産業技術総合研究所   地質調査総合センター

三宅島空撮:2003年8月20日

                   by A.Tomiya (2003/8/23改訂)
観測時間  :2003年8月20日(水) 10:43〜11:13 および 13:26〜14:02(三宅島付近での滞空時間)
ヘリコプター:東京消防庁「かもめ」(JA9692)
搭乗者   :【火口観測班】嶋野(東大地震研),東宮(産総研)
       【COSPEC班】飯野・松田(気象庁)
        ほかクルー4名
行程:
  9:43 立川防災施設離陸
 10:32 三宅島空港着陸(COSPECセッティング)
 10:43   同  離陸
         |
       COSPEC観測(10:43〜11:13)
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 11:24 神津島空港着陸(給油・休憩等)
 13:18 神津島空港離陸
         |
       “火口”観測(13:26〜14:02)
         |
 14:51 立川防災施設着陸

 #三宅島ヘリ観測について

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○概況

三宅島全景(1)

三宅島全景.南の海上5マイル沖から見た様子(10:56撮影).山頂には雲がかかっていた.
噴煙及びガスは主に2方向に流れていた.目視できる噴煙の流れの方位と,COSPEC観測で最大ピークの出た方位は一致し,南東方向(三宅島空港方面;写真右方向)であった.一方,火口(カルデラ)縁を越えて山体斜面を流れ下るガスの流れの方位(低空でガス臭も感じた)と,COSPEC観測で2つ目のピークの出た方位は一致し,西南西方向(阿古方面;写真では見づらいが左方向)であった.後者の方が,現地で観測された風向(東北東の風15ノット;高度300mにて)と整合的である.前者はそれよりも高空の風に流されていたと考えられる.
なお,この日のCOSPEC観測によれば,三宅島からの二酸化硫黄放出量は,1日あたりの量に換算して8200トン(気象庁のページ)とのことである. この値は,ここ1年ほどの放出量としては平均的なものである.


三宅島空港から (2) 三宅島空港から雄山山頂方向を見た様子.(10:31撮影)

○カルデラ縁〜中腹の様子

カルデラ縁(3) カルデラ縁(4) カルデラ縁(5)

(3)(4)(5) カルデラ北西〜西縁の様子.雲の切れ間からカルデラ縁がかろうじて見えているが,カルデラの中を見ようと接近していくと雲の中に突入して視界不良になってしまった.(13:45撮影)


登山道(6) 村営牧場(7) ふれあい広場(8)

(6) 雄山南斜面・登山道付近の様子.(13:28撮影)
(7) 雄山南西斜面・村営牧場付近の様子.こんなガリーにも泥流対策工事が.(13:28撮影)
(8) 雄山西斜面・三宅村ふれあい広場付近の様子(13:34撮影).
  なお,ふれあい広場付近の現地調査の写真は右のページで見られる.→三宅島現地調査:2001年11月26-29日


東斜面(9)

(9) 雄山東斜面の様子(13:53撮影).樹木の枯死(枯れ木)が最も顕著なのが雄山の東側(三池側)である. これは,西風が卓越するために,火山ガスが専ら東側に流れてくるためと考えられる.
雄山からの方位によって,樹木が青々としている所と一面枯れ木だらけの所は対照的に分かれている.
 →両者のコントラストがはっきり分かる写真(2002年12月25日空撮写真のNo.13)


○麓の様子

伊ヶ谷(10) 神着(11) 神着(12)

(10) 伊ヶ谷の集落.港の桟橋が整備され,また泥流対策工事(?)も進んでいるようである.
(11) 神着の集落.泥流対策用の泥流プールと大きな堤防ができている.
(12) 神着,写真11の少し東側の地域.


ひょうたん山(13) サタドー岬(14) 三池港(15)

(13) ひょうたん山(1940年形成;写真左)と三七山(1962年形成;写真右).いずれも噴火でできたスコリア丘.
(14) 三七山のすぐ南,サタドー岬付近.ここでも泥流対策工事.
(15) 三池港付近.


大路池(16) 大路池(17)

(16)(17) 大路池.水面の一部に緑色の藻が繁茂している.


大野原島(三本岳) (18) 大野原島(三本岳).三宅島の西南西約9kmにある島々.この付近を飛んだとき,火山ガス臭がした.

○その他

東京消防庁のヘリ「かもめ」(19) 立川防災施設(20) 伊豆大島(21)

(19) 本日お世話になった東京消防庁のヘリ「かもめ」
(20) 東京消防庁の立川防災施設
(21) 伊豆大島


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1.概況

天気は曇り.山頂には雲がかかっており,カルデラ内(火口)は見えなかった.


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2.噴煙・ガス

噴煙の到達高度は雲のため不明.

噴煙及びガスは主に2方向に流れていた.COSPECでもピークが2ケ所に現れた.
目視できる噴煙の流れの方位と,COSPECで最大ピークの出た方位は一致し,
南東方向(三宅島空港方面)であった.
一方,火口(カルデラ)縁を越えて山体斜面を流れ下るガスの流れの方位と,
COSPECで2つ目のピークの出た方位は一致し,
西南西方向(阿古方面)であった.
後者の方が,現地で観測された風向(東北東の風15ノット;高度300mにて)と
整合的である.前者はそれよりも高空の風に流されていたと考えられる.

飛行中にガス臭を感じたのは西南西方向の方であり,
南東方向については三宅島空港着陸時を含めガス臭を感じなかった.
(高空を飛ばなかったためであろう.)
COSPECでは,2つのピークの谷間でも若干のガスが観測され続けており,
ピーク間にも若干のガスが拡散していると考えられた.

なお,この日のCOSPEC観測によれば,三宅島からの二酸化硫黄放出量は,
日量8200トン(気象庁発表)とのことである.
この値は,ここ1年ほどの放出量としては平均的なものである.

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3.カルデラ内部・カルデラ縁

雄山山頂には雲がかかっており,カルデラ内部は今回も見えなかった.
カルデラ縁の一部が雲の隙間からかろうじて見える程度であった.
なお,火口がよく見えたのは6月3日が最後とのことである.

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4.飛行コース等

午前中は,当初火口観測の予定であったが,山頂部に雲がかかっていたため,
先にCOSPEC観測を行なうことにした.
このため,機材セッティングのために一旦三宅島空港に着陸した.
COSPEC観測では,5マイル沖を時計周りに半周(東→南→西)飛行した.

午後に,再度火口観測にチャレンジするが,
やはり山頂部に雲がかかっていたため,断念.
残る時間は,山体斜面の観察などを行なった.

#午前にCOSPEC観測を入れ替える可能性については,立川出発前に予め打ち合わ
 せておいた.
 またこの入れ替えに伴い,午後の観測後は,当初予定していた2度目の神津島
 着陸(給油)を行なわず,直接東京帰還とすることに変更した.

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5.その他

山麓の植生が,雄山からの方位によって,青々している所と枯れ木だらけの所と
分かれるのが印象的であった.

各所で泥流対策工事が着々と進んでいるように見えた.


以上
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 → 他の日のフライトの様子も見る

 → 三宅島火山のページ に戻る(本ページのお問い合わせ先もこちら)


Created:Aug.,20,2003