著者による約20年のロボット研究歴:なぜ/いかに研究したかの紹介
卒論テーマ「筋電制御大腿義足WLP-5の開発」(故加藤一郎研究室)
ロボットというよりも福祉機器:実用化を見据えた研究
義肢:見かけ,コストの重視→低コストで高機能の実現をめざす.
(加藤研究室:1978年「筋電制御前腕義手WIMEハンド」によるノウハウ)
装着者の意図を筋電位から読み取り,膝関節のダンピングファクターを変える.
著者による「人間共存型機械」の出発点
(万人向けの人間工学的設計 → ×真の人間親和性)
大学院進学「鍵盤楽器演奏ロボットの開発」の開始(1981年)
(1973年 WABOT(WAseda roBOT)グループの結成,世界初の人間形ロボットWABOT-1の開発)
その後約10年の経過,16bitマイクロコンピュータの登場などさまざまな技術革新
→ WABOTグループの再結集,新しい人間形ロボットの開発
視覚のグループ:市販楽譜から点字楽譜を自動生成する研究 → 音楽演奏ロボット
加藤研究室:手足の運動系を担当
将来の家庭で人間を補佐するロボット:
産業用ロボットには備わっていない巧みさが必要(多自由度の指と腕を巧みに操れる機能)
研究目的達成の方法 → 鍵盤楽器演奏作業
WABOT-2の特徴:歌声に合わせた伴奏(人の歌声のピッチと標準楽譜を比較,伴奏の音程を変える)
プロジェクト開始1年後:つくば科学万博(1985年)の日本政府テーマ館に参加が決定
研究テーマの期限:共同研究開発企業と綿密なスケジュール管理をしつつ研究の進行(完成:万博開幕6ヶ月前)
超複雑システム(非常に多い自由度,人間とほぼ同じ大きさのために指や腕のメンテナンスは大変,使用マイクロコンピュータ数は約80,ソフトウェアも膨大)
もし万博がなかったら,WABOT-2は本当に完成していたかどうか?
理論構築以上に,適切なハードウェアをいかに構築するかが重要
WASUBOT(WABOT-2万博版):6ヶ月間毎日5分おきに演奏,稼働率は95%以上
理論がなし得た結果というよりも,ハードウェアの設計を重視したシステムインテグレーションの成果
WABOT-2以後→ヒューマノイドプロジェクトとして発展
→ 人間の直ぐ傍で人間と一緒に作業ができるロボットのメカニズム
実際にロボットを作っている研究者は必ずしも多くない.
… まともに動く高機能で独自のロボットを作る(設計する)ことが非常に難しいから.
人間共存の研究 → シミュレーションでは不十分.
安全を考慮した機構と制御の評価:実際のロボットが不可欠.
ハードウェアを意識して実用化に近づいた人間共存型ロボットをめざす → Wendy
次の課題:Wendyをベースにした売れるロボットのための設計を考える.