産業技術総合研究所(産総研)   地質調査総合センター(地調)

三宅島火山のページ

                   by A.Tomiya (2009/4/9改訂)

(Since 2000/06/26)

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目次

はじめに
三宅島火山2000年噴火に関する最近の話題
ヘリコプターから見た三宅島の様子
三宅島火山の調査研究
 ・三宅島2000年噴火の推移
 ・過去3回(1940,1962,1983)の噴火について
 ・2000年噴火で出たマグマ(火山弾,火山灰,等)
 ・三宅島現地調査の模様,等
三宅島火山における最近の小規模噴火のリスト
三宅島火山関連情報(リンクなど)


三宅島火山空撮
三宅島火山(雄山)の主火口(2004年8月10日警視庁ヘリコプターより東宮撮影):
2000年噴火で陥没してできたカルデラ(直径1.6km)の中に主火口があり,そこから大量の火山ガスが放出されています. 2000年秋には1日当たり数万トンという膨大な量の二酸化硫黄が出ていましたが,現在(2004年秋以降)は日量2,000〜7,000トン程度に落ち着いています.

はじめに

このページの文責は東宮個人にあります.
その内容は産業技術総合研究所の公式見解というわけではありませんので,お読みの際にはその点ご注意下さい.
また,「 http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/ 」以下にある全てのコンテンツの著作権は東宮昭彦に所属します.web掲載された情報は,研究・教育・報道目的に関してはご自由に(事前の承諾無しに)お使いください.ただし,ご使用にあたっては「産業技術総合研究所 東宮撮影」などと明記していただくとともに,事後で構いませんので東宮までご連絡下さいますようお願いいたします.著作物使用許諾に関してご不明な点がありましたら,産総研 地質調査情報センター 地質情報整備室(TEL:029-861-3601)までお問い合わせ願います.

なお,火山や地震等に関する各種ご質問・お問い合わせについては,
地質相談所(産総研 地質標本館)または
火山学者に聞いてみよう!(日本火山学会)を御利用下さい.


三宅島火山2000年噴火に関する最近の話題

三宅島は世界でも類を見ないほど大量の火山ガスを吐き続けています.
2000年9月に放出量が急増してしばらくは1日当たり4万トン内外,その後放出量が減少してきた2001年夏以降でも1日当たり1万数千トン程度の二酸化硫黄(SO2)が出続けました(下図=気象庁発表のデータを使用).ガスの放出量は大局的には徐々に低下する傾向にあり,特に2002年の後半になってからは1日当たり1万トンを超えることがほとんどなくなりました. しかしその一方で,2002年秋以降は減少傾向が鈍化してほぼ横ばいになっており(1日当たり数千トンで推移),このまま推移すればまだ当分は放出が続くものと思われます.
島民は,2000年9月に島外避難して以来4年以上にもおよぶ避難生活を送ることを強いられました. 2005年2月,避難指示が解除になり,島民の帰島が始まりましたが,三宅島の噴煙活動は依然として活発です. 火口周辺は立入禁止です.また山麓においても,火山ガスが頻繁にやってくる「高濃度地区」は居住禁止&立入制限になっています.

参考までに,SO2の“日本全体”の人為発生源の全体量が1日当たり3,000トン弱(若松・篠崎著「広域大気汚染」p.49より),また三宅島の活動前には日本最大のSO2放出源だった桜島火山が1日当たり1,000〜2,000トンだそうです. これらと比べると,三宅島火山からいかに膨大な量のSO2が出ているかが分かるでしょう.

三宅島火山ガス放出量
[気象庁の「三宅島 火山ガス(二酸化硫黄)放出量」掲載のデータを使用]

産総研・風早氏による解析結果(風早氏のページ)
三宅島2000年噴火の推移(2000年9月以降のSO2放出とその観測について,など)


☆噴火:2009年4月1日,ごく小規模な噴火が発生,ごく微量の降灰も確認(2009/4/9掲載)
4月1日16:17頃,山頂火口でごく小規模な噴火が発生しました.三宅島の噴火は2008年5月8日以来です.
灰色の噴煙が火口縁上600mまで上がり,東に流れました.島の東側(山頂火口から約3km)で降灰が確認されています.

 → 三宅島の火山活動解説資料 平成21年4月1日19時30分(気象庁サイト,PDF 1.3MB)

☆イベント:三宅島火山の巡回展が開催される(2006/8/23掲載→2007/4/24, 2009/4/9改訂)
巡回展 三宅島火山 −その魅力と噴火の教訓−」が2006年夏より始まり,足掛け2年で全国6ヶ所の博物館等を巡りました.
巡回スケジュールは以下の通りです.
・2006年7月15日〜8月31日:磐梯山噴火記念館
・2006年9月10日〜10月31日:阿蘇火山博物館
・2006年11月10日〜2007年1月10日:雲仙岳災害記念館
・2007年1月 〜 3月末(?):伊豆大島火山博物館
・2007年6月1日〜7月1日:立山カルデラ砂防博物館
・2007年7月21日〜9月24日:地質標本館

 → 三宅島火山巡回展のポスター(ポスターに使われている火口の写真は東宮撮影によるものです =本ホームページで使用している写真)

☆速報:2006年8月23日,ごく小規模な噴火が発生、ごく微量の降灰も確認(2006/8/23掲載)
8月23日朝に空振を伴った振幅のやや大きな低周波地震が発生し,同日の調査でごく微量の降灰が確認されたとのことです.

