シースルー火山学

 

2013JPGU地球惑星関連学会連合大会

シースルー火山学:爆発的噴火バージョン

高田亮,古川竜太,及川輝樹,西来邦章,山崎誠子,廣田明成


一般に火山の内部は可視光では見えないので,子供達にマグマの動きの仕組みを考えてもらうことは難しい.そこで,アウトリーチ目的に,火山内部のマグマの動きから噴火までの過程が見えるアナログ実験を開発した.基本的なシステムは,産総研の一般公開で行った実験(山崎ほか,連合大会発表)を参考にしてほしい.子供達によりインパクトのある爆発的な噴火のイメージを安全に体験できることを目的として,上記手法をさらに発展させた.噴煙柱が立ち上がり,火砕物が拡散する現象,途中で,噴煙柱が下がり溶岩流噴火に移行する現象,溶岩流が火山の斜面が流れる現象をミニチュアで再現できる.災害軽減の立場では,火山の裾野のどこで被害が起こりうるかを,リアルタイムで予想してくる訓練も実現できる.本論では3種類の実験を紹介する.(1)噴火に対する発泡の効果を見る実験.ペットボトルにビニールを被せ火山とする.ボトルの中に,重曹とクエン酸,台所洗剤を入れ,色の濃いジュースないし水を入れて,即座にキャップをする.キャップにはあらかじめキリで穴をあけておく.発泡がはじまり,“噴煙柱”が1m程度立ち上がる.やがて,噴出の勢いが低下し“溶岩流“となり,ビニール火山の斜面を流れ下る.この実験は最も手軽に噴火のイメージを再現でき,小学生などには好評であった.

(2)噴火に対する発泡と母岩との密度差の効果を見る実験.水槽にビニール袋をいれ,重曹とクエン酸,台所洗剤を入れ,色の濃いジュースないし水を入れる.上にビニールで火山を作ればよりリアルである.発泡により噴火が起こる.泡のない液体だけなら水より重いので,ビニールごと水槽内に沈む.密度差という要素を取り込んだ実験で中学生以上のレベルかもしれない.(3)噴火に対する発泡,密度差,母岩の応力の効果を見る実験.母岩をゼラチンにして,重曹とクエン酸の混合水液を注入する.注入液体をふって反応を促進させると,爆発的な噴火となり,ゼラチンが破砕され表面に漏斗状火口ができる.ダイアトリームと考えてもよい.炭酸飲料を使うこともできるが,これに比べて発泡のタイミングを遅くすることができる利点がある,一方,ゆっくり注入すると,泡の部分と液体の部分が分かれて,ゼラチン表面で,あたかも脱ガスのように泡だけ抜ける.ジュースは砂糖が含まれているため,脱ガスした液体はゼラチンより重くなり噴出せずに横に岩脈状に広がる.(1)—(3)について,茨城県の小学校,中学校,埼玉県越谷市の科学体験施設ミラクル,山梨環境科学研究所の学校教員向け研修,筑波大学の講義で実行された.参加者の感想なども紹介する.


2013JpGU-outreach.pdf

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