●カーボンナノチューブ研究:片浦のページに戻る
このページは、「光学」30巻2号(2001) pp. 105 - 110 に掲載された記事の原稿を公開したものである。

カーボンナノチューブの光吸収とラマン散乱
片浦弘道

東京都立大学大学院理学研究科物理学教室
〒192-0397東京都八王子市南大沢1−1

1.はじめに
カーボンナノチューブは,1991年に,その名付け親であるNEC(現名城大)の飯島により希ガス中カーボンアークの陰極堆積物の中から電子顕微鏡観察によって発見された1).ナノチューブとは,sp2結合による2次元グラフェンシートでできた,継ぎ目の無いまさにナノメートルサイズの筒である.最初に発見されたナノチューブは,多層ナノチューブ(Multi-Walled carbon Nanotube: MWNT)と呼ばれる物質で,数層から数十層の直径の異なるチューブが同心円に積層した構造をとっていた.その後,図1に示すような壁の数が一つの単層カーボンナノチューブ(Single-Wall carbon Nanotube: 以下SWNT)の発見2, 3),およびその高純度合成4),大量合成の成功5)により,物性測定に適した試料が入手できるようになり,実験的研究が盛んに行われるようになった.一方,理論的研究はナノチューブ発見当初から盛んに行われており,SWNTの物性研究が始まったころには,その物性はほぼ理論的に予測されていた6, 7).この事情は現在でもあまり変わりがなく,理論的研究が先行するというやや特殊な事情が続いている.
筆者のような物理屋から見れば,1次元構造に由来する物性に興味があるが,sp2結合からできたナノメートルサイズの棒として見れば,応用も大いに期待できる.理論強度は,現存する物質の中で最も強靭であり,しかもしなやかで軽量である8).AFMのプローブとしてはまさに桁違いの性能を示し,バイオテクノロジーへの貢献は極めて高い 9).また,ナノメートルサイズの電子デバイスも実現されている10,11).先端の曲率を生かした電界電子放出源としての応用もあり,製品化されつつある12).リチウムイオンバッテリーの素材13),水素吸蔵素材としての応用など14),吸蔵能の高さも期待されており,実現すれば次世代のエネルギー産業を塗り変えるパワーを秘めている素材である.
本稿では,SWNTの電子構造について簡単に解説し,光吸収やラマン散乱がSWNTの評価,物性探査にいかに強力なツールと成りうるかについて解説する.
Figure-1
図1:(8,8)単層カーボンナノチューブの分子模型 

2.ナノチューブの電子構造と振動モード
 光学的性質を議論するための準備として,SWNTの電子構造を考える.詳しいことは専門書8, 15)をご参照いただくとして,ここでは必要最小限のことについて示す.
まずナノチューブの構造を定義するところから始める.図2に示すように,グラフェン六角格子の原点と任意の格子点(n, m)を重ねるようにシートを丸めると,SWNTができる.このとき,原点と格子点を結ぶベクトルCh = n a1 + m a2をカイラルベクトルと呼ぶ.カイラル指数(n, m)でSWNTの構造は一義的に決まり,これがナノチューブの名前として使われる.SWNTの軸はカイラルベクトルと直交する方向となる.図2に示すように,指数が(8,8)や(14,0)の場合,SWNTは螺旋にならないが,それら以外のSWNTは螺旋型になる.チューブ開放端の構造的特徴から,(n,0)型のSWNTをジグザグ型,(n,n)をアームチェアー型と呼ぶ15)
 さて, SWNTの電子構造は2次元グラフェンシートのバンド構造を基本として考えることができる.SWNTは筒型の構造をとるため,波動ベクトルkの円周方向成分は周期境界条件,
Chk = 2πq (q = 1, 2, ….)
を満たす必要がある.円周方向の波動関数はこの条件により量子化され,チューブ軸方向の波動ベクトルのみが連続的となり1次元のバンド構造となる.図3に(10,10)チューブの場合に許容となる波動ベクトルとtight-bindingで計算したバンド構造を示す.これは,2次元グラフェンのバンド構造をチューブ軸方向に平行な直線で,等間隔にスライスした図に相当する.グラフェンのバンド構造は,伝導帯と価電子帯がK点(K'点)で接する半金属構造をとるため,スライスする直線がK点(K'点)を通ればSWNTはフェルミレベルに有限の状態密度を持つ金属となるが,K点を通らなければ,ギャップが生じて半導体となる8).これは単純なルールで決まり,カイラル指数(n, m)に対し2n + mが3の倍数なら金属,それ以外なら半導体となる.つまりすべての種類のチューブがあるとすれば,その1/3が金属である.たとえばアームチェアー型はすべて金属となり,ジグザグではnが3の倍数のとき金属となる.これがナノチューブの電子構造でもっとも面白いところであり,たとえ一本の連続したSWNTであっても,5員環−7員環ペア欠陥があると,その前後でSWNTの構造が変化し,欠陥を挟んで金属と半導体の分子内接合が形成される可能性がある.実際に折れ曲がりを持つSWNTでダイオード特性が観測されている11)

