青少年のための科学の祭典 2005 全国大会 実験解説書

地盤の液状化実験−ペットボトルで中越地震の被害を再現

()産業技術総合研究所(茨城県) 兼子 尚知

●どんな実験なの?
大きな地震のときに「地盤の液状化」と呼ばれる現象が起こることがあります。これは、地震で地盤が揺れたときに、地盤の中の地下水と土砂が混ざって、まるで液体のようになる現象です。地盤の液状化による被害として、噴砂やマンホールの抜け上がりがあります。2004年の新潟県中越地震でも、地盤の液状化が数多く発生しました。この現象が起こるしくみを、ペットボトルを使った実験で観察してみましょう。

●実験のしかたとコツ
【エキジョッカーを使って噴砂を見よう(図1)】
ペットボトルに細かい砂と粗い砂(またはガラスビーズ)を入れ、水を満たしてからふたをしてよく振り、机の上に静かに置きましょう。砂が完全に沈んだら、どこまでたまったか印をつけましょう。そのあと、ペットボトルをトントンとたたくと、砂の層が液状化を起こして、砂が噴き上がってきます。しばらくすると、砂の噴き上がりはおさまります。

【エッキーを使ってマンホールの抜け上がるしくみを見よう(図2)】
このペットボトルに、先に丸いプラスチックの頭がついた画びょうを入れて、同様に振ってみましょう。砂が沈むとき画びょうは砂の中に埋もれてしまいます。これを揺らすと液状化が発生し、画びょうが浮力によって、砂の中からモコモコと出てきます。

【液状化が発生すると地盤沈下が起こります】
砂が沈んだとき、砂と砂の間には水がかなり含まれています。これは地盤でも同様です。地震などで揺れると、液状化が起きて水が抜けます。このときに砂も一緒に引きずり上げられる現象が噴砂です。水が抜けた分、砂の面が下がって地盤沈下が起こります。最初につけた印に対して、砂の面が下がっていることを確認しましょう。

●気をつけよう
ペットボトルのふたを開けると、砂やガラスビーズ・画びょうが飛び出し、危険です。

●もっとくわしく知るために
・「防災科研News」129、10-11;130、12-13;132、10-11:134、14-15  納口 恭明『自然災害の科学教室=地盤液状化現象の科学手品[エッキー](1-4)』
・「地質ニュース570号」p.26〜p.27 [エキジョッカーによる液状化実験装置]
エキジョッカーは宮地・兼子が特許を申請中です。エッキーの作製キットについては、著者までお問い合わせください(巻末の問い合わせ先一覧参照)。