6月27日,前日から始まった火山活動により形成されたと思われる割れ目群が,巡回中の三宅島警察署員により,阿古地区ならびに阿古から伊ヶ谷に向かう都道上など数ヶ所で発見された.この割れ目群の調査を,6月28日から7月1日まで行ったので,その結果を報告する.調査には東京都三宅支庁土木課ならびに三宅島警察署,東京消防庁に便宜を図っていただいた.
調査日時,調査者は
6月28日午前 松島(九大),川辺(地調),林(秋田大),鈴木(東大)
6月29日午前 川辺,金子(東大)
7月1日午前 川辺
である.
図1(90kb)ならびに図266kb)にそれぞれの割れ目の位置を示す(索引図).以下に記載する変位量の数値は,主に28日に測定したもので,29日の観察ではわずかに増大している箇所もあったが,7月1日の観察では変化していなかった.
より高解像度の図1(253kb),図2(183KB)
A地点:都道上,走向N45WからN70W,全体の幅約50mの雁行状開口割れ目群(写真1).ひとつの割れ目の開口量は最大約3cm,割れ目群全体の開口量は,ガードレールの伸び(写真2)などから約12cm程度と推定される.上下変位は南落ち約2-3cm.わずか(1cm以下)に左横ずれが認められるところもある.
B地点:都道上の北落ち正断層(写真3),走向N60W,開口量4cm,上下変位北落ち9cm.切り通しの法面にも断層が伸びており,約70度の北傾斜の断層面をつくっている.
C地点:都道縁石を割る,走向およそN10Wの開口割れ目群(写真4)で,6本確認.開口量は1cm以下で,開口総量約5cm程度か.
D地点:阿古地区夕景浜南の開口割れ目群.走向N55WからN70W.開口量最大2cm,総開口量約5cm.上下変位,横ずれはほとんどない.西縁では防波堤を割り(写真5),住宅地を横切り(写真6),集落東縁の沢の先まで伸びている.
開口割れ目,地溝状割れ目が,おおよそN70WからN50Wの走向でほぼ直線上に並ぶ. 横ずれ変位はほとんど認められない.
E地点:1643年溶岩流を切る開口割れ目群(写真7),走向N55W,開口量2cm以下の開口割れ目が3つあり,総開口量約5cm.上下変位,横ずれはない.
F地点:1643年溶岩流上,天草干し場周辺の開口割れ目群(写真8).走向N50WからN60W.開口量は最大2cm,多くは1cm以下で,少なくとも4本.上下変位,横ずれはない.ふるさとの湯周辺にも開口量1cm程度,ほぼ同じ走向の開口割れ目群がある.
G地点:住宅地を横切る地溝状開口割れ目(G-a地点写真9,G-b地点写真10,G-c地点写真11,写真12).全体の走向はN70W,総開口量は約13cm.横ずれはほとんどない.上下変位量は最大15cm,幅2mから5m,長さ約200mの地溝状の割れ目を形成する.東端の都道を横切る地点では,水道管を切断している(G-d地点写真13).
H地点:割れ目群の東端.開口量2cm以下の開口割れ目(写真14)が少なくとも4本ある.上下変位,横ずれはほとんどない.ここでも水道管を切断している.