Figure-2
図2:SWNTのカイラルベクトルとユニットセル.

バンド構造から明らかなように,ナノチューブの状態密度には1次元van Hove特異点(以下VHS)による発散が見られる.図3(C)に金属チューブ(8,8)と半導体チューブ(10,6)の状態密度が示してある.実際のSWNTに同様の状態密度の発散があることは走査型トンネル分光により確認されている16).光学遷移の選択則は安藤等により詳しく議論されており,電場ベクトルがチューブ軸に平行な場合は,図3(b)の実線の矢印で示した遷移(q →q)が許容で,電場ベクトルがチューブ軸に垂直な場合は,点線矢印の遷移(q →q + 1,q→q - 1)が許容になる17).しかし,実際にはSWNTの形状を反映した反電場効果により,後者の遷移はほとんど強度を持たないことがわかっており,対称なピーク間の遷移が支配的になる.
 次にラマンモードについてごく簡単に示す.グラファイトで観測されるのラマン線は1584 cm-1のE2gモード(G-band)のみである.SWNTの振動モードも電子構造の議論と同様に,ブリルアンゾーンのスライスにより考えることができ,Γ点付近3本の線上のフォノンモードのみがラマン活性となり,1593 cm-1付近のG-band領域に3もしくは6個のラマン活性モードができる.一方,群論からは15もしくは16のラマン活性モードがあることが導かれる8).この中にはグラフェンシートからの考察では導けないA1g のRadial Breathing mode (RBM)があり,この振動数は直径の逆数に比例することが理論的に示されている8).この関係を使えば,RBM振動数からSWNTの直径を見積ることができる.ラマン分光の分解能は極めて高いので,その直径評価能力は電子顕微鏡観察やX線回折よりもはるかに高分解能である.ただし,すべてのラマン散乱は,上述の光吸収の影響を非常に強く受け,共鳴効果が支配的になる18)ため,強度は個々の電子構造と励起光の関係により大きく変化するので,注意が必要である.

Figure-3
図3:(a) グラフェンの1stブリルアンゾーンと,(10,10)チューブにおけるゾーンスライス.(b) (10,10)SWNTのバンド構造.電場成分がチューブ軸に平行な場合は,実線の矢印で示した光学遷移が許容で,垂直の場合は点線の矢印が許容となる17).(c) (8,8)と(10,6)の電子状態密度.γの値を2.9 eVとして計算してある.


3 ナノチューブの光吸収とラマン散乱
 具体的な実験結果について説明する前に,実際のSWNT試料の現状について触れなければならない.現在,SWNTは高温下レーザー蒸発法4),アーク放電法5),一酸化炭素熱分解法19),CVD法20)など様々な手法で作製されているが,いずれの方法においても指数制御は実現しておらず,試料は多種類のSWNTの混合物である.そのため,マクロな測定で得られる物性は混合物の物性である.しかし,光をプローブにした測定では結果が電子構造を大きく反映するため,うまく利用すれば個々のチューブの電子構造を調べることが可能になる.