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http://www.jma.go.jp/jp/volcano/320-20060823165500-42.html
火山観測情報 第235号
平成18年8月23日16時55分 気象庁地震火山部
(抜粋)
 昨日昼頃から本日05時頃にかけて、山頂直下を震源とする地震活動が一 時的にやや活発な状態となりました。本日04時から05時にかけて空振を 伴った振幅のやや大きな低周波地震が3回発生し、このうち04時25分に 発生した地震では、灰色の噴煙が火口縁上500メートルまで上がり、南東 に流れるのが観測されました。他の観測データには特段の変化はありません でした。
 本日午前中、島内で調査を行った結果、火口の東〜南約4km(坪田地区 )の範囲でごく微量の降灰を確認しました。噴火の発生は、今年2月17日 のごく小規模な噴火以来です。
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☆速報:2006年2月17日,ごく小規模な噴火が発生、ごく微量の降灰も確認(2006/2/19掲載)
2月17日夜に空振を伴った振幅のやや大きな低周波地震が発生し,翌日の調査でごく微量の降灰が確認されたとのことです.

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http://www.jma.go.jp/jp/volcano/320-20060218163000-42.html
火山観測情報 第49号
平成18年2月18日16時30分 気象庁地震火山部
(抜粋)
 昨日19時から23時にかけて、山頂直下を震源とする地震活動が一時的 にやや活発な状態となり、このうち22時38分及び23時34分に発生し た空振を伴った振幅のやや大きな低周波地震では、三宅島神着で震度1が観 測されました。
 本日午前中、島内で調査を行った結果、火口の東〜東南東約4km(坪田 地区)付近の狭い範囲でごく微量の降灰を確認しました。昨日、振幅のやや 大きな低周波地震が続いた頃に、ごく小規模な噴火があったものと推定され ます。ごく小規模な噴火の発生は、昨年5月18日以来です。
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☆これ以前の速報(バックナンバー)
2004-2005年の速報
2003年下期の速報
2003年上期の速報
2002年の速報
2001年以前の速報


ヘリコプターから見た三宅島の様子

現在,気象庁のアレンジにより,三宅島の上空に週に1回ヘリコプターを飛ばしており, 大学および産業技術総合研究所(旧・地質調査所)のスタッフがこれに搭乗して観測にあたっています. 原則的に,警視庁,東京消防庁,自衛隊,海上保安庁のヘリが交代で飛んでいます.

ここでは,私が実際にヘリに搭乗した日の観察結果について,まとめました. それぞれのページにジャンプします.


三宅島火山2000年噴火の推移・噴火で出たマグマ・その他関連する研究

私が撮影・分析・コンパイルした結果をまとめました.それぞれのページに飛びます.


三宅島火山における最近の小規模噴火のリスト

現在,三宅島・雄山の火口からは,噴煙および火山ガスが出続けています.
通常の噴煙は,白色を示し,ほとんどが水蒸気(湯気)からなります.
この状態は,気象庁の定義により「噴火」とは呼ばれません.

しかし,ときどき噴煙の中に火山灰が混じることがあり,このときは噴煙の色が灰色〜灰黒色(有色噴煙)になるほか,微動や弱い空振を伴う場合もあります.この状態を,気象庁は「噴火」と呼んでいます. 三宅島では2001年以降,このような「噴火」は20回以上起こっていますが,いずれも小規模で,山麓で厚さ1mm以上の降灰になることは稀です.

2001年に入ってからの"噴火"(有色噴煙,降灰)の観測例は以下の通りです:
[ ▲印は有色噴煙高度が1000m以上のもの(気象庁が認定した"主な噴火"),△印はそれ以外の"噴火" ]

