合,自身で行うことは困難です. 従来,歩行動作の改善は理学療法士による観察や装置を用いた方法から歩行動作を分析し,その結果をもとに行われ ます.理学療法士による動作分析は,患者の歩行等の様子から間接の動きや体のバランスなどに注目し,経験や勘 に基づいて行われます.また,装置による動作分析は,モーションキャプチャや動作筋電計などを用いて骨格や筋 肉の動きを計測し,これらのデータを解析する手法です.しかし,これらの手法には施設に通うために身体 的・金銭的な負担がかかる,システムの扱いが複雑である,歩行動作時に器具の装着等により被験者に身体的な 制限がかかる,機材が高価なため治療目的など現場において利用されづらいといった課題がありました.
そこで、本研究では日常的に歩行動作の改善を行うため,ビデオ映像を用いた安価で簡便な動作分析手法の実 現を目指します.具体的には,歩行動画像から抽出した立体高次局所自己相関(CHLAC)特徴に基づくパターン認識 技術による定量的評価手法を提案します.

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手法

歩行動作を評価する項目として「歩行速度」「関節角」「姿勢」「歩幅」「左右バランス」など様々なものがありますが, 「歩行速度」と「左右バランス」について紹介します.

歩行速度の定量化
速度は歩行の中でもわかりやすく重要な評価指標の1つです.普段に比べて歩行速度が遅いことがわかると, 身体のどこかに負担が掛かっているのではないかなど推測することができます.
実験では,ある被験者の速い歩行遅い歩行 を定量化しました.
速度
速度
左右バランスの定量化
今回は歩行動作における左右のバランスを「歩行1周期(片足が着地してからもう一度同じ足が着地するまでの時間)の前半と後半における違いの大きさ」と定義しました.これにより上記歩行速度の実験 と同様のカメラアングルにより撮影した動画像を利用することができるようになりました.
実験では,左右バランスが良い被験者左右バランスが悪い被験者 の動画像からそれぞれの歩行動作を定量化しました.結果のグラフは,値が大きいほど左右バランスが悪いことを示ます.下の画像から 左右バランスが悪い被験者は明らかに左右の腕の振りの大きさが異なる歩き方をしていることがわかります.
バランス
バランス
立体高次局所自己相関(CHLAC)特徴とは?
・動画像内の位置に依存しない
・人の関節などをトラッキングする必要がない
・積和演算のみであるため計算コストが少ない
 ⇒歩行分析のシステムに向いています
CHLAC
CHLAC特徴量

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成果発表

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