3.1 光吸収スペクトル
 SWNTはそのままでは溶液や蒸着膜を作製できないため,しばらくのあいだ光吸収測定はなされていなかった.SWNTの光吸収スペクトルを最初に報告したのは,Chenらである21).彼らは酸と超音波処理によりSWNTを切断し,そこに化学修飾をほどこしてSWNTを可溶にし,この水溶液を用いて,光吸収を測定した.さらに彼らはドーピングの効果を調べるなど,非常に先駆的な仕事を成し遂げた.一方,筆者らは,スプレー法によりSWNTの薄膜を作製して光吸収の測定を行った22).光吸収スペクトルには,赤外域から可視域にかけて,特徴的な三つの吸収バンドが観測されることがわかった.さらに,試料の直径分布を制御し,異なる直径の試料を測定すると,直径が細くなるに従って,吸収構造が高エネルギー側にシフトすることを見いだした.図4は直径の異なる4種類試料の光吸収スペクトルである.InsetはRBMのスペクトルを示しており,直径が段階的に変化していることがわかる.見やすいようにバックグラウンドの吸収を差し引き,吸収の振動部分だけを示してある.これらのスペクトルをtight-bindingによるバンド計算の結果と比較する.図5は,選択則および反電場効果を考慮し,状態密度ピーク間のq→q遷移をエネルギーギャップEgとして定義してそれを直径の関数としてプロットしたものである.金属チューブに真のエネルギーギャップはないためM1は0となるが,状態密度のピーク間の光学遷移M2, M3は存在し,図3(c)に示したように,M1とM2の間にS1, S2が入る関係になる.Egは螺旋度にも依存し23),M1, S1, S2, M2 と高エネルギーのEgほど,そのばらつきも大きくなる.図中矢印で示したように,実際の試料の直径分布はかなり広いため,ギャップの分布はさらに広がることになり,それぞれに対応する光吸収は,高エネルギーの吸収ピークほどブロードになることが予測される.また, Egは基本的に直径の逆数に比例するため,直径が細くなると各吸収ピークは高エネルギー側にシフトし,それと同時に各吸収ピークの幅はさらに広がることが予測される.これら予測される特徴は,実際の光吸収の特徴と一致する.NiY, RhPd両触媒の試料に対応する計算結果と,図4の吸収スペクトルを比較すればわかるように,吸収ピークの位置,幅ともに良く再現されている.例えば,NiY触媒の場合,直径は1.2〜1.6 nmに分布し,計算からS1, S2, M2に対応する光吸収は0.6, 1.2, 1.8 eVにそれぞれ観測されるはずであるが,図4から,実際に対応する吸収ピークが観測され,半値幅も予測通りに変化していることがわかる. RhPd触媒を用いた細いSWNTの場合も同様である.この同定はChen等の解析と異なるが,後述の共鳴ラマン散乱により,正当性が確認された.


Figure-4
図4:4種類の異なる直径分布を持つSWNT試料の光吸収スペクトル.πプラズモンに起因する吸収構造を差し引いてある.中に示されているスペクトルはラマンスペクトルで,ピーク位置から直径の変化がわかる.


Figure-5
図5:1次元VHSによる状態密度のピーク間のエネルギーをEgと定義し,直径に対してプロットした.γ= 2.9 eVとして計算してある.○は半導体,●は金属チューブのEgを示す.

3.2 1次元エキシトン
 1次元系では,エキシトンの結合エネルギーが発散することが知られており,光吸収ではエキシトンが支配的となる.したがって,1次元構造のSWNTの光学遷移では,エキシトンを考慮しなければならない.ところが,この系ではクーロン相互作用のためにS1バンドがブルーシフトするという計算結果がある24).そのため,エキシトンの吸収もブルーシフトし,結果として,単純なtight bindingの計算結果よりも高エネルギー側にエキシトンの吸収バンドが現れることになる.
クーロン効果の検討は市田らによって成された25).市田らはSWNTの光吸収を測定し,そのSWNTの直径分布に対応する電子構造の分布を具体的にシミュレーションし,期待される光学吸収と実際に測定される光吸収の比較を行った.図6はその結果である.実線が実測値,破線が計算値を示している.S2バンド(図中B)が合うようにパラメータをあわせると,M2バンドもほぼ再現されるが,S1バンド(図中A)は実測値が計算値よりも高エネルギー側に観測される.この結果は,クーロン相互作用を考慮したエキシトンの光吸収の計算結果と一致する.市田等はさらに直径分布の異なる試料を用いて,クーロン効果の直径依存性も測定している.我々は1次元エキシトンという興味深い対象を手に入れたことになる.

