2次元濃度ヒストグラムを用いた画像間変化抽出

       

概要

 同一シーンを異なる時間に撮影した画像間で新しい物体の出現などを検出したい場合、画像間差分(対応座標位置の画素値の引き算)で大きな差がある領域を算出する手法がよく用いられる。しかし、屋外シーンのように環境光の変動が大きい場合、照明条件の違いによる同一物体の濃度変化と抽出したい変化を識別することが難しい。たとえば、右図の朝7時と昼12時に撮影した画像間では、太陽光条件の違い、雨による濡れの違いにより、変化をしていない背景領域の濃度値変化も大きく、差分結果から物体の出現(図中赤丸)を判断することは難しい。そこで、我々は、各画像の濃度値を水平、垂直軸とする2次元濃度ヒストグラムに着目し、通常の差分がこのヒストグラム上の分布と関係なく、「変化としない濃度値ペア」を決定していることを示し、分布に応じて適応的にこの濃度値ペアを決定することにより、より頑健に望ましい変化だけを抽出する方法を提案した。

    基本手法の詳細説明

   時系列画像への展開


参考文献

1) Y.Kita:"Background modeling by combining joint intensity histogram with time-sequential data",Proc.of ICPR2010,pp.991-994、2010/08 .

2) Y.Kita:"A study of change detection from satellite images using joint intensity histogram",Proc.of ICPR2008,pp.351-356、2008/12

3) 喜多 泰代:"二次元濃度ヒストグラムを用いた画像間変化抽出",電子情報通信学会論文誌,J90-8,pp.1957-1965、2007/08

4) Y. Kita:"Change detection using joint intensity histogram",Proc. of Int. Conf. on Pattern Recognition(ICPR06),pp.351-356、2006/08

特許

5) 特許番号4817318「2次元濃度ヒストグラムを用いた変化抽出方法、システム、及びプログラム」, 2011年9月9日, 日本, 喜多泰代