トップエスイーチュートリアル
「並行システムの検証と実装(入門編)」開催案内 (補足)

 
磯部祥尚 (産総研情 報研


下記の要領で開催されるプロセス代数CSP (Communicating Sequential Processes) に関するセミナーについて補足致します。

日時: 2009年12月14日 10:00〜17:00
場所: 国立情報学研究所(東 京都千代田区)
題目: 並行システムの検証と実装 (入門編)
概要: 本セミナーでは、並行システムの信頼性を高めることを目的として、並行 システムをプロセス代数CSP (Communicating Sequential Processes) でモデル化し、モデル検査器FDRで検証し、JavaライブラリJCSPで実装する方法について説明します。CSPは並行システムを解析するための理論、 FDRはCSPモデルを検証するためのツール、JCSPはCSPモデルを並列/分散実行するためのライブラリです。本セミナーの特徴は、CSP理論 →FDR検証→JCSP実装の流れを重視していることにあります。FDRとJCSPの使い方を習得することによって、並行システムのCSPによるモデル化 と検証の考え方をより深く理解することができます。

今回は入門編です。受講対象者はこれからCSPを始めようと思っている人です。予備知識としてはJavaで簡単なプログラムを組んだことがあることぐらい で、理論的な知識は特に必要ありません。次のような内容を入れる予定です。

プロセス 代数CSP
プロセス代数は並行システムを解析するための理論であり、CSPは代表 的なプロセス代数の一つです。CSPによる並行動作記述(CSPの構文)、遷移規則や失敗等価/詳細化(CSPの意味)について説明します。
モデル検 査器FDR
FDRはCSPモデルの詳細化関係を検査するためのツールです。検証に おける詳細化関係の使い分けや、デバッガの使い方について説明します。
Java ライブラリJCSP
JCSPはCSPモデルを並列/分散実行するためのライブラリです。 CSPモデルをJCSPプログラムに変換するポイントについて説明します。

今回のセミナーは、国立情報学研究所で行われている同名のトップエスイー講座からの抜粋になります。参考までに、この講座のシラバスをここに置きます(CONC-4th-090225.pdf)。 単に初めの4コマ分(6時間分)を今回のセミナーにするのではなく、なるべく再編集して基本部分を取り入れる予定です。本セミナーで紹介するツールFDR やJCSPについてはこちら のウェブサイトも参考にしてください。

参加申し込みはセミナーの案内ページか らお願いします。プロセス代数や検証について初めて聞かれる方にも分かりやすく説明いたします。参加をご検討いただければ幸いです。


2009/12/02 更新