Figure-6
図6:SWNTの光吸収の実測値(実線)とtight-bindingによるシミュレーション結果(点線).計算値より実測値の方が高エネルギー側にピークが来る25)

3.3 共鳴ラマン散乱
 最初に共鳴ラマン散乱を報告したのは,Rao等である18).図7にその結果を示す.すでに述べたように,190 cm-1付近のピークがRBM,1593 cm-1付近の構造がG-bandであり,その他に不純物のアモルファスやSWNTの欠陥に起因するものとして,1350 cm-1付近のD-bandと呼ばれるピークが観測される.ラマン強度はグラファイトの1000倍程度に達し,共鳴効果が支配的であることがわかる.図7の試料も混合物試料であり,個々のSWNTはそれぞれ異なった電子構造を取る.その中で,ちょうど励起光がEgと一致する数本から数十本のSWNTが共鳴し,ラマンスペクトルを構成する.実際,励起光波長を変えていくと,次々とスペクトルは変化し,同じスペクトルが現れることがないことがわかる.
 光学遷移とラマン散乱が大きく関係していることから,再度光吸収の結果の議論を行おう.図5を注意深く見ると,NiY, RhPdそれぞれの直径分布において,長方形で囲んだ部分には金属SWNTのEg(黒丸)のみが分布していることがわかる.筆者らは,これを"metallic window"と名付けた.このwindow内の光子エネルギーの光を試料に照射すると,金属SWNTのみの光吸収が観測できるはずである.したがって,このwindow内の励起光を用いて共鳴ラマン散乱を測定すれば,金属チューブのラマンスペクトルを選択的に測定できるはずである.実際,metallic window内の波長でラマン散乱を測定すると,G-bandにBreit-Wigner-Fano (BWF)型のスペクトルが現れ,金属チューブが共鳴していることがわかる22).図7では647.1 nm励起のスペクトルがそれに相当している.これにより,M2バンドが金属SWNTの吸収であることが確認された.正確には共鳴効果にはフォノンの振動数が入ってくるため,共鳴ラマンで観測されるmetallic windowの位置はフォノンの振動数分だけずれることになる.Brown等はこれに着目し,詳細な共鳴ラマン散乱測定からstokesとanti-stokesでのmetallic windowのずれを測定した26).このずれとtight-bindingによるバンド計算とのfittingにより,transfer integralの値γを見積った.最新のγ値は2.9 eVであり,本稿ではすべて2.9 eVで計算されている.
さて,共鳴ラマン散乱ではRBMに注目する.RBMの振動数が直径に敏感であることはすでに述べたとおりであり,共鳴しているSWNTの直径が変化すれば,RBMの振動数も変化する.したがって,励起光のエネルギーを細かく変えて詳細な共鳴ラマン散乱を測定すれば,特定の直径を持つSWNTの電子構造を探ることができるはずである.実際には,指数が異なっても直径が同一のSWNTが存在するため,すべてのSWNTについて解析できるわけではないが,有効な手法のように思われる.色素レーザーを用いた,詳細な共鳴効果の測定は菅野らにより行われた27).得られた電子構造と計算結果を比較することにより,いくつかのRBMピークの指数付けを行った.一方,この手法で指数付けが行えるほど,試料に含まれるSWNTの種類は少なくないという主張もある.Milnera等は,同様に詳細な共鳴ラマンを測定し,RBMスペクトルの重心と幅の変化から,80種類のSWNTがガウス型に分布しているモデルを考えなければ説明ができないことを示した28).このモデルでは,ひとつのRBMピークに複数のSWNTの共鳴が寄与していることになり,単純に指数付けを行うことはできない.しかし,両者の試料は生成法が全く異なるため,単純に比較できない.また彼等の解析には指数の違いによる電子状態密度の違いが考慮されていない.これら議論の結論を見るにはさらなる実験が必要である.


Figure-7
図7:レーザー法で作製したSWNT試料の共鳴ラマン散乱スペクトル.励起光の波長を変えると,スペクトルが大きく変化することがわかる18).647.1nm励起のスペクトルは金属チューブの共鳴を示している.

