30有余年にわたる数多くの研究開発にもかかわらず,知能ロボットが身の回りで実際に使われている例は皆無に近い.
→
原因を探る必要研究者側でこのような隘路を打破する可能性のある動きをすべきことを提唱する.
1970年代〜80年代:大手電機メーカー各社によるロボットの研究開発
現在:知能ロボットの事業化の失敗
→ 企業の知能ロボット研究開発チームの解散大学の研究室:ロボットの研究はますます盛ん
人間や動物の機能をモデルとしたとき, 興味深い研究テーマは無限に近く設定できる.
知能ロボットの現状:
科学技術分野の学問や技術:
具体的な現象や実験結果と,それに対する理論的考察・展開とのキャッチボールによって発達
工学技術の場合:
先ず「もの」が作られて使われ始める
→ 理論的・学術的な考察や実験が加わって問題点の解明と指針の提示がなされる → 改良が加えられた「もの」が再び作られ, 使われるこのプロセスの繰り返し → 改良と普及,知識や手法の体系化,関連する新製品や学問の派生
例:船舶, 自動車, 鉄道, 飛行機などの大型機械
例:ラジオ, テレビ, コンピュータなどのエレクトロニクス機器
ロボットの場合?(産業用ロボットを除くいわゆる知能ロボット)
… いっこうに実際に使用される「もの」が出てこない.
原因:人間というきわめて強力なライバルの存在
人間の入り込めない環境において活動する極限作業ロボット?
… 実用化されたとしても, 製作される数はごくわずか.
もっと数の見込める分野で実用化を図りたい.
ロボット研究において重要な点
実用化を意識した研究とは? =「コスト・パフォーマンスの高い研究」
通常のロボット研究者:「パフォーマンスの向上」を追求.
逆にたとえば「コストを下げる」研究もターゲットに大いになりうる.
パフォーマンスの向上
・機能の向上のみでない:安全で信頼性の高いこと … 実用上重要
大学の研究室でも, もっと安全性や信頼性の向上を研究ターゲットとして意識すべき.
(例:レストラン用サービスロボットの開発・納入)
著者らと民間企業数社の産官学協同研究グループによる.
実用性:コストの圧縮, 安全性・マンマシン対話機能の向上.
開発の意図:まずは知能ロボットを実際に人と混在する場で使う.
(製作→改良→…
のサイクルを体現)
知能ロボットの実用化を図るための従来と異なる研究開発方式を提案
実用化の必要なロボット研究開発テーマ例:
ロボットは技術として生き残れるか否かの瀬戸際にある.
いつまでも夢だけを売っているわけにいかない.
産業技術にならない限り, 技術の深化はありえない.
知能ロボットの実用化を最重要テーマとして掲げるべき.
そのために有効と思われる研究開発方式について述べた.