新潟県川口町田麦山地区の被害と地盤

新潟県中越地震の激甚被災地の一つである川口町田麦山地区で詳細な地質調査を行った.

田麦山地区の被害は,全体に大きいものの,大形地区の一部で特に甚大であったことがわかった.

下の図の○や□は赤色が外見上全壊家屋,黄色が中程度の被害,白が大きな損害が見られないものである.

そこで,地表踏査及びボーリング調査・サウンディング調査を行った結果,基盤(和南津層)・段丘堆積物は固く(N値30以上),扇状地を作っている堆積物は細粒で腐食質な堆積物で軟弱(N値5-20程度)なものがほとんどである.扇状地を作っている細粒堆積物の基底深度は図のようになっている.

下の図の塗色は,細粒堆積物の厚さを示したものである.被害が甚大な地域は細粒堆積物が20m以上の地域であることがわかる.

PS検層の結果,細粒堆積物のS波速度(横波の伝わる速度)は200m/秒以下である.

一般に言われる1/4波長則から200m/秒の速度で20mの厚さの堆積物がある時の固有周期は0.4-0.8秒であると考えられる.

これは木造家屋の固有周期とほぼ一致し,このことがこの地域の被害を大きくしたと考えられる.

詳細は

小松原琢ほか(2006) 2004年新潟県中越地震の地震動を増幅させた扇状地堆積物:新潟県川口町田麦山盆地の例.地質学雑誌,112,188-196

宮地ほか(2006) 新潟県川口町田麦山地区の建物被害と扇状地堆積物の層厚の関係.地球科学,60,481-487.

概要については

地質ニュース(実業公報社)622号 特集:新潟県中越地震災害調査報告会 に記されています.