最後に,ナノチューブの評価を行う際に,共鳴ラマン散乱が非常に具合のよいツールであることを強調しておく.SWNTのG-bandは共鳴効果により強調されるため,試料の純度によって強度が大きく変化する.一方,1350cm-1付近のブロードなD-bandは不純物による寄与が大きく,これは共鳴効果により強い強調を受けないため,G-bandとD-bandの強度比を取ることにより,ナノチューブ試料の純度を見積ることが可能となる.RBMのスペクトルから直径分布が推定できることとあわせて,ラマンスペクトルからSWNT試料の評価が可能となる.ただし,直径が3 nm程度を超えると,ナノチューブの変形が強く影響を与えだし,ラマン強度が著しく減少する.多くのMWNTにおいて,グラファイトと類似のラマンスペクトルしか得られないのは,そのためである.
 
まとめ.
 ナノチューブの分光学的興味は1次元VHSによる巨大な状態密度のピークと1次元エキシトンにあろう.理論的にはエキシトン以外観測されないはずであり,実験的にも矛盾がない事を示すのは可能であるが,エキシトンであることを証明するのは容易でない.一方,ラマン散乱の進展は著しく,現在ではSWNT一本のラマン散乱の測定が可能になっている.G-bandに見られる複雑な構造や挙動もほぼ明らかになってきた.
一方,物性としては結晶状態が興味深い.本稿では紙面の制約から触れられなかったが,多くの場合, SWNT試料は束の状態で生成されることもあり,固体効果を無視することはできない.金属SWNTのフェルミレベルに形成される擬ギャップの問題や,RBMのシフト等,興味深い現象がいくつか報告されている.また,SWNT間にアルカリ金属やハロゲンをドープして,フェルミレベルをコントロールすることも可能である.
2000年10月からは,米国で高純度のSWNT試料の販売が始まり29),誰でも簡単に高純度試料を入手することが可能になった.応用も含め,今後SWNTおよび関連物質の研究はますます盛んになると思われ,共鳴ラマン散乱や光吸収など光をプローブにした評価法は,ますます重要な意味を持ってくると思われる.


