[PR]

 サッカーのPK戦で、1人が外すと失敗が続くのはなぜ? そんな疑問が脳の働きで説明できるかもしれない。

 独立行政法人・情報通信研究機構(東京都小金井市)などの研究者2人がこのほど、他人の行動を予測することと自身の運動には関連があるという調査結果をまとめ、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

 調査したのは機構の脳情報通信融合研究センター(大阪府吹田市)の池上剛さんと、フランス国立科学研究センターのゴウリシャンカー・ガネッシュさん。

 実験にはダーツの熟練者22人が協力した。まず、素人が中心を狙って矢を投げる映像(的は見えない)を見て、11分割された円形の的のどの部分に当たるかを予測してもらう。その後、どこに命中したか、を伝えた=写真。予測が当たる確率は当初、偶然の範囲内(9%)だったが、「脳が学習する」につれて精度が上がった。120回繰り返すと、確率は27%(偶然を含む)になった。

 これが自身の運動にどう影響するのか。どこに命中したかを伝えた場合、熟練者にも矢を投げてもらうと、予測能力が上がるにつれ、命中精度は落ちた。一方、伝えない場合、予測能力はあまり向上せず、熟練者のプレーにも影響はなかった。

 池上さんによると、社会生活において、人間は他人の動作の目的や意図を読み取り、結果を予測することで、自分の行動を選択している。