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  観測日 ( 噴煙高度〜火口上 )
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(2000年の7月〜9月の間は多数の噴火・降灰あり.
 同10月〜12月の間は噴火・降灰の記録無し.)
 ===2001年===
 1月11日( 800m)△[10時40分頃]
 3月19日( 800m)△[07時頃〜07時40分頃]
 5月27日(1200m)▲[06時04分]注:05:05にもイベント?しかし当時の火山情報には05:05の方は噴煙の変化が“見られない”と明記されている.
 6月 3日( 700m)△[06時34分]
 6月10日( 500m)△[19時25分]
 6月13日( 不 明 )△[02時29分]注:2004/7/1追加
 6月24日( 不 明 )△[20時12分および22時34分]注:2004/7/1追加.ただし当時の火山情報によれば空振は別の時刻に起こっている.
 7月10日( 500m)△[06時38分および08時23分の2回] 注:噴煙はもっと高空に達したとの見積もあり
 7月18日( 不 明 )△[17時42分]
 9月26日(1000m)▲[11時32分]
 9月27日(1000m)▲[21時28分]
 9月27日( 800m)△[23時04分]
 9月28日( 800m)△[05時28分]
10月11日( 不 明 )△[04時45分および09時頃の2回]注:04:45は当時の火山情報に基づいており,資料によっては03:34とされている.
10月16日(1500m)▲[07時22分]
11月 1日( 800m)△[12時32分]
 ===2002年===
 1月23日( 200m)△[12時34分]
 2月21日( 300m)△[17時37分]
 3月 2日( 不 明 )△[05時53分および06時12分の2回]
 3月31日( 200m)△[06時04分頃]注:06:04は当時の火山情報に基づいており,資料によっては06:03とされている.
 4月 2日( 300m)△[10時02分]
 4月 3日( 200m)△[10時39分]
 4月16日( 不 明 )△[06時頃]注:噴煙は未確認.降灰は確認.
 6月15日( 500m)△[16時19分]
 8月 1日( 不 明 )△[17時42分頃]注:噴煙は未確認.降灰は確認.時刻は空振を伴った微動の発生時刻.
 9月16日( 不 明 )△[05時10分頃]注:噴煙は未確認.降灰は確認.時刻は降灰のあった時刻.
10月 8日( 200m)△[14時51分]
11月24日( 不 明 )△[13時20分頃]注:噴煙は未確認.降灰と低周波地震は確認.時刻は降灰のあった時刻.
 ===2003年===
(2003年は1年間を通じて噴火/有色噴煙の記録無し.)
 ===2004年===
11月30日( 300m)△[07時46分頃]注:島の東部でごく少量の降灰.
12月 2日( 600m)△[16時45分頃]注:空振を伴った振幅のやや大きな低周波地震が発生し,神着・坪田で震度1.
12月 7日〜8日(不明)△[不明]注:8日朝に降灰確認.7日17時頃から8日5時頃までに空振を伴う低周波地震が数回発生.
12月 9日( 不 明 )△[06時16分頃]注:空振を伴う低周波地震が発生し,火口縁および山麓の遠望カメラに少量の火山灰が付着.
このほか,3月28日に山頂付近で“微弱な降灰”.ただし有色噴煙は見られず.(※)
 ===2005年===
 4月12日( 不 明 )△[04時45分頃]振幅のやや大きな低周波地震が発生.その後の調査でごく微量の降灰を確認.
 5月18日( 不 明 )△[02時41分頃]空振を伴う低周波地震が発生.その後の調査でごく微量の降灰を確認.
 ===2006年===
 2月17日( 不 明 )△[22時38分 and/or 23時34分]空振を伴う低周波地震が発生.その後の調査でごく微量の降灰を確認.
 8月23日( 500m)△[04時25分頃]空振を伴う低周波地震が発生.灰色の噴煙を観測.その後の調査でごく微量の降灰を確認.
 ===2007年===
(2007年は1年間を通じて噴火/有色噴煙の記録無し.)
 ===2008年===
 1月 7日( 300m)△[06時54分]灰色の噴煙.ごく微量の降灰を確認.
 5月 8日( 200m)△[08時32分]灰色の噴煙.
 ===2009年===
 4月 1日( 600m)△[16時17分]灰色の噴煙.ごく微量の降灰を確認.
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(※) 気象庁の火山活動解説資料(平成16年3月)によれば次の通り:「28日12時30分前後の数十秒間、火口カメラ設置のため、山頂付近で作業をしていた気象庁職員が微弱な降灰を確認しました」「降灰は機材に薄く振りかかる程度で、微量でした」「山麓に設置された監視カメラからは有色噴煙は確認されず、降灰は山頂付近に限定されていたと思われます」「この降灰が確認される直前の12時28分には、振幅の小さな低周波地震が観測されています」「2002 年11 月ごろまで数多く見られた振幅の大きい低周波地震が発生した際、まれに有色噴煙が火口縁上数百mまで上がるのが観測されることがありましたが、今回確認された現象は、それに比べると遥かに小さい規模でした。以前にも今回と同規模の低周波地震は時折観測されていましたが、その際にも今回と同様の現象が発生していた可能性があります。」
同資料は右の気象庁サイトで見られます:http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/04m03/320_04m03.pdf(PDF, 428KB; 図表あり)


三宅島火山関連情報(リンクなど)


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独立行政法人 産業技術総合研究所・地質調査総合センター
 地質情報研究部門・マグマ活動研究グループ 東宮昭彦
  E-mail:me-ado
  http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/tomiya.html

Created:June,26,2000