参考文献

1) S. Iijima, "Helical microtubules of graphitic carbon", Nature 354, 56 (1991)
2) S. Iijima and T. Ichihashi, "Single-shell carbon nanotubes of 1-nm diameter", Nature 363 (1993) 603.
3) D. S. Bethune, C. H. Kiang, M. S. de Vries, G. Gorman, R. Savoy, J. Vazquez and R. Beyers, "Cobalt-catalysed growth of carbon nanotubes with single-atomic-layer walls", Nature 363 (1993) 605.
4) A. Thess, R. Lee, P. Nikolaev, H. Dai, P. Petit, J. Robert, C. Xu, Y. H. Lee, S. G. Kim, A. G. Rinzler, D. T. Colbert, G. E. Scuseria, D. Tomanek, J. E. Fischer and R. E. Smalley, "Crystalline Ropes of Metallic Carbon Nanotubes", Science 273 (1996) 483.
5) C. Journet, W. Maser, P. Bernier, A. Loiseau, M. L. Chapelle, S. Lefrant, P. Deniard, R. Lee and J. E. Fischer, "Large-scale production of single-walled carbon nanotubes by the electric-arc technique", Nature 388 (1997) 756.
6) N. Hamada, S. Sawada and A. Oshiyama, "New one-dimensional conductors: Graphitic microtubules", Phys. Rev. Lett. 68 (1992) 1579.
7) R. Saito, M. Fujita, G. Dresselhaus and M. S. Dresselhaus, "Electronic structure of chiral graphene tubules", Appl. Phys. Lett. 60 (1992) 2204.
8) R. Saito, G. Dresselhaus and M.S. Dresselhaus, Physical Properties of Carbon Nanotubes, (Imperial College Press, Imperial College, London, 1998)
9) H. Nishijima, S. Kamo, S. Akita, Y. Nakayama, K. I. Hohmura, S. H. Yoshimura, and K. Takeyasu, "Carbon-nanotube tips for scanning probe microscopy: Preparation by a controlled process and observation of deoxyribonucleic acid", Appl. Phys. Lett., 74 (1999) 4061.
10) S.J. Tans, A.R.M. Verschueren, and C. Dekker, "Room-temperature transistor based on a single carbon nanotube", Nature, 393 (1998) 49.
11) Z. Yao, H. W. C. Postma, L. Balents, and C. Dekker, "Carbon nanotube intramolecular junctions", Nature 402 (1999) 273.
12) 齋藤弥八,坂東俊治, カーボンナノチューブの基礎, (コロナ社,東京,1998)
13) B. Gao, C. Bower, J.D. Lorentzen, L. Fleming, A. Kleinhammes, X.P. Tang, L.E. McNeil, Y. Wu and O. Zhou, "Enhanced saturation lithium composition in ball-milled single-walled carbon nanotubes", Chem. Phys. Lett. 327 (2000) 69.
14) C. Liu, Y.Y. Fan, M. Liu, H.T. Cong, H.M. Cheng, M.S. Dresselhaus, "Hydrogen Storage in Single-Walled Carbon Nanotubes at Room Temperature", Science 286 (1999) 1127.
15) M.S. Dresselhaus, G. Dresselhaus and P.C. Eklund, Science of Fullerenes and Carbon Nanotubes, (Academic press, San Diego, California, 1996)
16) J. W. G. Wildoer, L. C. Venema, A. G. Rinzler, R. E. Smalley and C. Dekker, "Electronic structure of atomically resolved carbon nanotubes", Nature 391 (1998) 59.
17) T. Ando and H. Ajiki, "Carbon Nanotubes in Magnetic Fields", High Magnetic Fields in Semiconductor Physics II, (World Scientific, Singapore 1997) pp. 915 - 926.
18) A. M. Rao, E. Richter, S. Bandow, B. Chase, P. C. Eklund, K. A. Williams, S. Fang, K. R. Subbaswamy, M. Menon, A. Thess, R. E. Smalley, G. Dresselhaus and M. S. Dresselhaus, "Diameter-Selective Raman Scattering From Vibrational Modes in Carbon Nanotubes", Science 275 (1996) 187.
19) H. Dai, A.G. Rinzler, P. Nikolaev, A. Thess, D.T. Colbert, R.E. Smalley, "Single-Wall Nanotubes Produced By Metal-Catalyzed Disproportionation of Carbon Monoxide", Chem. Phys. Lett. 27 (1996) 471.
20) J. Kong, H.T. Soh, A.M. Cassell, C. F. Quate and H. Dai, "Synthesis of individual single-walled carbon nanotubes on patterned silicon wafers", Nature 395 (1998) 878.
21) J. Chen, M. A. Hamon, H. Hu, Y. Chen, A. M. Rao, P. C. Eklund, R. C. Haddon, Science 282, 95 (1998)
22) H. Kataura, Y. Kumazawa, Y. Maniwa, I. Umezu, S. Suzuki, Y. Ohtsuka and Y. Achiba, "Optical Properties of Single-Wall Carbon Nanotubes", Synth. Met. 103 (1999) pp. 2555-2558.
23) R. Saito, G. Dresselhaus and M. S. Dresselhaus, "Trigonal warping effect of carbon nanotubes", Phys. Rev. B 61 (2000) 2981.
24) T. Ando, "Excitons in Carbon Nanotubes", J. Phys. Soc. Jpn 66 (1997) 1066.
25) M. Ichida, S. Mizuno, Y. Tani, Y. Saito and A. Nakamura, J. Phys. Soc. Jpn., 68 (1999) 3131.
26) S. D. M. Brown, P. Corio, and A. Marucci, M. A. Pimenta M. S. Dresselhaus and G. Dresselhaus, "Second-order resonant Raman spectra of single-walled carbon nanotubes", Phys. Rev. B 61 (2000) 7734.
27) M. Sugano, A. Kasuya, K. Tohji, Y. Saito and Y. Nishina, "Resonance Raman scattering and diameter-dependent electronic states in single-wall carbon nanotubes", Chem. Phys. Lett. 292 (1998) 575.
28) M. Milnera, J. Kurti, M. Hulman and H. Kuzmany, "Periodic Resonance Excitation and Intertube Interaction from Quasicontinuous Distributed Helicities in Single-Wall Carbon Nanotubes", Phys. Rev. Lett. 84 (2000) 1324.
29) Please see a web page, http://cnanotech.com/


2000年10月24日受理
光学 30巻2号(2001) pp. 105 - 110

●カーボンナノチューブ研究:片浦のページに戻る